国立劇場10月歌舞伎は通し狂言「 天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」あらすじ、見どころ、感想、チケットの取り方と座席表

国立劇場で歌舞伎といえば、

復活作品、通し狂言、という印象が強いです。

その期待通り、

10月の公演は、昭和47年に74年ぶりに復活させた演目を、

20年ぶりにリニューアル!

10月2日(水)~26日(土)までの上演になります。



国立劇場10月歌舞伎公演:通し狂言「 天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」の主な配役、あらすじ、見どころ、感想

1日1回公演、12時(11日、18日金曜日は16時30分)開演

となっています。

通し狂言 天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)三幕六場

四世鶴屋南北=作 国立劇場文芸研究会=補綴

【主な配役】

天竺徳兵衛/座頭徳市/斯波左衛門 中村 芝翫

梅津掃部                         中村 又五郎

梅津奥方葛城                   市川 高麗蔵

山名時五郎/奴鹿蔵         中村 歌昇

下部磯平                         大谷 廣太郎

銀杏の前                         中村 米吉

佐々木桂之介                   中村 橋之助

侍女袖垣                          中村 梅花

石割源吾/笹野才造          中村 松江

吉岡宗観/細川政元          坂東 彌十郎

宗観妻夕浪                       中村 東蔵

【あらすじ・見どころ・感想】

【あらすじ】

序  幕 北野天満宮鳥居前の場

同              別当所広間の場

時は室町時代、将軍・足利義政の治世。

将軍家の重臣である佐々木桂之介(ささきかつらのすけ)は、

将軍家より管理を命じられた宝剣「浪切丸(なみきりまる)」の紛失と

梅津掃部(うめづかもん)の妹・銀杏の前(いちょうのまえ)との

不義を咎(とが)められ、あわや切腹寸前でした。

掃部の計らいによって宝剣詮議のための

百日の猶予を与えられ、

家老の吉岡宗観(よしおかそうかん)の屋敷に預けられます。

【見どころ・感想】

物語の発端、恋の鞘当てから、

将軍家から預かった名刀紛失という

お家の存続につながる大事件へと

なります。

この場の描かれていない部分が、

後のストーリー展開へとつながっていく、

そのしかけをこの場で見とることが、

この物語を楽しむ秘訣の一つだと思いました。

その原因を作った罪なお姫様に米吉、

とても可愛らしくて、

本当の女性と言われても信じてしまいそう。

中村橋之助の若侍も凛々しくて、

誰かに似てるなーと思ったら、

三田寛子さんでした。



【あらすじ】

二幕目 吉岡宗観邸の場

同              裏手水門の場

詮議の期限を翌日に控えた桂之介の気晴らしに、

天竺(インド)帰りの船頭徳兵衛が、宗観の屋敷に連れて来られ、

見聞してきた異国の話を面白く語ります。

宗観は、宝剣が発見されず窮地に追い詰められた桂之介を、

銀杏の前とともに密かに落ち延びさせます。

宝剣詮議の使者として訪れた掃部らの前で、

宗観は、桂之介の逐電と宝剣紛失の責任を取って切腹します。

そして瀕死の宗観は、徳兵衛に驚くべき事実

――自らは日本転覆を目論む大明国の遺臣・木曽官(もくそかん)であること、

徳兵衛は実の息子・大日丸(だいにちまる)であることを語ります。

謀反の野望を受け継いだ徳兵衛は、

実父から伝授された〝蝦蟇(がま)の妖術〟を自在に操り、

屋敷を取り囲む人々を尻目に悠然と姿を消すのでした。

【見どころ・感想】

天竺帰りらしい、徳兵衛の登場で、

舞台は一気に明るくなります。

異国での出来事を、

面白おかしく語る場面では、

今の流行やハワイでの公演もあり、

観客を笑わせてくれました。

 

