歌舞伎座令和3年3月公演に行ってきた!感想、演目、スケジュールも!

歌舞伎座の令和3年歌舞伎公演が3月4日に初日を迎えましたね!

3月も、華やかな舞台がいっぱい、私も早速足を運びました。

私は第一部、第二部、第三部のBプロをとっています。

その観劇感想をこちらの記事に順にアップしていくので、

楽しみにしていてくださいね。



歌舞伎座3月公演の演目とスケジュール

歌舞伎座3月公演も三部制ですね。

この構成は、観やすいなあと個人的には気にいっています。

しかし、なぜか今月は、部ごとに上演時間の長さが違うのです。

第一部は1時間21分、第二部は2時間53分、第三部は1時間18分です。

緊急事態宣言もあったから、なんとか20時までに収めようと

苦肉の策なのかもしれませんね。

では、そのスケジュールはこちらです。

開場時間は、開演時間の40分前です。

それぞれ休憩を挟みますが、劇場内の飲食は不可なので

ご注意くださいね。

演目 上演時間
第一部 午前11時開演
猿若江戸の初櫓 11時~11時31分
戻駕色相肩 11時46分~12時21分
第二部 午後14時開演
熊谷陣屋 14時~15時30分
雪暮夜入谷畦道 15時50分~16時53分
第三部 午後18時30分開演
楼門五三桐 18時30分~18時45分
A:隅田川(4,5,6,7,8,9,10,12,13,14,17,18,19,23,24,25,26,29日) 19時5分~19時48分
B:雪/鐘ヶ岬(15,16,20,21,27,28日)

歌舞伎座3月公演の演目・配役について

第一部の演目・配役・簡単あらすじ:午前11時開演

1.猿若江戸の春櫓(さるわかえどのはつやぐら)

〈配役〉

猿若   中村勘九郎

出雲お七 中村七之助

若衆   澤村宗之助・市川男寅・中村虎之介・片岡千之助・中村玉太郎・中村鶴松

福富屋女房ふく 市川高麗蔵

福富屋万兵衛  坂東彌十郎

奉行板倉勝重 中村扇雀

〈簡単なあらすじ〉

出雲阿国と猿若の一座が江戸へ向かう道中で材木商の福富万兵衛に会います。

万兵衛は、将軍家へ献上品を届ける途中でしたが、狼藉者に邪魔をされ困っていたのです。

それを助けた猿若の功を奉行の板倉勝重が褒め、褒美として江戸に所領を与えた上に、

江戸での興行を許可しました。

喜ぶ猿若一座はお礼に舞を披露するのでした。

2.戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)

〈配役〉

浪速の次郎作 尾上松緑

禿たより   中村莟玉

吾妻の与四郎 片岡愛之助

〈簡単なあらすじ〉

京都紫野の名の花畑で、浪速の次郎作と吾妻の与四郎が担ぐ籠が、

島原から帰ってきました。

2人が一休みしながら、互いにお国自慢を始めます。

そのうち、籠の中の禿たよりを呼び出して、

それぞれの廓話を語りきかせます。

そのうち・・・

第二部の演目・配役・簡単あらすじ:午後14時開演

1.熊谷陣屋(くまがいじんや)~一谷嫩軍記

〈配役〉

熊谷次郎直実 片岡仁左衛門

源義経    中村錦之助

熊谷妻相模  片岡孝太郎

梶原平次景時

堤軍次    片岡亀蔵

藤の方    市川門之助

白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清 中村歌六

〈簡単なあらすじ〉

熊谷次郎直実、戦中に平家の若大将敦盛を討ったとの手柄を立てます。

その熊谷の屋敷に、正妻である相模の方が

息子小次郎の様子を知りたいと訪ねてきます。

そこに熊谷が帰ってきますが様子が変です。

相模の方や敦盛の母である藤の方に戦場での様子を語っていると、

源氏の大将、源義経も敦盛の首実検のためにやってきます。

しかし、そこで見せた首とは、、、

2.雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)~直侍

〈配役〉

片岡直次郎 尾上菊五郎

三千歳   中村時蔵

寮番喜兵衛 嵐橘三郎

亭主仁八  橘太郎

暗闇の丑松 片岡團蔵

按摩丈賀  中村東蔵

〈簡単なあらすじ〉

お尋ね者の直次郎、雪が降りしきる中蕎麦屋に駆け込みます。

そこにやってきた按摩の丈賀から、恋しい三千歳が病に耽ってると聞き、

会いにいくことを決意します。

人目を偲び、三千歳に会いにいく直次郎。

会えないなら、殺してとせがむ三千歳を残し、

現れた捕手から逃れるために、雪の中を去って行くのです。

第三部の演目・配役・簡単あらすじ:午後16時30分開演

1.楼門五三桐(さんもんごさんのきり)

