4月も歌舞伎座では歌舞伎座四月大歌舞伎が上演されます!
2026年四月大歌舞伎の大きな見どころは、
裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)の通し上演でしょう。
また、尾上右近さんと尾上眞秀さんの連獅子も
興味を引く演目です。
この記事では、四月大歌舞伎(2026)の演目や、スケジュールなどの情報と
私の観劇感想をお伝えしていきます。

歌舞伎座四月公演の演目・配役・簡単なあらすじを紹介
ここからは、四月歌舞伎座公演の概要を
昼・夜ともに、「演目」「配役」「簡単なあらすじ」を
紹介していきます。
それぞれ、私の注目ポイントも付け加えています!
歌舞伎公演4月昼の部の演目・配役・簡単なあらすじ
一、廓三番叟(くるわさんばそう)
【配役】
大尽 中村 梅玉
傾城 中村 福助
大尽 中村 芝翫
太鼓持 中村 橋之助・中村 福之助
中村・歌之助
新造 中村 莟玉・中村 玉太郎
番新 中村 歌女之丞・中村 梅花
手代 中村 松江
亭主 中村 東蔵
傾城 中村 魁春
人間国宝、中村東蔵さんと中村梅玉さんが
揃う舞台ですね
三番叟は祝いの意味を込めた演目、
ご長寿の役者さんと
フレッシュな役者さんの
共演に期待が持てます!
【簡単なあらすじ】
能の「翁」を下敷きに、
舞台を廓に置いて
大尽中心に、傾城や新造、太鼓持ちなど
賑やかに集まり祝いの舞を披露します。
二、通し狂言:裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)梅照葉錦伊達織
序幕:花水橋の場
二幕目:大場道益宅の場
三幕目:足利家御殿の場・床下の場
大詰:問注所小助対決の場・控所仁木刃傷の場
【配役】
下男小助/乳人政岡/仁木弾正
8代目尾上 菊五郎
倉橋弥十郎/細川勝元
中村 勘九郎
下女お竹 中村 七之助
沖の井 中村 時蔵
足利頼兼 中村 歌昇
荒獅子男之助 中村 萬太郎
渡辺民部 尾上 右近
絹川谷蔵 中村 種之助
山中鹿之助 中村 歌之助
千松 中村 秀乃介
鶴千代 尾上 琴也
家主茂九兵衛 中村 吉之丞
道益弟宗益 市村 橘太郎
横井角左衛門 坂東 彦三郎
渡辺外記左衛門 河原崎 権十郎
栄御前 市村 萬次郎
大場道益/八汐 坂東 彌十郎
8代目尾上菊五郎さんが、政岡と仁木弾正を演じ分ける!
また進化されそうです。
音羽屋ゆかりの演目はなんと8年ぶりの
通し上演だとか。
中村屋兄弟、坂東彌十郎さんと人気者を
周りに揃え、
加えて尾上勘十郎さんのご子息尾上琴也さんの
初舞台となるようです!
【簡単なあらすじ】
江戸時代に実際に起きた伊達家のお家騒動、
それを歌舞伎化したのが名作「伽羅先代萩」。
一般に知られている、
お世継ぎを守る乳母政岡と子千松の悲劇と
黒幕仁木弾正との対決
歴史物らしいストーリーを「表」と捉え、
その「裏」では小悪人が欲のために主人を手にかける
世話物を描く。
表と裏の物語が交差しながら進むお芝居です。
歌舞伎公演4月夜の部の演目・配役・簡単なあらすじ
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
十種香
【配役】
息女八重垣姫 中村 時蔵
腰元濡衣 中村 七之助
原小文治 中村 歌昇
白須賀六郎 中村 萬太郎
長尾謙信 中村 芝翫
花作り簑作実は武田勝頼
中村 萬壽
中村時蔵さん、満を辞して?の
八重垣姫初役です!
恋に生きる美しき気高い
姫の姿が見られそうです。
何気に、七之助さんの濡れ衣も気になる。
【簡単なあらすじ】
長尾家の姫である八重垣姫は
許嫁の武田勝頼の死を知って嘆き悲しむ。
その絵姿を掲げ菩提を香を焚いて弔っていたところ、
その絵姿そっくりの男が現れる。
驚く姫だが、それは花売りの蓑作で別人であった。
それでも気になる姫は
腰元濡衣に恋の仲立ちを頼みます。
実はこの蓑作こそは
武田勝頼で、盗まれたお家の宝を取り戻すため
姿を変えて潜んでいたのです。
しかし、長尾家の当主謙信は
蓑作を勝頼と見抜いており、、、。
という、女方屈指の役と言われる
八重垣姫を今回は中村時蔵さんが初役で演じます。
演技力バッチリで見栄えよし!
しかも強気の女が得意な時蔵さんなので
恋焦がれながらも意思を貫き通す
情熱的な姫が見られそうです。
二、連獅子(れんじし)
河竹黙阿弥 作
【配役】
狂言師右近後に親獅子の精
尾上 右近
狂言師左近後に仔獅子の精
尾上 眞秀
浄土の僧遍念 中村 歌之助
法華の僧蓮念 中村 福之助
尾上右近さんと尾上眞秀さんのコンビ
研の会などでその相性は実証済み!
