3代目尾上辰之助さん、襲名披露、誠におめでとうございます。
5月の歌舞伎座公演は、毎年恒例の團菊祭!
今年(2026年)は、音羽屋に尾上辰之助の名が連なります。
尾上左近さん、前尾上辰之助で、現在尾上松緑さんのご子息が
その名を襲名されるのです。
いつも以上に華やかでおめでたい舞台になりそうで私もワクワクしています。
令和8年5月の歌舞伎座公演、「團菊祭5月大歌舞伎」について、
演目、配役、あらすじやスケジュール、そして感想も含めて解説していきます!

團菊祭5月大歌舞伎、2026年は尾上辰之助襲名披露公演だ!
先にも書いた通り、
令和8年の歌舞伎座5月公演、通称「團菊祭」は、
3代目尾上辰之助襲名披露公演となります。
2025年は、8代目尾上菊五郎、6代目尾上菊之助の襲名披露、
でしたので、
おめでたいことが2年連続で行われることになります。
なぜ、5月の歌舞伎座公演を「團菊祭」というのかというと、
江戸から明治へと時代が変わった時に、
歌舞伎存続の危機がありました。
その時に、
9代目市川團十郎と5代目尾上菊五郎という名優の活躍により、
歌舞伎の近代化が進んだことから
この二人の偉業を讃え、後の世に継承しようという意図から
二人の名をとった「團菊祭」という公演が
1936年から開催されるようになったのです。
途中、戦争やコロナによる中断はあったものの、
現在でも、市川團十郎の成田屋、
尾上菊五郎の音羽屋ゆかりの演目を
両家ゆかりの役者が演じることが恒例となっています。
尾上辰之助、という名は、
尾上菊五郎の直系の家ではないのですが、
音羽屋の中の尾上松緑の一門の上位の名跡です。
この名を継ぐ、尾上左近さんは、今年20歳になり、
新春浅草歌舞伎のメンバーとしても
人気が高まっている役者さんです。
尾上辰之助になることで、
ますます活躍の場が広がることが
期待されています。
私も、この公演は見逃せません。
3代目尾上辰之助誕生の場に居合わせられる喜びを感じながら
お芝居を観たいと思っています。
尾上左近改め、3代目辰之助さんについてはこちらに詳しくまとめていますのでお読みください

團菊祭5月大歌舞伎の演目・配役・あらすじは?
2026年團菊祭の演目、配役は、
尾上辰之助襲名披露に合わせながらも
團十郎さんの助六というお家芸にも注目です!
それでは、昼の部と夜の部に分けて
解説します。
歌舞伎座5月公演「團菊祭」昼の部
一、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)
曲亭馬琴 原作
芳流閣・利根川
【配役】
犬飼現八 坂東 巳之助
犬塚信乃 尾上 右近
犬田小文吾 大谷 廣太郎
犬川荘助 中村 種之助
犬坂毛野 大谷 廣松
犬村大角 市川 男寅
犬江親兵衛 中村 鷹之資
足利成氏 市川 九團次
犬山道節 坂東 彦三郎
八犬士の顔ぶれが誰になるのかを
ワクワクしながら配役を見ました。
この顔合わせは、なかなかに珍しいので
舞台上でどんな姿になるのか想像しています。
【簡単なあらすじ】
里見家の伏姫の中から現れ宙に飛び散った
8つの玉を持つ8人の犬士が集まりつつある中、
仲間とは知らずに争う犬飼源八と犬塚信乃、
二人の攻防は屋根の上での大立ち回りになっていきます
しかし、互いに足を滑らせ利根川へと
真っ逆さまに落ちてしまいます。
その利根川の流域でも
不思議な縁に惹かれるように
犬士たちが集まってくるのです。
暗闇の中、互いにそれと知らぬまま
姿を見せる八犬士たち、出会うのはいつになるのか。
二、六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)
遍照・文屋
業平・小町
喜撰・黒主
【配役】
僧正遍照 8代目尾上 菊五郎
文屋康秀
在原業平
喜撰法師
大伴黒主
小野小町 中村 時蔵
所化 中村 萬太郎・市村 竹松
中村 種之助・市川 男寅
中村 鷹之資・中村 玉太郎・尾上 菊市郎
官女/所化 市村 橘太郎・澤村 清四郎