〈配役〉

石川五右衛門 中村吉右衛門

右忠太    中村歌昇

左忠太    中村種之助

真柴久吉   松本幸四郎

〈簡単なあらすじ〉

南禅寺の山門の上で、絶景かなと煙管をふかす石川五右衛門。

そこに飛んできた鷹が、くわえた手紙を五右衛門の手に渡します。

書かれていたのは、自分の実父が明国の偉臣であり、

その仇が真柴久吉であるということ。

怒りと復讐に燃える五右衛門、そこへ捕手が現れます。

その中にいるのはまさしく久吉。

二人はにらみ合い、再会を記すのでした。

2.隅田川(すみだがわ)Aプロ

〈配役〉

班女の前 坂東玉三郎

舟長   中村鴈治郎

〈簡単なあらすじ〉

班女の前が人買いにさらわれた我が子を思い隅田川に来ます。

哀れに思った渡し舟の舟長が、

向こう岸で行われている法要がその息子のものであると知らせ、

舟に乗せて墓へと導くのでした。

2.雪/鐘ヶ岬(ゆき/かねがみさき)Bプロ

〈配役〉

上「雪」

芸妓 坂東玉三郎

下「鐘ヶ岬」

清姫 坂東玉三郎

〈簡単なあらすじ〉

雪:男に捨てられた芸妓が出家し、浮世の恋を思い出し涙するという舞踊

鐘ヶ岬:



歌舞伎座令和3年3月公演の観劇感想!

