市川猿之助、半沢直樹での怪演に、視聴者からの反響がすごかったそうです。
私も第1話見ましたが、ヒョエ~、、、
目を疑うほどの悪役っぷりです。
市川猿之助、顔芸が濃い!悪役演技はうまい?下手?評価は?
市川猿之助が演じる、伊佐山部長の長ゼリフから、
半沢直樹第1話がスタートしました。
そのセリフが超怖い、
「アイツのせいで、あの土下座のせいで、何もかもがブチ壊しだ!あの野郎、大和田さんをあんな目に遭わせやがって。組織に楯突いたらどうなるか、思い知らせてやる。(出向で)人事が丸く収まっても、オレは収まらねぇぞ。半沢だけは絶対に許さねぇ。セントラル証券はおろか、世界の果てまで追い落としてやる!」
どんどんカメラが寄る中、ドアップの猿之助、
その顔つきも悪いことを企む憎々しさがにじみ出ています。
番組途中のSNSでは、
「悪そうな顔」
「顔芸がすごい」
と、猿之助の悪役っぷりにざわめく反応が見られました。
猿之助ファンを自認する私でさえ、
タジタジしてしまうような怪演でした。
撮影裏話として、
監督から、もっとやれと、べらんめえ調でやってくれと、
そういうリクエストが出たそうで、
ならば監督の指示のままにとできあがったのが、
あの憎ったらしい伊佐山の姿なんだそうです。
ドラマのクライマックスシーン、
自分たちの悪事がばれる、、、一瞬前に回避して、
イヤラシげに、シラを切る場面も圧巻でした。
「知らねえなあ~、そんなメールは端から存在しちゃいねぇってことだ。それこそ、テメエたちが勝手にでっち上げた偽装メールなんじゃねぇか?(メールを破りながら)残念だったなぁ、半沢。」
この場面を見て、
画面に何か投げつけたくなった方もいらっしゃるんじゃないかしら。
このうざい、伊佐山への評価は賛否両論だそうです。
多くが、悪役としての存在感を肯定的に評価していますが、
→つまりは、うざい、憎たらしい、顔芸すごい、、、というタイプ
中には、胸焼けする、なんて意見もありました。
堺雅人さん演じる、半沢直樹の顔圧も
凄まじいものがありますので、
やはり、このくらいの圧を押し返せる演技が必要なのかも!
そういえば、第1話の視聴率は、22%あったとか、、、。
注目高い番組なのですね。
香川照之とは、いとこ同士なので、
この濃さは、血筋、家芸、など、言われていますけど、
毎回心臓がドキドキしますわ~。
これこれ~やっぱこれくらいの #顔面力 がないとっ!たまんないよね。#半沢直樹 pic.twitter.com/0wUuv7UHEi
— シノハラ あめりか屋社長 (@23_submarine) July 19, 2020
市川猿之助、半沢直樹と歌舞伎との共通点
市川猿之助の言葉の中に、
「半沢直樹」は時代劇、、というものがあります。
まあ、勧善懲悪で正義が勝つ!
ってやつですね。
お家騒動やら、裏切りなども、
時代劇ではおなじみです。
そして、これらのキーワードは、
実は、歌舞伎の定番でもあるのです。
猿之助曰く、
「悪が面白くないと盛り上がらない。いかに面白く盛り上げるか。相手が良くないと、面白くないのは、歌舞伎や舞台と同じ。」
とのことです。
ああ、そうですね~。
忠臣蔵の高師直しかり、
伽羅先代萩の仁木弾正、八汐しかり、
車引の藤原時平然りです。
やな奴~~~がいるから、
主人公がかっこよく光り輝く!
半沢直樹の倍返しに価値が出る、そういうことなんですね~~。
市川猿之助だけじゃない、半沢直樹に歌舞伎役者が多い理由は?
半沢直樹には、猿之助、香川照之以外にも
歌舞伎役者が出演しています。
金融庁の黒崎役に片岡愛之助。
今回半沢が巻き込まれる事件の重要人物
スパイラル社の瀬名社長に尾上松也。
なぜに、こんなに歌舞伎役者を起用するの?
