超歌舞伎2021初音ミクが悪役?國矢大活躍!「御伽草紙戀姿絵」の感想

超歌舞伎とは、中村獅童さんと初音ミクさんのコラボで大人気の新感覚歌舞伎です。

超歌舞伎2021「御伽草子戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)」が

「ニコニコネット超会議2021」イベントの一環として、

2年ぶりに幕張メッセで上演されました。

なんと、YouTubeでも観ることができ感激しましたよ!

その内容や感想をこちらに紹介します。



超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)」幕張メッセで開催

超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」が、

2年ぶりに「ニコニコネット超会議2021」イベントの一環として

幕張メッセで上演されました。

この文字、読みづらいですよね。

この演目は、「おとぎぞうしこいのすがたえ」と読むんですよ。

歌舞伎の演目は、題字として5文字か7文字。

読み方として13文字に表すことが多いのです。

さて、開催概要についてざっと触れておきますね。

超歌舞伎とは、

2016年よりニコニコ超会議のなかでおこなわれた未来型歌舞伎。

伝統芸能・歌舞伎とボーカロイドの融合が反響を呼び、

ここから歌舞伎の世界に興味を持つ若者が増えました。

2019年の8月には、初めて南座での公演を成功させ、

伝統的な劇場でもその可能性を見せてくれたところです。

NTTによる最新技術を駆使した演出は特に見どころで、

分身の術といった摩訶不思議な世界観も実現しちゃう舞台。

伝統芸能×テクノロジーが生み出した超歌舞伎は、

2021年も幕張メッセ、南座で上演されることが決まっています。

思えば、2020年はオリンピックイヤーと盛り上がるはずだったのに、

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、

世界が一変しましたね。

そして2021年4月に3度目の緊急事態宣言が出され、

またしても劇場封鎖となってしまいました。

その中で、幕張メッセでは超歌舞伎の上演がかない、

ファンも役者も大喜びというところですね。

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超歌舞伎2021初音ミクが悪役とは?

超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」で、

初音ミクさんが初めて悪役を務めるそうです。

いつもは、可憐で芯の強いヒロインを演じていたのですが

な、な、な~~んと女郎蜘蛛になってしまうんですよ。

それも、恋を貫こうとしたことで命を落とし、

日本を魔界にしようと企む奴らによって

蜘蛛化されちゃうんですよ。

可愛いミクさんが、女郎蜘蛛の体液を注がれて

蜘蛛になって復活する姿は恐ろしくも悲しくもある一場面でした。



超歌舞伎2021澤村國也も大活躍!

超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」の主役はもちろん中村獅童さん。

でも、澤村國矢さんもいいお役で大活躍が見られます。

國矢さんは平井保昌という役で、

源頼光の盟友でもあり化け物退治で活躍するんです。

発端となる女郎蜘蛛との立ち回りから

重要な場面で頼光に並ぶ英雄として描かれます。

化け物退治の秘策となる虎の年月日時を持つ男の生き血をめぐり

弟袴垂保輔との悲しい別れは、涙涙でした・・・。

また、素敵な舞踊も魅せてくれますよ。

澤村國矢さんといえば、

一般家庭から歌舞伎界に入り、

様々な役者さんの芝居で芸を磨いてきた役者さんです。

中村獅童さんの超歌舞伎で共演するようになってから

その技に磨きがかかり、

2019年にはリミテッドバージョンという限定版ではありますが、

主役として舞台に立つまでになりました。

それからも、役者としての活躍が目覚ましい方です。

私生活では、妻である女優の宮菜穂子さんとの間に生まれた双子を

愛でる良きパパでもあるんです。

2019年8月に京都南座で超歌舞伎が上演されました。 中村獅童さんとともに、この舞台を作り上げて来たのが、 歌舞伎役者澤村國矢さ...



超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」とはどんな演目?

それでは、超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」について解説します。

これは、土蜘蛛伝説を基に、「関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)」などの

古典の物語を組み合わせて捜索された作品です。

土蜘蛛というと、源頼朝と小狐丸が

日本を魔界にせんとする土蜘蛛族を征伐するというもの。

ここに、平家の将門の息女と源氏の武士との悲恋や、

平井保昌と弟保輔との絆も絡めた内容になっているんです。

では、その登場人物とあらすじを順番に紹介しますね。

*土蜘蛛についてはこちらに詳しく書いています

土蜘蛛(つちぐも)は歌舞伎の演目です。 前半のわけあり登場人物がしかける罠と後半の蜘蛛との激しい立ち回りが見どころの歌舞伎演目です。 ...



超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」の登場人物と配役

源朝臣頼光(みなもとのあそんよりみつ)/袴垂保輔(はかまだれやすすけ)

中村 獅童

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傾城七綾太夫実は将門息女七綾姫(けいせいななあやだゆうじつはまさかどそくじょななあやひめ)

初音ミク

平井保昌(ひらいやすまさ)

澤村國矢

山姥茨城婆(やまうばいばらぎばあ)