ここからは感想を書いていきます。

観劇した順に書いていきますが、主観が多いのでその点ご承知くださいね~。

第一部「猿若江戸の春櫓」「戻駕色相肩」の感想

「猿若江戸の春櫓(さるわかえどのはるかぐら)」

第一部の感想です。3/5に観劇しました。

まずは、中村屋兄弟中心に、若手役者が揃った「猿若江戸の春櫓(さるわかえどのはるかぐら)」。

勘九郎さんと七之助さんが

花道から登場して、七三で客席へご挨拶。

この時の拍手がすごかった~~

この2人を観たかった♡の気持ちが伝わってくる熱い拍手でした。

この演目は、2人以外にも若衆が6人登場します。

歌舞伎踊りの一座ということで、

皆さんの拵えがまた美しいこと。

どの方を見ても、イケメン揃いです。

その彼らの舞踊が、また華やか。

台詞のやり取りは、

猿若と阿国、そして福富屋万兵衛、お奉行様の短い場面だけです。

京から江戸へと巡業に来た、猿若と阿国の一座が、

万兵衛の窮地を救ったことから、

お奉行にその功徳を認められ、

江戸の御領地に芝居小屋を建ててもらえることになった、

という江戸の歌舞伎の始めを劇化した内容。

その始まりをなるほど~と思いつつも、

見所は、猿若、阿国、そして若衆たちの舞踊だなあと思いました。

勘九郎さんも七之助さんも、舞踊のうまさは定評があります。

とはいえ、全部で30分ほどなので

正直なところ、ちょっと物足りなさも残りました。

もっと踊れる2人だから、じっくり観たかったなあというところ。

それでも、ほんわりと夢心地に浸れる一幕ではありました。

「戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)」

次は、片岡愛之助さん、尾上松緑さんの

「戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)」です。

このお芝居は、紫野が舞台ということで、

背景や大道具が、春めいて素敵な印象。

すっきりとした美男の与四郎と男っ気のある次郎作が

禿を交えてのやり取りが、

詞滑らかで聞き入りました。

愛之助さん、松緑さんは役所に合っていて、

セリフも所作もさすがな出来映えです。

莟玉さんの禿も相変わらず綺麗でこちらの舞台も目の保養でした。

最後、それぞれの正体を明かすところで

迫力の幕締めとなりましたけど、

そのぶっかえりの場面が歌舞伎らしくてテンションが上がりました。

第一部は、両方ともにストーリーよりは、

場面を楽しむ演目だなあと感じました。

春の訪れにふさわしい演目。

しつこいけれど、短いのがちょっと不満。

でも、劇場内で春をたっぷり味わって気分になれました。



第二部「熊谷陣屋」「雪暮夜入谷畦道」の感想

続いて第二部の感想です。

こちらも3月5日(金)に観劇しました。

平日の午後でしたが、結構客席は埋まっていたなと思います。

「熊谷陣屋(くまがいじんや)」の感想

熊谷陣屋は、一谷嫩軍記の中の一幕です。

源平の争いの中、表には出せない恩に報いるために

非情な選択を迫られる武士の悲劇を描いています。

「一枝(いっし)を伐(き)らば、一指(いっし)を剪(き)るべし」

桜の木の前に立っているこの制札に込められた意味が、

義経が、恩のある敵方の若武者敦盛を救うために、我が子を犠牲にせよ、

との命であるとは、誰が知るでしょう?

でも、自らも同じ恩義を感じている熊谷次郎直実には、

その意味がわかったのですよ。

この真相は劇中で明かされていくのですが、

そこまでのくだりが胸に迫ります。

なんども観ている演目ですけど、

熊谷を演じる片岡仁左衛門さんの、

役の心情を深く描き出す演技で

おんなじ場面でググッときて、

涙が止まらなくなってしまいます。

冒頭の花道からの登場シーン、

戦で成果を上げたはずなのに、熊谷の足取りは重い。

息子小次郎が心配で陣屋に訪れた妻相模をせめる口調も

厳しさよりも悲壮さが漂っているのです。

私が一番、胸に刺さった場面は、

首実検の場面です。

義経に、その首をゆかりのものに見せてやれ、と言われ

妻相模に見せるのですが

その時に脇に抱え込む仕草に、深い愛情と哀しみが感じられ、

胸を大きく揺さぶられました。

また、片岡孝太郎が演じる相模が、

首をチラッと見て事の真相を知り慟哭する場面も、

真に迫ってきました。

熊谷も妻相模も、許されぬ恋を貫いて

夫婦になり一子をもうけたのですが、

その子、小次郎を身代わりにする事で、

その報いを受けることになる、、、という背景がわかると、

この悲劇も定められた道と思えます。

最後は、暇乞いを許され、出家する熊谷、、、

最後の別れをさせる義経の温情も

それに対し悲しみを深める熊谷も、

どうしようもないやるせなさがさらに涙を絞ります。

仁左衛門熊谷は、セリフの行間までひしひしと伝わってきます。

涙無くして観られない舞台は原作の素晴らしさもさることながら、

演じる役者がさすがの人間国宝!!

これは観るべき舞台の一つだと思いました。

「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)」の感想

幕間に続いて「雪暮夜入谷畦道」です。

こちらも人間国宝、尾上菊五郎さんの当たり役といえる

世話物の傑作です。

寒い雪の中、蕎麦屋に立ち寄ったのが直次郎。

蕎麦と熱燗で暖をとりながら、

三千歳の様子を探る直次郎。

この芝居が、「蕎麦屋」と呼ばれる所以は、

この場面によるのですよね。

実際に芝居でもお蕎麦をすするのですが、

このすすり方にも伝統の技があるようで、

小気味好い菊五郎の蕎麦のすすり方は

虚の世界が現実であるかのように錯覚させられるのです。

ストーリーは、

お尋ね者の直次郎が、

恋煩いで療養中の馴染みの遊女三千歳を訪ね、

そこで別れを告げるというもの。

短い場面ですが、

雪の夜の舞台セットや蕎麦屋の場面からは、

観ている私の心身もともに冷え込む感じがします。

中村東蔵さん扮する按摩とのやりとりや、

中村時蔵さん扮する三千歳とのやりとりも自然で、

ベテラン役者の息のあった芸の極みを感じさせられます。

花道の引っ込み、

「この世ではもう会わねえぜ!」と

おきまりのセリフを残してさる直次郎のかっこいいこと・・・・

悪党でもなんでもかっこいい男には惹きつけられます。

世話物の魅力を魅せたらこの人は随一、

尾上菊五郎の芸を堪能できるオススメの一幕です。

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第二部は、私的にはイチ押しです。

義太夫狂言と世話物が、

それも国宝役者の演技で楽しめるなんて

最高の組み合わせだと思いました。

読んでくださり、ありがとう存じまする。