祇園のお梶 中村 雀右衛門
8代目尾上菊五郎が六歌仙の中の5人を務めます。
平安時代の艶やかな絵巻が舞台上に見られそうですね。
【簡単なあらすじ】
時は平安時代、絶世の美女と誉高い
小野小町を巡って、
歌仙たちがいいよる5つの場面を
5人の歌仙を8菊五郎さんが演じ分ける
変化舞踊です。
それぞれの歌仙の特徴により
舞台の雰囲気も変わるのが見どころです。
三、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん):三代目尾上辰之助 襲名披露狂言
劇中にて襲名口上申し上げ候
【配役】
曽我五郎 左近改め尾上 辰之助
曽我十郎 8代目尾上 菊五郎
鬼王新左衛門 市川 團十郎
近江小藤太 中村 萬太郎
八幡三郎 坂東 巳之助
化粧坂少将 坂東 新悟
喜瀬川亀鶴 尾上 右近
梶原平次景高 市村 橘太郎
梶原平三景時 河原崎 権十郎
大磯の虎 中村 雀右衛門
小林妹舞鶴 中村 萬壽
工藤祐経 7代目尾上 菊五郎
後見 尾上 松緑
3代目尾上辰之助が曽我五郎で
8代目菊五郎が曽我十郎、
鬼王新左衛門に市川團十郎で
工藤祐経に7代目菊五郎、
めっちゃ豪華な舞台じゃないですかー
さすが襲名披露、ってことですね。
パパはどこ?って探したら
後見に尾上松緑!
これが松緑さんの愛なんだなあと
感動もしています。
【簡単なあらすじ】
時は鎌倉時代、将軍源頼朝から
富士の狩場の責任者を任された工藤祐経。
それを祝っての宴会の席に現れたのが
曽我五郎と十郎の兄弟。
二人は工藤を父の仇と付け狙っているのです。
それを知っての工藤との対面や
狩場での再会を約束しての別れまで
歌舞伎の様式美とさまざまな役者の個性が見られる
贅沢な一幕です。
劇中に、3代目尾上辰之助襲名口上があるのも楽しみですね。
歌舞伎座5月公演「團菊祭」夜の部
一、鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき):三代目尾上辰之助 襲名披露狂言
菊畑
劇中にて襲名口上申し上げ候
【配役】
奴虎蔵実は源牛若丸 左近改め尾上 辰之助
皆鶴姫 中村 時蔵
笠原湛海 坂東 亀蔵
吉岡鬼一法眼 坂東 彦三郎
奴智恵内実は吉岡鬼三太 尾上 松緑
ここは、尾上松緑の音羽屋と
坂東兄弟の音羽屋と
時蔵さんの萬屋が辰之助さんのお祝いですね。
個人的には、左近さん時代は女形が素敵だったから
そういう舞台も見たかったなあ
【簡単なあらすじ】
平家に仕える兵学者の鬼一法眼の屋敷は
美しい菊の花が真っ盛り。
この館に勤める奴虎蔵は実は源義経の仮の姿。
同じく奴智恵内に扮した吉岡鬼三太と
法眼が持つ「六韜三略(りくとうさんりゃく)」を
手に入れようと企んでいるのです。
しかし、虎蔵に恋する法眼の娘、皆鶴姫が
2人の正体に気づいてしまうのです。
さあ、どうなる?
夜の部の尾上辰之助襲名披露口上は
この劇中に行われますので、こちらも要チェックです。
二、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
河東節十寸見会御連中
【配役】
花川戸助六 市川 團十郎
三浦屋揚巻 8代目尾上 菊五郎
髭の意休 市川 男女蔵
三浦屋白玉 中村 時蔵
通人里暁 尾上 右近
朝顔仙平 中村 鷹之資
福山かつぎ 左近改め尾上辰之助
傾城八重衣 坂東 新悟
同 浮橋 中村 種之助
同 胡蝶 大谷 廣松
同 愛染 中村 玉太郎
同 誰ヶ袖 坂東 玉朗
男伊達山谷弥吉 澤村 宗之助
同 田甫富松 大谷 廣太郎
同 竹門虎蔵 市川 男寅
同 砂利場石造 市川 右近
同 石浜浪七 中村 吉之丞
文使い番新白菊 中村 歌女之丞
奴奈良平 市川 九團次
国侍利金太 片岡 市蔵
三浦屋女房 市村 家橘
遣手お辰 市村 萬次郎
くわんぺら門兵衛 尾上 松緑
曽我満江 中村 雀右衛門
白酒売新兵衛 中村 梅玉
口上 市川 新之助
後見 市川 齊入
久しぶりに助六!
