歌舞伎座の8月公演は、毎年納涼歌舞伎といって、
若手役者中心に、軽いタッチのお芝居や新作を、
三部制で見せてくれます。
時間も通常よりは短めで、
気軽に歌舞伎を楽しむことができますよ。
私の今年のイチオシは、第二部ですが、
チケットは完売だそうです。
2025年8月の歌舞伎座納涼歌舞伎について、
演目、あらすじ、配役、上演時間、感想もまるとお伝えしていきます。
歌舞伎座8月納涼歌舞伎2025の演目、あらすじ、配役は?
それでは、ここでは、
8月の納涼歌舞伎の概要(演目、あらすじ、配役)
について書いていきます。
納涼歌舞伎第一部の演目・配役・あらすじ
一、男達ばやり(おとこだてばやり)
池田大伍 作・織田紘二 演出
〈配役〉
朝日奈三郎兵衛 坂東 巳之助
三浦小次郎 中村 隼人
唐犬権兵衛 市川 猿弥
奴権平 市川 青虎
老人六兵衛 市村 橘三郎
放駒四郎兵衛 中村 福之助
茶屋亭主又兵衛 中村 橋之助
又兵衛女房とま 中村 米吉
〈あらすじ〉
江戸の町では、旗本奴と町奴が対立しており
顔を合わせると一触即発!
ある日、旗本奴の三浦小次郎が上野不忍池の辺りを歩いていると、
老人が池に飛び込むのを目撃します。
助けようと近寄るのですが、三浦は泳ぐことができず、
そこに舟を操る船頭が現れ、老人を救い出します。
老人は婿とその後妻に疎まれ、家にいることができず
身投げを図ったと言います。
それを聞いた、船頭は明日までに30両用意するから、
婿と張り合う茶店を出せと勧めるので、
そばで見ていた三浦も証人になると請け負います。
翌朝、老人の茶店にやってきた船頭は、
実は幡随院長兵衛の町奴朝比奈三郎兵衛と名乗ります。
旗本奴の三浦も我が名を名乗り、それから二人がしたことは・・・
対立し合う身分の二人、同じ目的で出会ったらどうなるのか?
二人の結末が楽しみですね。
二、猩々(しょうじょう)・団子売(だんごうり)
〈猩々配役〉
猩々 松本 幸四郎
猩々 中村 勘九郎
酒売り 市川 高麗蔵
〈団子売配役〉
杵造 松本 幸四郎
お福 中村 勘九郎
〈あらすじ〉
2種の舞踊劇を連続で見せてくれます。
猩々とは中国の伝説の生き物、
お酒が大好きで、酒売りに勧められるままに
お酒を飲んで踊り出します。
団子売りでは、
杵造とお福の夫婦が、
祭りで賑わう天神橋で息を合わせて餅をつく様子を
楽しい踊りで見せてくれます。
どちらも、気分が上がる陽気な踊りです。
夏の暑さを吹き飛ばし、軽やかな気持ちになれそうですね。
納涼歌舞伎第二部の演目・配役・あらすじ
一、日本振袖始(にほんふりそではじめ)
近松門左衛門 作・坂東玉三郎 監修
〈配役〉
岩長姫実は八岐大蛇 中村 七之助
稲田姫 中村 米吉
素盞嗚尊 市川 染五郎
〈あらすじ〉
出雲の山奥の村には
八つの頭を尾を持った八岐大蛇が住んでいて
毎年祟りを恐れた村人は
美しい姫を一人選んで生贄にしていました。
今年の生贄は、稲田姫。
甕に入った酒と一緒に八岐大蛇へ捧げられます。
そこに現れたのが美しいが妖しい岩長姫、
実はこの姫こそが八岐大蛇でした。
酒を次々の飲み干す岩長姫ですが、この酒には毒が仕込まれていて
その毒が回って苦しみ始めます。
しかし、稲田姫をも飲み込んだところへ
素戔嗚尊がやってきます。
いよいよ本性を表した八岐大蛇と素戔嗚尊の
凄まじい戦いとなりました。
さあ、素戔嗚尊は八岐大蛇を倒して
稲田姫を救えるのでしょうか?
詳しいあらすじはこちらにも書いていますので
よかったらお読みくださいね。↓

二、火の鳥(ひのとり)
竹柴潤一 脚本、原 純 演出・補綴・美術原案
坂東玉三郎 演出・補綴
〈配役〉
火の鳥 坂東 玉三郎
ヤマヒコ 市川 染五郎
ウミヒコ 市川 團子
イワガネ 坂東 新悟
重臣 中村 亀鶴
大王 松本 幸四郎
〈あらすじ〉
大王(おおきみ)の治める国では、
血で血を洗う争いを繰り返し、
多くの国に攻め入って領土を広げてきました。
しかし、病に苦しむ老いた大王は、
永遠の力を持つ火の鳥を我が物とすることで未
来永劫に続く命を得ようと考えました。
火の鳥の捕縛を命じられた二人の王子、ヤマヒコとウミヒコは、
古来より火の鳥が棲むとされる遥か彼方の国へと旅に赴きます。
二人は黄金に輝く不思議な林檎の木が生い茂る苑で、
イワガネと名のる人物に出会います。
さて、二人は言いつけ通り、火の鳥を捕まえることができるのでしょうか?