歌舞伎座の本興行で20日間以上
かなりの体力勝負になると思いますが
眞秀くん、がんばってほしいです!
きっと一皮剥けると思います。
【簡単なあらすじ】
清涼山の麓、石橋がかかるところ
霊獣獅子が現れると地元の人は恐れている
狂言師の右近と左近がその獅子の伝説について
舞ってみせます。
手にした獅子の頭に導かれるように
2人が姿を消すと
変わって二人の僧が現れます。
僧らの滑稽な宗論とやりとり、
そのうちに風が吹き異様な気配が、、、
獅子が現れることを察した二人は急いで帰ります。
そして現れたる2頭の獅子は、
牡丹の花の香に酔いながら
勇壮にその毛を振って舞うのでした。
ご存知の連獅子、
踊り上手の右近さんが親獅子、
この右近さんに眞秀さんが
どれだけ絡みついていくかが見ものです。
三、浮かれ心中(うかれしんじゅう)
井上ひさし 作「手鎖心中」より
小幡欣治 脚本・演出 大場正昭 演出
*中村勘九郎宙乗り相勤め申し候
【配役】
栄次郎 中村 勘九郎
三浦屋帚木 中村 七之助
おすず 8代目尾上菊五郎
大工清六 中村 橋之助
栄次郎妹お琴 中村 玉太郎
番頭吾平 市村 橘太郎
佐野準之助 片岡 市蔵
伊勢屋太右衛門 市村 萬次郎
太助 中村 芝翫
中村勘九郎さん、中村七之助さんの浮かれ心中は、
中村屋ファンにとっては待ちに待った演目
そこに尾上菊五郎さんが絡むとは、
なんと豪華で嬉しいことでしょうね。
【簡単なあらすじ】
伊勢谷の若旦那栄次郎は、人を笑わせるのが大好き!
その思いの強さから、
とうとう両親に勘当を申し出て、
憧れの絵草紙作家になることに!
そして、次から次へと馬鹿騒ぎを繰り広げます。
もっと注目を集めようと
幕政を批判するようなことも書き、
とうとう手鎖の刑を言い渡されてしまいます。
それでも懲りない栄次郎、
今度は吉原の花魁と心中騒ぎを思いつきます。
江戸の浮かれもの栄次郎、
この先どうなってしまうのでしょう?
井上ひさしさんが直木賞を受賞した小説をもとに
勘九郎さんの父である
故中村勘三郎が歌舞伎化した作品です。
勘九郎さんの宙乗りも話題ですね。
歌舞伎座四月大歌舞伎の上演スケジュールは?
歌舞伎座四月大歌舞伎は、4月2日(木)を初日に、
途中10日(金)、20日(月)の休演日をはさみ
27日(月)が千穐楽となっています。
上演時間は、こちらの画像を参考になさってください。

公式サイト歌舞伎美人から借用しております。
4月歌舞伎座公演の観劇レビュー
歌舞伎座の四月公演、もちろん昼夜どちらも観に行きます。
私が楽しみなのは、やっぱり「表裏先代萩」と「浮かれ心中」かな。
歌舞伎座四月大歌舞伎夜の部の感想
歌舞伎座の四月公演夜の部を、4月6日に観劇しました。
夜の部は演目が3つ、
時代物、松羽目物、世話物とそれぞれ違う面白さがありました。
それぞれの演目ごとに感想を書いていきます。
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)十種香の感想
この物語は、上杉謙信と武田信玄の攻防が背景にあり
(あ、劇中は長尾謙信と武田信玄となってます)、
この幕の主人公は謙信の娘の八重垣姫、
亡くなった許嫁への熱い恋心を持ち続ける姫です。
歌舞伎のお姫様の中でも屈指の大役、
八重垣姫を中村時蔵さんが初役で務めます。
その姫の許嫁というのが武田信玄の長男、勝頼です。
このお芝居では、勝頼はある嫌疑を晴らすことができず
自害したという設定、
なんだけど、自害したのは身代わりで、
今は花作りの蓑作に姿を変え謙信に雇われ屋敷に来ています。
この勝頼を演じるのが中村万寿さん、
親子じゃん!と思っていたけど
萬寿さんの勝頼が想像以上に若くて美しくて
こりゃ姫も惚れちゃうわって感じのイケメンでした。
そして、姫の腰元濡衣を中村七之助さん(初役)、
濡衣の亡くなった夫というのが
勝頼の身代わりになった本物の蓑作です。
なので、それだけで結構ややこしい設定。
だけど、この3人の登場がとても素敵なんですよ。
中央に武士の装いで謙信の命令を待つ蓑作(実は勝頼)、
右手の部屋の中に勝頼の菩提を弔う八重垣姫、
左手の部屋に亡くなった夫の菩提を弔う濡衣、
この構図だけでうわーと心を揺さぶられました。
3人が出揃ったところで、
蓑作の姿に亡き勝頼の面影を見て忽ち恋の炎が燃え上がる八重垣姫。
会ったことがない許嫁なのに、恋慕う気持ちの強さが
蓑作を装った勝頼へ惹きつけられたのでしょう。
古典の姫様が見せる恋への熱情、
義太夫に乗っての語りも含めて
とても熱く伝わってきました。
濡衣も本当は夫を慕う気持ちがありながらも
託された使命(勝頼を助け、ある宝を手に入れること)を
忠実に果たそうとする女の強さが感じられました。
そこに、現れる長尾謙信(中村芝翫さん)、
この人こそ食えない役です。
その登場によってそれまでの恋の駆け引きが
命の駆け引きへと緊張感を帯びるのもよかったです。
うわあーと盛り上がったところ、
このあとどうなっちゃうのーってところで幕・・・笑
歌舞伎ってこういうものですが、
一幕でも色々な要素があり
いい配役でじっくり見られたことがよかったなと思いました。
それにしても、七之助さん、時蔵さんの存在感はすごい!