陽気な船乗りから一転、

宗観から出自の秘密を知り、

親の野望を達しようと決意したあとの

変容ぶりに目を見張ります。

そしてこの芝居のベスト1をあげたいのが、

大屋根に乗ったガマガエルの登場と

屋台崩しと言われる効果です。

加えて、ガマが追っ手を翻弄するシーンも、

なかなか可愛い。

ガマちゃん、大活躍!と拍手しました。



【あらすじ】

大  詰 梅津掃部館の場

同              奥座敷庭先の場

梅津掃部の館に、将軍からの上使として、

細川修理之助政元(ほそかわしゅりのすけまさもと)がやってきて、

掃部に、佐々木家の世継を匿い、蝦蟇仙人の絵像に帰依している、

という疑惑を問い詰めます。

そこへ、徳市と名乗る座頭が現れ、木琴を奏でながら越後節を披露します。

徳兵衛ではないかという疑いの中、座頭が姿を消し、

代わりに、将軍からの上使という、

斯波左衛門義照(しばさえもんよしてる)が現れます。

政元と互いに牽制し合いつつも、

「浪切丸」を出すよう求め、2人は別室で控えることになります。

掃部の奥方である、葛城の部屋に、

斯波が現れます。

葛城が、詮議の猶予を願おうと、色仕掛けを企むとみる斯波の前で、

葛城は自分の指を切ります。

その血を見てひるむ斯波に葛城が斬りかかるのですが、

逆に斬り殺されてしまいます。

その返り血を浴びた斯波、

実の正体は徳兵衛でしたが、

巳の年月日時が揃った葛城の生血を浴び、

蝦蟇の妖術は消えてしまうのです。

周りを取り囲まれた徳兵衛、

徳兵衛の野望は叶うのか?

浪切丸の行方はどうなるのか?

物語はクライマックスを迎えます。

【見どころ・感想】

座頭のコミカルな唄や仕草、

緊迫した場を和ませてくれます。

座頭が姿を消した途端に現れる斯波。

早替わりも見ものです。

坂東彌十郎、中村歌昇が2役を務めていて、

上使としての弥十郎の場の捌きと、

歌昇のハツラツとした奴も、

見ていて嬉しい配役でした。

全体を通して思ったことは、

最近テンポが早い芝居を見慣れているせいか、

この芝居はスローな印象がありました。

本水や屋台崩し、早替わりという歌舞伎独特の演出も、

迫力感、スピード感よりも、

ちょっと泥臭い感じです。

あちこちに、挟む風刺的なセリフは、

興味深く、昔の芝居はこういうアドリブが

観客を楽しませたのだろうと思いを馳せました。

伝統を大切にする国立劇場らしい通し狂言だと感じました。

黒子ちゃんとケロロ軍曹のコラボも楽しい!



国立劇場10月歌舞伎公演:通し狂言「 天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」の見どころを中村芝翫が語る

中村芝翫が、この作品を初めて観たのは、

1972年の5月、2代目尾上松緑の舞台だったそうです。

その時3Dのようなインパクトの強さに、

「こんな楽しい歌舞伎があるんだな。」

と思ったそうです。

鶴屋南北が原作のこの作品は、

奇想天外な物語で、

早替わりや、広い同劇場で舞台装置を駆使した

屋台崩しなど見どころは多いということ。

芝翫は、いつかはこの役を・・・と、

そば屋の床の間のガマガエルの置物を踏んで、

見えを切っている写真を、

6歳から大事に持ち続けてきたそうです。

最近は歌舞伎界でもデジタルを駆使した新作が上演されています。

本作は、あえて紙芝居のようなアナログ仕掛けをねらい、

古典的演出の中に新しさを探っているところにも特徴がありそうです。

念願の徳兵衛を初役で務める中村芝翫の

動画メッセージがありました。



国立劇場10月歌舞伎公演:通し狂言「 天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」のチケットと座席表

国立劇場は、とてもリーズナブルなお値段で、

歌舞伎を観ることができるのです。

間取りも広く、座席も快適です。

本公演のチケットの金額は以下の通りです。

特別席  11,200円(学生7,800円)

1等A席 10,000円(学生7,000円)

1等B席   6,500円(学生4,600円)

2等A席   5,000円(学生3,500円)

2等B席   2,800円(学生2,000円)

3等席     1,800円(学生1,300円)

学生料金があるところが、国立劇場の特徴ですね。

座席表はこちらです。

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通し狂言は、一つのストーリーとして

楽しめるため、

初めての方でもわかりやすいと思いますよ。

私が観劇した日は平日ということもありましたが、

広い劇場には、まだ空席が目につきました。

今からでもチケットは取れると思いますので、

タイミングが合う方は足を運んでみてはいかがでしょう。

読んでくださり、ありがとう存じまする。