坂東玉三郎さんが10年前から歌舞伎化を模索していた
あの手塚治虫の名作「火の鳥」が
新作歌舞伎として初お目見えします。
ウミヒコ、ヤマヒコには、
最近の成長著しい、
市川染五郎と市川團子が抜擢されました。
大作の完成が楽しみです。
納涼歌舞伎第三部の演目・配役・あらすじ
一、越後獅子(えちごじし)
〈配役〉
角兵衛獅子 中村 橋之助
同 市川 男寅
同 中村 福之助
同 中村 虎之助
同 中村 玉太郎
同 中村 歌之助
同 市川 青虎
〈あらすじ〉
江戸の日本橋、多くの旅人や商人が集まるこの界隈に
越後からやってきた角兵衛獅子たちが
浜唄やおけさ節など、お国の自慢を
華やかに舞い踊る舞踊劇です。
若くてイケメンたち、
これからの活躍が楽しみな花形役者の舞踊です。
二、野田版 研辰の討たれ(のだばん とぎたつのうたれ)
木村錦花 作・平田兼三郎 脚色
野田秀樹 脚本・演出
〈配役〉
守山辰次 中村 勘九郎
平井九市郎 市川 染五郎
平井才次郎 中村 勘太郎
粟津の奥方萩の江/姉娘およし
中村 七之助
八見伝内/番頭友七 市川 中車
役人町田定助 坂東 巳之助
妹娘おみね 坂東 新悟
湯崎幸一郎 中村 橋之助
蔦屋長三郎 中村 長三郎
小平権十郎 中村 吉之丞
女中お駒 中村 歌女之丞
お酌の太郎 澤村 宗之助
高橋三左衛門 大谷 廣太郎
宮田新左衛門 市川 猿弥
からくり人形/番人番五郎
片岡 亀蔵
家老平井市郎右衛門 松本 幸四郎
僧良観 中村 扇雀
〈あらすじ〉
粟津藩藩士の守山辰次は、元は刀の研屋。
研屋の辰次で「研辰」と言われています。
殿様の刀を研いだ縁で武士に取り立てられるも、
お調子者の研辰は、町人根性が抜けず、
周囲からは蔑まれています。
ある日、いつもの軽口を、
家老の平井市郎右衛門にこっぴどく叱られ、
粟津藩主の奥方萩の江の前で散々に打ち据えられます。
仕返しをしようとからくりを仕掛けたところ、
その結果市郎右衛門を死なせてしまうことになります。
そうなると、その息子の九市郎と才次郎の兄弟は
仇として研辰を打たねばなりません。
追う九市郎と才次郎と諸国を逃げ回る研辰、
最後はあっけなくも切ない印象を残す仇討ちのドラマです。
私は、この作品を見たときに、
仇討ちという武士の習わしと
武士の気位から命を狙われることになった研辰の姿に、
窮屈な切ない運命を感じたものです。
今回は、父中村勘三郎を超える?成長を見せる
中村勘九郎の研辰と、
父と同じ役を初めて務める市川染五郎、中村勘太郎の顔ぶれ。
どのような感情が湧き起こるか楽しみに見てきたいと思っています。
歌舞伎座8月公演納涼歌舞伎の上演時間とスケジュールは?
歌舞伎座8月納涼歌舞伎は、
初日が8月3日(日)で千穐楽が26日(火)です。
休演日が12日(火)と20日(水)なので、
お気をつけくださいね。
上演時間は、こちらの表にまとめています。
演目ごとの上演時間、幕間時間は、
発表され次第追記しますのでお待ちください。
第一部 | 11時開演 |
一、男達ばやり(おとこだてばやり) | 11時~ |
幕間 | |
二、猩々(しょうじょう)・団子売(だんごうり) | |
第二部 | 14時15分開演 |
一、日本振袖始(にほんふりそではじめ) | 14時~ |
幕間 | |
二、火の鳥(ひのとり) | |
第三部 | 18時15分開演 |
一、越後獅子(えちごじし) | 18時15分~ |
幕間 | |
二、野田版 研辰の討たれ(のだばん とぎたつのうたれ) |
納涼歌舞伎(歌舞伎座)の感想まとめ
納涼歌舞伎、3部とも観劇予定です。
それぞれの見どころがあるので、
観劇後に感想をこちらに追記していきます。
お楽しみにしていてください。
納涼歌舞伎第一部の感想
納涼歌舞伎第一部の私的な見どころは、
坂東巳之助さん、中村隼人さん、のナルトコンビが
江戸の男の伊達姿をどのように見せてくれるのかなってところです。
舞踊二種は、舞踊上手の松本幸四郎さん、中村勘九郎さんの
息のあった世界を楽しみたいと思います。
観劇したら追記します。
納涼歌舞伎第二部の感想
納涼歌舞伎第二部は、開演前から話題の「火の鳥」に
やっぱり注目しています。
とはいえ、そこまで大きく期待はしていなくて、
「日本振袖始」の中村七之助さん、市川染五郎さんの初役を
見られることを楽しみにしています。
観劇したら追記します。
納涼歌舞伎第三部の感想
納涼歌舞伎第3部は、やっぱり「研辰の討たれ」かなあ。
こちらも、それほど好きな演目ではないのですが、
中村勘九郎さんの迸る情熱がどんな研辰になるのかに
興味が募っています。
仇討ちを目指す兄弟の市川染五郎さんもですが、
中村勘太郎さんの成長もとても楽しみ。
「角兵衛獅子」も含めて、
役者を見たいというのが第3部の私的な見どころです。
観劇したら追記します。
ここまでお読みくださり、ありがとう存じまする。
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