これからの歌舞伎を背負って立つ2人の女(?)の姿を見た思いもしましたよ。
二、連獅子(れんじし)の感想
連獅子は人気の演目、
よく親子筋で共演されるので
親と子、師匠と弟子、でもある2人の役者が
互いに競い合いながらも阿吽の呼吸で見せてくれる演目として
私はとっても大好きです。
多分、そのひりつくような緊張感が好きなんだろうなと
今回のお芝居を見て改めて思いました。
なぜかというと、
この連獅子は親獅子(狂言師右近)に尾上右近さん、
子獅子(狂言師左近)に尾上眞秀さん、という
同じ音羽屋で親戚筋ではありますが
親子でも師弟関係でもない二人による空気感が
私好みの空気感とは違ったからです。
お芝居としては、よかったと思います。
貫禄を見せる右近さんと丁寧に舞う眞秀さん。
昨年、右近さんの自主公演「研の会」で上演され
好評だった演目、顔合わせでもあります。
だから、歌舞伎座は初めてでも
2回目の顔合わせ、
そういう余裕も少しはあるのかなあ、
楽しそうにやってるなって感じに思えました。
でも、それがこれからの歌舞伎にも
大切なのかもしれません。
若い役者さんたちが何を大切に演じていくのか
それを受け取る観客の好みも価値観も変わっていくのでしょう。
連獅子を見ながらそんなことを考えていました。
それでも二人にとっては大きなチャレンジで
その姿に勇気をもらう人もきっと多いはずです。
三、浮かれ心中(うかれしんじゅう)の感想
実は、とても楽しみにしていたのがこの演目。
私は見たことがなかったけど、
故中村勘三郎さんのファンの中では根強い人気を持つお芝居です。
勘九郎さん、8菊五郎さんのコンビも
とても注目を浴びていたのもその理由の一つです。
時代は、青草子や黄草子が庶民に人気だった頃、
主人公の栄次郎は材木問屋の若旦那でありながら
絵草紙の戯作者として一世を沸かせたいと熱望していました。
そこで、1年間だけ戯作者活動を許され、
すずと仮の世帯を持ち、戯作活動に励むのです。
栄次郎が勘九郎さんで、すずが8菊五郎さん、
仲睦まじい様子もすごくお似合いでよかったです。
私からは、8菊五郎さんは、生真面目なイメージが強いのですが
このすず役は、ちょっと素朴でコケティッシュで、
イケイケの勘九郎さん、芝翫さん、七之助さんと
いい塩梅でお芝居の癒しになっているなあと思いました。
栄次郎とつるむ太助が芝翫さん、
物語の核でもある遊女帚木に七之助さんでした。
この4人の組み合わせがこのお芝居の良さを引き出した
と私は思います。
みんなそれぞれ純粋な思いを持っていて
それを演技でも惜しみなく出していたことが
人を笑わせる要因になると感じたからです。
そう、みんな一生懸命夢を追っている、
そのやり方が多少間違っていても
志はピュアだからそのギャップも笑いの要素です。
そして、そのピュアな思いが悲劇も呼ぶのですね。
最後、心中からの結末は私にとっては意外でした。
でも、そこにもピュアな思いがありました。
それが橋之助さん演じる清六です。
私的には、湿っぽくって笑いを感じられない清六でしたが
その思いは帚木に向けられそれを裏切られたことで
恐ろしい行動に出てしまうわけなんです。
ここに、夢の落とし穴があったんですね。
喜劇ですが、その「穴」の暗さは現代に生きる私にも刺さるものでした。
本音は、ハッピーエンドになって欲しかったので
この結末は残念なのですが、
それを問いかけるのもこのお芝居のテーマなのかなと
思ったところです。
あと、宙乗りの勘九郎さん、
落ちないでね、気をつけてね、ってすごく祈っちゃいました。
サービス精神が旺盛なのも勘三郎さん譲りかな。
全く違う性格の演目を3種類楽しめて大満足な観劇です。
昼の部も観劇したら、こちらに感想を書きますので
ぜひまたお立ち寄りくださいませ。
ここまでお読みくださり、ありがとう存じまする。
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