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於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)あらすじと登場人物ネタバレ説明

歌舞伎演目
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お染久松というと、心中ものの代表作というイメージがあります。

大店の娘お染と丁稚の久松が許されぬ恋を成就するために

最後は心中するというストーリーなのですが、

そこに至るまでの伏線がそれだけでお芝居になるエピソードのため、

お染久松を差し置いて他のキャラや場面の方が有名だったりということも起きています。

その於染久松色読販のあらすじは登場人物などを紹介します。



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於染久松色読販とは?

於染久松色読販は「おそめひさまつうきなのよみうり」と読みます。

4世鶴屋南北が書いた歌舞伎狂言です。

初演は、文化10(1813)年、江戸の森田座でした。

お染久松とは、それだけで有名な心中物の主人公です。

大阪で起きた、大店の娘お染と丁稚の久松が

許されない恋を成就せんと心中した・・と言われている事件が

ベースになったお芝居です。

この身分違いの若者の選択を

当時の人たちはとても哀れに思ったのでしょうか?

新版歌祭文という演目もあるのに

この於染久松色読販は、舞台を大阪から江戸に移して

久松の出自や関係者も脚色した物語に仕立て上げています。

特に、主役の女方が

このお芝居に登場する7人の女性を早替わりで演じることから、

「お染の七役」とも言われています。

この7役については、後述しますので、そちらでご確認くださいね。

戦後、この7役を務めた役者としては

6世中村歌右衛門、4世中村雀右衛門、5代目坂東玉三郎

という錚々たる女方の役者さんたち。

近年、中村壱太郎さん、中村七之助さんも

このお役に挑戦していることから、

これからの若手女方の1つの修行の場として

上演されることを期待したいものです。



於染久松色読販のネタバレあらすじ

浅草河原町にある質屋「油屋」。

この大店を切り盛りするのは

主人を亡くした後家の貞昌です。

貞昌には義理の息子多三郎と、娘お染がいます。

多三郎は道楽もので、芸者の小糸を身請けしたいと考えています。

一方お染は、店の丁稚の久松と相思相愛です。

とはいえ、お金の苦労が絶えない貞昌は、

お染を山家屋の清兵衛という商人に

お染を嫁がせようとしています。

 

 

丁稚久松は実は元は武士、

主人の千葉家の宝刀牛王吉光と折紙を紛失した責任をとって

父は切腹、お家は断絶となってしまいました。

久松は奥女中をしていた姉の竹川とともに

この刀を見つけ出しお家の再興を目指していました。

その久松の親代わりとなっているのが

百姓の久作で、その娘のお光は久松の許嫁でした。

その宝刀がなんと油屋に・・・

牛王吉光紛失を企てた千葉家の侍弥忠太と

油屋の乗っ取りを企む番頭の善六が手をくみ

事情はどんどん2人に不利になっていきます。

 

 

善六は多三郎に小糸の身請けをそそのかし、

そのお金を作るために

油屋の質草になっていた牛王吉光を抜き出し

お金に変えようと企みます。

そんな時善六は道であった百姓久作の嫁菜の中に

かすめとった折り紙を隠します。

その嫁菜を巡って

善六と久作の間でゴタゴタが起きてしまうのです。



 

竹川は、自分に仕えていた土手のお六に、

金の工面を頼みます。

お六は、今はたばこ屋を営み

悪党の亭主鬼門の喜兵衛と夫婦になっています。

たまたま、店に立ち寄った久作から

油谷とのいざこざを聞いた二人は、

久作を死人(身代わり)に仕立て、

お金を揺すりとることを考えるのでした。

意気揚々と油屋に乗り込んだ二人ですが、

そう計略がうまくいくはずもなく

バレてしまいます。

 

 

それでも喜兵衛は金のため刀を盗み出そうとするのです。

久松は、お染との不義が見つかり

土蔵に閉じ込められてしまいます。

一緒になれないのなら、死ぬというお染の言葉を聞き

心中を覚悟するのです。

しかし、その時、喜兵衛が刀を盗みに

油屋に忍び込みます。

まんまと刀を手にしたのは良いのですが

それをお染に見られてしまいます。

喜兵衛はお染を連れ去ろうとしますが、

土蔵から抜け出した久松と揉み合いになり、

刀で斬られてしまいます。

その刀こそが探し求めていた牛王吉光。

道ならぬ恋のため

心中を決意した二人ですが、

それをお六に止められます。

そして、久松は名刀を手にお家再興を願い出ることにするのです。



於染久松色読販の登場人物

お染の7役

お染(おそめ): 本編の主人公、油屋の娘で久松と心中を決意する

久松(ひさまつ):油屋の丁稚でお染と恋に落ちるが元は武士で、お家再興を目指している

お光(おみつ):久松の親代わりの久作の娘で、許嫁

竹川(たけかわ):久松の姉、父の汚名を注ぎたいと考えている

芸者小糸(小糸):柳橋の芸者、多三郎といい仲

土手のお六(どてのおろく):竹川に仕えていた女、夫の鬼門の喜兵衛と共にたばこ屋を営む

後家貞昌(ていしょう):油屋を営む後家でお染の母親

それ以外の役

山家清兵衛(やまがせいべえ):薬屋を営む商人でお染の許嫁

善六(ぜんろく):油屋の番頭

久作(きゅうさく):百姓、久松の親代わり

弥忠太(やちゅうた):お家転覆を企む千葉家の侍

鬼門の喜兵衛(きもんのきへえ):土手のお六の夫で悪党。牛王吉光を盗んだ張本人



於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)の見どころ

於染久松色読販の見どころといえば、

7役のお染の早替わりでしょう。

特に有名なのは、

お染と久松の逢瀬の場面です。

一人二役のこの場面は、

ござをかむった久松とお染がすれ違いざまに、

早替わりをするというものです。

変わる場面は見られませんが

どんな役どころかがわかる動画があったので

よかったらこちらから見てみてくださいね。

2018年の松竹のYouTubeです。

ここまで読んでくださり、

ありがとうぞんじまする。



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