って考えてしまいますね。
でも、「半沢直樹」を時代劇、歌舞伎とみると、
納得できると思います。
香川照之、市川猿之助の顔芸、
これは、堺雅人さん演じる半沢直樹の熱~~い顔芸に
匹敵する迫力が必要です。
歌舞伎では、顔芸というと「見得」という手法があります。
これは、アナログ手法のクローズアップのことです。
映像では、カメラがば~~~んと近づいてドアップを撮影しますが、
そんなものがない時代の舞台演劇では、
登場人物に注目を集めるために、
ググッと顔に力を集めることでその役割を果たしていたのですよ。
まさに、第1話で猿之助が見せたもの、、ですね。
さらに、黒崎のオネエ言葉もドラマブレイクのきっかけになっていますが、
歌舞伎では、女方というものがあり、
男性役者が女性を演じるのも常套のことなんです。
だから、女性以上に女性っぽい仕草や言葉遣い、
声の出し方なとはお手の物です。
愛之助は、立ち役が多いですけど、
女方も基本として身につけていますからね。
半沢直樹をより面白い作品にするために
役者の力は必要ですし、
そこに、歌舞伎の手法が入ると、
より効果が出るんだろうなあと思ったところです。
個性的なキャストについてはこちらにも書いています。
市川猿之助、8月歌舞伎座は、義経千本桜の狐忠信
市川猿之助は、歌舞伎役者としては、
とても人気がある役者なんですよ。
一つの公演を引っ張れる座頭ができる
貴重な役者でもあるのです。
古典作品はもちろん、スーパー歌舞伎などの
新しいスタイルの歌舞伎でも大活躍です。
市川猿之助のプロフィール
市川猿之助 本名:喜熨斗 孝彦(きのし たかひこ)
生年月日 1975年11月26日
血液型 O型
最終学歴 慶応大学文学部卒業
家系 父:市川段四郎、伯父:市川猿翁(三代目市川猿之助)、祖母:高杉早苗(女優)、
従兄弟:市川中車(香川照之)、甥:市川團子
屋号 澤瀉屋
定紋 澤瀉
身長 171 cm
体重 61 kg
初お目見え 1980年「義経千本桜」安徳天皇役
襲名 二代目市川亀治郎 1983年「御目見得太閤記」禿役
四代目市川猿之助 2012年「義経千本桜」忠信実は源九郎狐役、「ヤマトタケル」ヤマトタケル役(新橋演舞場)
当たり役 「義経千本桜」忠信実は源九郎狐役
「かさね」腰元かさね役
「ヤマトタケル」ヤマトタケル役
「ワンピース」ルフィ役
「東海道中膝栗毛」喜多八役
古典からスーパー歌舞伎まで、幅広く演じ分ける才能は歌舞伎界屈指です。
*市川猿之助について、よかったらこちらもお読みくださいね。
8月に再開予定の歌舞伎座。
4部制で、各回ごとに総入れ替え、というコロナ対策を掲げ、
公演をめざしています。
市川猿之助も、第3部に出演します。
演目は、「義経千本桜 吉野山(よしのやま)」で、
佐藤忠信実は源九郎狐を演じます。
これは舞踊劇なので、
半沢のような顔芸や台詞回しはありませんが、
市川猿之助の歌舞伎役者としての舞踊と表現の素晴らしさを
実感できる舞台になると思います。
共演は、静御前役に中村七之助、
逸見藤太役に市川猿弥です。
詳しくは、こちらをご覧くださいね。
「半沢直樹」では、めちゃくちゃ憎らしい悪役ではありますが、
歌舞伎役者としては、とても知的で才能ある方なんです。
このドラマで関心を持った方が、歌舞伎も見てくださると
私はとっても嬉しいです。
半沢直樹も、楽しみに見ていきます!
読んでくださり、ありがとう存じまする。
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