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鏡山旧錦絵:国立劇場初春歌舞伎の感想、菊五郎のお初、時蔵の尾上、彌十郎の岩藤大激突!

観劇レポート
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国立劇場の初春歌舞伎、今年も新国立劇場の中劇場で上演されました。

演目は、「鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」の通しで

17年ぶりの上演だそうです。

お家騒動に巻き込まれた女主人の仇を

召使の女性が仇打ちをするストーリーです。

その様子から「女忠臣蔵」とも言われている演目です。

それでは、2026年の公演の配役と感想をお伝えします。

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鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)の簡単なあらすじ

鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)は、

1724年に実際に起きた「草履打ち事件」と

1744年〜1748年にかけて起きた「加賀騒動」が

下敷きになって完成したと言われています。

歌舞伎では4幕7場のお芝居となっています。

序幕:営中試合の場

御館の大姫は、宝である旭の尊像(あさひのそんぞう)を、

中老(ちゅうろう)の尾上(おのえ)に預けるという。

しかし、奥女中の局(つぼね)岩藤(いわふじ)は

自分を差しおいて、尾上を取り立てられるのが面白くありません。

岩藤は、密かに剣沢弾正と共謀してお家横領を企んでいます。

そこで町人の出で剣術が不得手な尾上に恥をかかせようと、

剣術の試合を提案します。

ところが次の間でそれを聞いていた尾上の召使いのお初が

「私が代わりに勝負します」と名乗り出、

岩藤派の腰元たちや岩藤と対戦して勝ってしまいます。

岩藤は、ますます尾上に憎しみを抱くのでした。

2幕目:奥御殿草履打ちの場

館を上使、剣沢弾正が

家の重宝である蘭奢待(らんじゃたい)の香木を見聞するため訪れます。

尾上は大姫より蘭奢待の預かり役を勤めていました。

しかし香箱を開けてみると、蘭奢待がなくなり、

あとには何と、岩藤の草履の片方が入っていたのです。

さらには、もう片方の草履が尾上の部屋で見つかったと言う知らせも入り、

蘭奢待紛失の嫌疑が尾上にかかってしまいます。

岩藤は蘭奢待を盗んだのは尾上で、

わざと岩藤の草履を箱に入れて岩藤を犯人に仕立てたと騒ぎ立て、

殿中の皆の前で、証拠の草履で尾上を打ちます。

罪を着せられ辱められた尾上は、

草履を握りしめながら御殿を下がるのでした。

3幕目:長局尾上部屋の場

帰りが遅い主人を案じるお初は

やっと帰ってきた尾上の様子がおかしいことに

不安を覚えます。

着替えて、元気のない尾上の身体をさすりながら、

お初は浄瑠璃は好きかと尋ね、

今流行りの忠臣蔵の塩谷判官になぞらえて

短慮は控えるようにとさりげなく促します。

しかし、尾上はそんなお初に、

草履と書き物を入れた文箱を持たせ使いに出るように言います。

胸騒ぎがするお初でしたが、

尾上の命には逆らえず部屋を出ていきます。

3幕目:堀外烏啼きの場

屋敷を出たお初でしたが、

提灯の灯りが消えたり、烏が啼いたり、

さらには草履の鼻緒が切れたりと

不吉なことばかり起こるのでなかなか前に進めません。

そんなところに、岩藤一味の牛島主税と

忠義な奴の伊達平とが何かを取り合う争いに巻き込まれてしまいます。

その拍子に文箱の紐が解け、

中から出てきた尾上の書置きに驚き、

お初は急ぎ館へ戻るのでした。

3幕目:元の長局尾上部屋の場

尾上の部屋では、自害しようとする尾上を

岩藤がいたぶり、預かった旭の尊像を持ち去ろうとしています。

かけ戻ったお初が見たのは、

胸に懐剣を突き立て、虫の息の尾上でした。

苦しい息の下から尾上はお初に

草履で打ち据えられた無念と尊像を奪われたことを伝えます。

生きたえた尾上の無念を晴らそうと、

お初は悪事を記した書置きと草履と尾上の懐剣を持ち

仇を打とうと岩藤がいる屋敷へ向かいます。

大詰め:奥庭仕返しの場

深夜、邪魔者尾上が死んだ上、尊像も手に入れた