團十郎さんの助六はかっこいいし華はあるし
これは観たい演目です。
そしてなんと、平成の三之助が
この舞台に揃うんですね。
昨年の、尾上菊五郎襲名では実現しなかったので
とても私は嬉しいです。
【簡単なあらすじ】
江戸の伊達者、花川戸助六は吉原ではモテモテ。
三浦屋の花魁揚巻とはいい仲ですが、
横恋慕する髭の意休にも喧嘩では負けません。
白酒売りが近づいて何やら話しかけますが
実は2人は兄弟。
紛失した家宝の友切丸を探していたのです。
そこに揚巻に伴われ現れた編笠姿の人物は2人の母親、
果たして、兄弟の思惑は叶うのか?
ストーリーよりも絢爛豪華な登場場面と
登場人物間の痛快なやり取りが見どころです。
歌舞伎座5月公演團菊祭の上演時間やスケジュールは?
令和8年5月歌舞伎座で開催される「團菊祭」公演は
5月3日(日)が初日で、27日(水)が千穐楽となります。
休演日は、11日(月)と19日(火)です。
昼の部が、午前11時から午後3時20分ごろまで、
夜の部が、午後4時半から午後8時25分ごろまでとなっています。
詳しい時間割はこちらの画像の通りです。

團菊祭5月大歌舞伎2026の感想!
3代目尾上辰之助襲名披露公演も兼ねた「團菊祭5月大歌舞伎」、
もちろん昼夜、両方観劇予定です。
團菊祭五月大歌舞伎の昼の部感想
五月歌舞伎公演團菊祭の昼の部を
5月3日、初日に観劇しました。
新しい、尾上辰之助誕生の場に立ち会いたい!
その思いで、初日の昼の部に行ったんです。
大体、初日って完璧とは言えなくて
あちこちでポロリが発生。
この日もいきなりプロンプトが入ったり、
立ち回りや舞踊の所作がずれていたりと
いくつかありましたが、
新・辰之助さんの初日はとてもおめでたく
温かい祝福の気持ちが伝わるものでした。
それでは、演目ごとに感想を書いていきます。
1。南総里見八犬伝の感想:勢ぞろいがかっこいい
滝沢馬琴の有名な物語「南総里見八犬伝」の歌舞伎化です。
そのうち、今回上演されたのは、
芳流閣と利根川でした。
ここでの主役は犬塚信乃、演じるのは
最近歌舞伎座では大役に抜擢されることが多い尾上右近さん。
前髪の若武者姿がとても凛々しいです。
この場の見どころは、
芳流閣という建物の屋根の上での大立ち回り、
はじめは花四天がかわるがわる立ち向かい
それを信乃が華麗にかわすという様子が
続きました。
トンボ切ったり、屋根から飛び降りたり、
名題下の役者の皆さん、お疲れさまって感じでした。
途中からは、坂東巳之助さん演じる
犬飼現八が登場し、
2人の斬り合いから取っ組み合いまで
ダイナミックな戦いに胸もドキドキでした。
それから後半はしんみりとダンマリの場面。
まだ、八犬士とは気づかぬ面々が
それぞれ探り合いながら最後は勢揃いするという
静かでありながらも見応えのある場面でした。
皆さんの衣装や化粧がそれぞれの個性を表し
とても素敵だったので、
このメンバーでの通し狂言を見てみたい!
と思ったほどでした。
この場だけってもったいない〜〜
2。六歌仙容彩の感想:菊時コンビが美しい!