中村蝶紫

その他

坂東八重之・中村吉二郎・中村獅一・坂東やゑ亮・尾上音蔵 他

大薩摩 鏡音レン  三味線 鏡音リン

鳴物 田中傳左衛門社中



超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」のあらすじ

発端 都老の坂の場

平安時代、源頼光主従らは、化け物たちの日本を魔界にしようとする企みを止めようとしています。

ある日、頼光の重臣平井保昌は女郎蜘蛛を退治する。

そこに山姥茨城婆が駆けつけ、自らの秘術で女郎蜘蛛を復活させるため、

執念深い女を探そうと九条にある廓を目指す。

その頃、盗賊の袴垂保輔は化け物の術を破る秘策が書かれた巻物を手に入れるのでした。

第一場 都九條廓内揚屋の場

九條の廓に、平井保昌が源頼光を諌めにやってきます。

頼光は、人気の傾城七綾太夫に惑わされていることを心配しています。

それを諌められ、頼光は不機嫌になりますが、

当の七綾太夫が仲裁に入り、後ほど会うことを約束して

頼光はその場を去るのでした。

第二場 都九條廓内揚屋の場奥座敷の場

七綾太夫の寝所へ、袴垂保輔が忍んできます。

保輔は太夫が平将門の息女七綾姫であることを見抜き、

敵味方となる頼光との恋を諦めるように説得するのでした。

しかし、この恋は貫くと強い覚悟の姫を前に、

保輔は刀を抜くと一気にそれを振り下ろします。

倒れた七綾姫の前に、茨城婆が現れ、

嫉妬と執念を掻き立てるとそこに土蜘蛛の生き血を注ぎます。

こうして、七綾太夫は女郎蜘蛛と合体した化け物へなってしまうのです。

第三場 源頼光館寝所の場

恋しい七綾太夫を亡くした頼光は、深い悲しみから病となります。

保昌が頼光を見舞っているところへ、

胡蝶という女が現れ、恋の病だと言い、舞を見せます。

舞に見とれる二人ですが、その影が蜘蛛の姿をしていることに気づきます。

正体を見抜かれた女は蜘蛛の糸を投げて逃げていきます。

頼光は、雲を退治しようと意気込みますが、

そんな簡単にことは運ばないと、保昌は思案します。

保昌のところへ、袴垂保輔が訪ねてきます。

実は2人は兄弟、盗みをする保輔は勘当の身となっていたのです。

保輔は、手に入れた巻物を保昌に渡します。

そこには、蜘蛛の化け物を退治するには虎の年月日時を持った男の生き血を

矢に注いでそれで倒すとありました。

虎の年月日時の男、、実は保輔はその条件にぴったり合致、

自ら腹を切り保昌に自分の血を使うように苦しい息の下から訴えるのでした。

大詰 音羽山清水寺奥の院の場

清水寺奥の院に、女郎蜘蛛を退治せんと保昌と頼光が現れます。

それを阻む茨城婆、

しかし、2人は保輔の犠牲で得た矢を用いて、茨城婆を倒すことに成功します。

さらに、現れたのは女郎蜘蛛と化した七綾太夫。

頼光は、彼女を女神に転成させようと、言の葉と白い炎を武器に、

向かっていくのでした。



超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」の感想

いやあ、熱いですね!幕張メッセ。

私はオンライン視聴をしたのですが、

その熱気がガンガン伝わってきました。

この公演の前に、中村獅童さんは、

「声を出せない分存分にペンライトを振ってください!

熱い熱い拍手をお願いいたします!」

と呼びかけ、観客もペンライトを振ってそれに応えるというシーンがありました。

今、歌舞伎は大向こう(掛け声)禁止です。

超歌舞伎は、観客が獅童さんたちの呼びかけに応え、

大声援を送るというスタイルが話題です。

でも、それを抑え、拍手とペンライトで応えるファンの姿も、

歌舞伎座の歌舞伎ファンに重なり胸が熱くなりました。

画面には、役者らの活躍を応援する書き込みもいつものように流れます。

それを見ながら、私もその一人として心が通じ合っているように思いました。

こんな気持ちになったのは初めてです。

つまり、同じものを愛する、歌舞伎の共通言語を持つ仲間だってことなんですね。

お芝居の方は、ものすごく完成度が高いと思いました。

まず、ストーリーに軸があります。

土蜘蛛伝説は馴染み深いので、

そこに初音ミクさん演じる七綾太夫が絡むのも自然な流れでした。

袴垂保輔と平井保昌兄弟の別れの場面は

悲しく、そして愛に満ちていると思いました。

何よりも印象深かったのは、

おなじみのことですけど、

最後に観客やオンライン視聴者の力を借りて

土蜘蛛に取り憑かれた七綾太夫を転成させようとする場面。

これは、あり!って思いました。

歌舞伎座でも、ご観覧の皆様の力で疫病退散させましょう~

と拍手を求めてくれたら、みんなノリノリで拍手すると思うな。

歌舞伎座では無理かもしれないけれど、

超歌舞伎では観客と舞台とが双方向につながっているんだと

改めて思えた場面でした。

そして、映像の美しさも魅力です。

年々この技術は高まっていくなあと思うのですが、

今年のミクさんの映像や背景・演出効果も

それだけでも芸術作品になるんじゃないかと思うくらい

美しいものでした。

メディアのインタビューで獅童さんが、

「勘三郎兄さんがもしお元気だったら、なんとおっしゃるだろう?悔しがってくれるかな?」と

新しいものを取り入れることに積極的だった故中村勘三郎さんのことを

語っていたのには泣きました。

伝統ってこうだよね、って思えた一文でした。

超歌舞伎は革新的であると思いますが、

伝統を生かしていることは間違いないと思います。

何よりも若者の心を掴んでいます。

9月の南座、行けるもんなら行ってみたい!

そう思えた素晴らしい舞台でした。

読んでくださり、ありがとう存じまする。