上機嫌の岩藤のところへお初がやってきます。

尾上の具合が悪いから部屋に来て欲しいと言うお初に

岩藤は頭痛がすると嘘を言います。

お初は頭痛の特効薬といい、持ってきた草履を岩藤の頭の上に置きます。

揉み合ううちに、転げ落ちた旭の尊像を見たお初は、

主人の仇、と岩藤に斬りかかります。

斬り合いになりながらもお初はとうとう岩藤を打つのです。

そこに、庵崎求女が全てを見たと現れ、

岩藤と弾正の企みをお上に訴えるといい、

お初にもついてくるように促します。

大詰め:右大将頼朝花見の場

頼朝は政子、大姫と、家臣たちを伴い

花見を楽しんでいます。

そこに、求女が一連の悪巧みを報告し、

手柄を立てたお初を頼朝に紹介します。

その忠義を喜んだ頼朝によって

お初は二代目尾上に取り立てられることになりました。

 

国立劇場初春歌舞伎「鏡山旧錦絵」の配役

召使お初  八代目 尾上 菊五郎

局岩藤・北条時政  坂東 彌十郎

中老尾上・畠山重忠 中村 時蔵

奴伊達兵      坂東 彦三郎

庵崎求女      中村 萬太郎

大姫        中村 玉太郎

奥女中霧島・牛島主税 市村 橘太郎

剣沢弾正      河原崎 権十郎

侍女左枝      市村 萬次郎

大江広元      坂東 楽善

源頼朝       七代目 尾上 菊五郎

主人公のお初に七代目菊五郎さん、

尾上に中村時蔵さん、という綺麗コンビが

嬉しいところです。

岩藤役は、立役の役者が演じることが通例になっていて

今回は坂東彌十郎さんにその白羽の矢が立ちました。

彌十郎さんは悪役もこなす方なので

まさに憎々しい岩藤を好演されるでしょう。

そして七代目菊五郎さんの登場場面も待ち遠しいです。

鏡山旧錦絵のネタバレ感想

鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)を1月19日に観劇してきました。

体調不良で休演されていた竹本葵太夫さんも復帰し

とても素晴らしい喉を聴かせてくれました。

感想としては

主要キャストのお初(8尾上菊五郎さん)、

尾上(中村時蔵さん)、岩藤(坂東彌十郎さん)が

立体的な存在として生き生きと描かれていたことで

お芝居を楽しむことができました。

お初は、主人尾上を一途に慕っていて

岩藤一派を竹刀でコテンパテンに打ちのめしちゃうほど

真っ直ぐな気性が魅力的でした。

8菊五郎さんは、数々の女役を務めてますが、

チャキチャキしたがんばり系のキャラは

お似合いだなって思います。

尾上は、落ち着いた大人の風情ですが

誇り高く自身の務めにも強い責任を持っている

いわば館のキャリアウーマン!

でも、このお芝居では

岩藤の計略で自害へと追い詰められてしまう不運のヒロインで

それが時蔵さんの醸し出す儚さ、潔さにピッタリハマっていました。

岩藤の彌十郎さんがあまりにもそのまんま

と言ったら失礼かもしれませんが、

大きな声、がっしりとした体格が

岩藤にピッタリ、憎らしいわかりやすい悪役でした。

この3人の絡みがそれぞれインパクトあり

ストーリーがよりリアルに感じられました。

お初の仇討物語ですが

仇討ちの場面は短くて、

そこに至るまでの岩藤たちの悪事が

お芝居的には長いので、

女忠臣蔵と言われてもその点は違いました。

そう考えると、かなりストーリーとしては

シンプルなんですね。

謎もあんまりなくて、

誰が何のためにどんな悪さをしているかが

とてもわかりやすいです。

それだけに、役者さんがそこにハマっていることが

大事なお芝居じゃないかなと思います。

最後が大団円で、

7菊五郎さんの頼朝と中村魁春さんの政子、

中村玉太郎さんの大姫、坂東楽前さんの大江広元など

皆がずらりと並ぶとおめでたさを実感させてもらえました。

今年はお子様が出ていないのは寂しいな

って思いましたが、

やはり7菊五郎さんのお声を聞くと

新年だなあ、いいことありそうだなあって嬉しくなります。

私としては

この初春芝居を歌舞伎様式ではない劇場で観ることに

すごく抵抗があります。

早く、国立劇場を復活させ、

そこで日本の伝統芸能歌舞伎のお正月を楽しみたいところです。

お芝居の内容はそれを差し引いてもいいので

まだ観ていない方は観てくださいー

それではお読みくださりありがとう存じまする。

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