こちらは変化舞踊という演目で、
一人の役者が6人の違う役を演じ
その役に合わせたエピソードを舞踊で表現する
という面白い演目でした。
が、思ったよりも長かったので、
途中で寝てしまった場もありました・・
面白かったのは、
文屋康秀の段、
コワモテの(笑)官女たちが
ユーモラスなやり取りや動きを見せてくれるのです。
その場を仕切るのが橘太郎さん、
私は最近この人が好みでねえ〜
ちっともいい男じゃなくて
小太りのおっちゃんなんだけど
どんな役でも器用にこなす役者さんです。
実は今月、名題昇進した尾上音蔵さんが
4代目尾上菊太郎の名を襲名されていて
それを舞台上で、お祝いの言葉とご祝儀を渡す、
というのをやってのけてくださったんですよ。
温かいよね〜、でますます橘太郎さん好きになっちゃう。
肝心の六役を演じ分ける8代目菊五郎さんと
小野小町役の中村時蔵さんの2人の姿は美しいこと。
この演目は、そんな目の保養でもありました。
最後は、悪い黒主が出てきて小町と対決!
時蔵小町は負けておらずのかっこよさでした。
3。寿曽我対面の感想:辰之助誕生を祝う演出に胸熱
そして、昼の部のトリは、
3代目尾上辰之助襲名披露公演!
六歌仙の後、さーっと現れたお祝い幕に
言葉にならないどよめきが走ります。
銀地に金を散らした中
のびのびと天を舞う蒼い龍の姿!
若き辰之助の誕生を祝うにぴったりの素敵な幕です。

そして、対面はいつものように
工藤祐経を讃える言葉から始まるのですが、
舞台に揃う面々がまさにお祝い舞台で、
もちろん筆頭は工藤役の7代目尾上菊五郎さんなんだけどね。
それを見てるだけで胸が熱くなっていきました。
そうして、小林妹舞鶴演じる中村萬壽さんの招きで
いよいよ尾上辰之助さんの曽我五郎と
8代目菊五郎さんの曽我十郎が花道に登場!
その瞬間、劇場は熱い拍手に包まれました。
というと、ありきたりかもしれませんが
本当に、拍手が長く長く続いて
次のセリフが始まらないほどだったんですよ〜。
そばに控える後見の尾上松緑さんの姿にも
じいんときてしまってですね、
早速涙目になってしまった私でした。
尾上辰之助さんは、華奢で小柄、
最近は女形での活躍が目立っていただけに、
荒事の大役、曽我五郎はどうなのか、、って
気にはなっていたのですが、
なかなかに血気盛んな若武者五郎を
好演されていらっしゃいました。
ちょっとやんちゃな仕草が
めっちゃハマっていて
この五郎好きかも、って思ったほどです。
でも、それも周りの存在が大きかったんだろうなって
感じました。
品よく五郎を支える菊五郎の十郎、
雀右衛門の大磯の虎を筆頭に
華やかさを添える女形たち、
そして、
やっぱり大きな大きな7代目菊五郎さんの工藤。
さらに、2人目の後見として尾上緑さんの姿を見た時には
あたしゃ涙が止まりませんでしたよ・・・・号泣
そこに現れるのが市川團十郎さん演じる鬼王新左衛門ですよ〜
平成の三之助が、揃って大河くん(辰之助の本名)を
お祝いしてるのってすごいじゃないですかー
どんだけ、彼への期待と愛情が込められているのか
ひしひしと感じた演目でした。
ここだけ、おかわりしたいかも!
團菊祭五月大歌舞伎の夜の部感想
5月歌舞伎公演、團菊祭夜の部を
7日に観劇しました。
その感想を書いていきます。
一、鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)菊畑の感想:辰之助の華ある牛若丸が素敵
この演目は、結構有名で私も何度か拝見しています。
2019年11月に中村莟玉さんの襲名披露公演の演目もこれでした。
役も同じ、虎蔵実は牛若丸のお役です。
線の細い美少年という設定ですから、
女形もやる役者さんには
このお役があっているのかもしれませんね。
しかし、何度も見てるくせに
ストーリーをすっかり忘れている、
というのは困ったもんです。
今回も、見ていてもちっとも筋を思い出さず、
最後まで見てから、ああこういうお話だったんだ、
と新鮮に思ってしまったくらいです。
ここではストーリー説明は省くとして、
重要な役どころとして奴智恵内実は吉岡鬼三太を
お父様の尾上松緑さんが務めていらして、
これはすごく合うお役だなあと
思いました。
特に実直なところ、
自分に仕えているはずの虎蔵が
実は、主人と牛若丸だったということから、
鬼一法眼に虎蔵をぶちのめせ、と命令されても
智恵内は打つことができなかった場面。
勧進帳の弁慶は打ちのめしたけど
智恵内は打てずに牛若に怒られるという役どころ。
このやりとり、親子だけにと言ってはいけないかもしれないけど、
呼吸がうまくあっていて、
見ていて、どうなる?どうなる?と
ドキドキしてしまいました。
また、鬼一法眼の娘皆鶴姫の時蔵さんも
初々しい恋する乙女を演じていて
その存在がお芝居を華やかにドラマティックに
見せてくれたと思いました。
よくよくストーリーを読むと
実は、実は、が被る面白いお芝居、
もう少し先まで見たかったなあと
お芝居自体にも引き込まれました。
そして、この劇中に襲名披露口上があったのですが、
坂東亀蔵さん、中村時蔵さんは
尾上松緑さんと共演が多いだけではなくプライベートでも仲良し。
そのせいでしょうね、
昼の部の口上よりも親しい感覚の語り口に
温かなお祝いの気持ちを感じることができました。
亀蔵さん曰く、
「私が尾上辰之助さんに初めてお目にかかったのは、生まれたその日でございます」
には、劇場中の人が吹き出していましたよ。
二、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)の感想:團十郎は令和の助六間違いなし!
助六は、間違いなく面白かったです。
團十郎さんの襲名披露以来の観劇ですが、
役者がみんな上手い配役で
それぞれの姿を追いかけているだけで
最後まで(2時間近くの演目)楽しく見ることができました。
圧巻なのは
助六の市川團十郎さんと、揚巻の8尾上菊五郎さん。
このお二人の美しさ、華やかさ、存在感はピカイチです。
助六はいい男で、いちいち決めるポーズが
憎たらしいほど見惚れちゃいし、
揚巻はトップオブザ花魁、と言えるほど
迫力のある美しさ、華やかさ、艶やかさです。
團菊だけに息も合っているしね。
髭の意休は、いやらしいことこの上なし、
市川男女蔵さん、そのまんまです(失礼汗)。
そして、くわんぺら門兵衛の尾上松緑さんは
ゲスな小悪党といったところ、
ああだこうだと言い立て述べるところや、
助六にあっけなくあしらわれるところも
薄っぺらくてとても素敵です。
ちなみに、平成の三之助と言われた、
團十郎(新之助)。菊五郎(菊之助)、松緑(辰之助)が
3人揃う舞台が見られることも
私はとっても嬉しいのですよ。
團菊が華やかに立つそばで、クセのある辰之助が佇む、
最高なトリオです。

そして、
福山かつぎといううどん屋さんに尾上辰之助さん、
通人には尾上右近さん、
このお二人も楽しい演技で
舞台をわかせてくれました。
楽しい、と言えるお芝居は他には多くないので、
みなさん、ご自分の役を
生き生きと演じられているなあとも感じました。
そうして、そうして、
絶対に外せないのが白酒売り、実は曽我十郎を演じた
中村梅玉さん。
対面では、十郎は品があり、冷静に五郎を収める役どころでしたが、
この助六では、弟五郎(助六の正体)を嗜めようとして
逆にやり込められ、
五郎・実は助六の言うがままに喧嘩を売ったり買ったりします。
だけど、荒事の五郎とは真逆の和事の十郎、
それが妙に天然ボケちっくで笑えるのです。
齢80歳の人間国宝が、こんなに大ボケな演技で
観客を魅了するって、そうそうないと思うんですよ。
それを、自然にさらりとやってのける梅玉さんすごかった。
團菊を食ってるんじゃないかと思うほどの
特別出演者でした。

多くの方が、助六はストーリーを見るのではない、
と言われますが、
その通りでストーリーは3%くらい、
残りの97%は登場人物、俳優の演技に
心をひっつかまれて夢のような2時間を
過ごせばいいんじゃないかなって思うお芝居です。
しかも、顔ぶれが豪華であれば豪華であるほどに面白い。
だから、5月團菊祭のこの助六は絶対見るべき一幕に私はあげたいと思います。
では、ここまでお読みくださりありがとうぞんじまする。


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