きらら浮世絵伝は、蔦重こと蔦屋重三郎を中心とした青春群像劇。
37年前の1988年に初演された(銀座セゾン劇場)時は、
故中村勘三郎さんが蔦重を演じ、話題となりました。
その「きらら浮世絵伝」が2025年バージョンとして歌舞伎座の二月大歌舞伎で上演されます。
ここでは、「きらら浮世絵伝」のあらすじや、猿若祭二月大歌舞伎でのキャスト、ネタバレ感想を書いていきます。
勘三郎さんが情熱を込めて演じた、蔦重の魅力も伝わるといいなあ。
きらら浮世絵伝のあらすじ
江戸時代の後期、蔦屋重三郎は貸本屋を営んでいましたが、
胸に秘めた大きな野望がありました。
言うなれば、「時代のメディア王」!
彼の周りには、喜多川歌麿や葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、などの芸術家たちが集まります。
それもそのはず、蔦屋重三郎は、彼らの才能をいち早く見抜き、大衆に紹介することで、
自らの商売を広げつつ、大衆文化を盛り立てていたのです。
ライバルたちの妨害に挫けることなく
商売に精を出す蔦屋重三郎。
しかし、幕府はそれをよく思いません。
民衆の力が強くなることは
幕府が求める質素倹約を強いることができないからです。
改革を進める幕府は、
蔦屋重三郎に財産を半分没収する、という仕置きをします。
しかし、重三郎は、それでも自らの信念を曲げずに行動する
蔦屋重三郎を応援する仲間も集まり、
起死回生を狙う一手を企むのです。
江戸文化の隆盛に一役買った江戸のメディア王蔦屋重三郎の
若き日の奮闘と幕府の弾圧への抵抗を描いた青春群像劇です。
2025年の大河ドラマ「べらぼう〜~蔦重栄華乃夢噺~」の主人公でもある
蔦屋重三郎の半生を先に歌舞伎で楽しめそうな内容のお芝居です。
きらら浮世絵伝の登場人物
では、どんな人物が歌舞伎、「きらら浮世絵伝」には登場するのでしょうか?
主要な人物を紹介しますね。
蔦屋重三郎:主人公、江戸のメディア王となるが、、
遊女お篠・遊女お菊:吉原の遊女、蔦重を応援する
喜多川歌麿:美人絵の天才画家
山東京伝:戯作者、浮世絵師(北尾政演名)
滝沢馬琴:作家、「八犬伝」は超有名ですね
葛飾北斎:浮世絵師、90歳まで現役!
十返舎一九:戯作者、「東海道中膝栗毛」は超有名!
女衒の六:女性を遊女屋に斡旋する
彫り師の親方彫達:彫り師
西村屋与八郎:浮世絵の版元
恋川春町:浮世絵師
大田南畝:狂歌師
この中の人物は、ほとんどが実在の人物たち。
しかも、その多くが、江戸後期の文化を盛り立てた様々な才能を持った芸術家です。
どれだけ、蔦屋重三郎が幕府の弾圧にもめげずに
江戸文化の隆盛を導いたかが想像できると思います!
きらら浮世絵伝、勘三郎から勘九郎へ!蔦重とは?
37年前の1988年に、「きらら浮世絵伝」で蔦屋重三郎を演じたのが、
18世中村勘三郎さんです。
まだ、アラサー(33歳)の勘三郎さん、とっても若くてピチピチしていらっしゃいました。
その蔦屋十三郎を、二月の歌舞伎座で上演される
「猿若祭二月大歌舞伎」で中村勘九郎さんが演じます。
ちなみに「猿若祭」というのは、
これまた江戸時代1624年に、初代中村勘三郎(猿若)が
江戸で初めて歌舞伎芝居を上演したことを記念して行われている公演です。
歌舞伎座では、五月に團菊祭、九月に秀山祭と、
歌舞伎の発展に力を尽くした偉大な役者さんにちなんだ公演が行われています。
そういう意味では、猿若祭もその一つと言えますね。
1988年、ピチピチの中村勘三郎さんは、
舞台の上で情熱の限りを発散し、大爆発をしていたらしいです。
当時、脚本を書かれた横内謙介さんのブログには、
次のように勘三郎さんのことを書いています。
駆け出しのころはともかく、商売始めてからの 蔦屋重三郎はチョンマゲ姿に決まっているのだが、勘九郎さんは最後まで貧乏羽織に、オデコを剃らない、ぼさぼさ髪姿で演じ切っていた。しかも、ある時は舞台で暴れすぎてカツラを飛ばしてしまった。けれど、かつらなんかどうでもいいんだ、それよりも今、このセリフが大事!みたいな勢いで、脱げたかつらを舞台から投げ飛ばして、芝居を続けた。
まるでギターを投げ捨てて叫ぶ、ロッカーである。
なんか、すごい熱を感じますね。
今回、その役を演じるのが、中村勘九郎さんです。
確か、現在43歳なので、当時の勘三郎さんよりは10歳年上で演じることになります。
しかも、今回は歌舞伎座で、歌舞伎として上演されるのです。
演出は、横内氏が行うということなので、
若干の違いはあるかと思いますが、
その熱い魂は再燃されることと期待しています。
*中村勘三郎さんがなぜなくなってしまったのか?今でも悲しいのですが、そのことについてまとめました
きらら浮世絵伝歌舞伎座で上演2025年2月公演
きらら浮世絵伝が、2025年二月の歌舞伎座で上演されることになりました。
そのスケジュールは、二月二日(日)〜二十五日(火)となります。
昼の部のラストなので、
14時半くらいに開演になるのでは?と思っています。
スケジュールが出たら追記しますね。
二月は猿若祭と銘打って、中村屋ゆかりのお芝居を上演します。
この「きらら浮世絵伝」もその一つで、
脚本、選出は、横内謙介さんがされるそうです。
横内さんといえば、スーパー歌舞伎でもお馴染みの方なので、
素敵な歌舞伎作品に仕上げてくださることをめっちゃ期待しているところです。
その公演の配役ですが、
中村勘九郎さんの他に、中村七之助さん、中村鶴松さんなど中村屋の役者さんたち、
中村芝翫さん、中村歌六さんなど中村屋とゆかりのある役者さんたちが出演されています。
【会見レポート】中村勘九郎&七之助、父・勘三郎が上演した「きらら浮世伝」に向け「“爆発”をお見せできたら」 https://t.co/mm6zesbu3H
— kabukist (@kabukist1) January 30, 2025
きらら浮世絵伝の配役は?歌舞伎座2月公演
先ほど、登場人物を紹介しましたが、
令和七年二月公演の配役は次のとおりと発表されました。
蔦屋重三郎 中村 勘九郎
遊女お篠 中村 七之助
遊女お菊 中村 米吉
喜多川歌麿 中村 隼人
山東京伝 中村 橋之助
滝沢馬琴 中村 福之助
葛飾北斎 中村 歌之助
十返舎一九 中村 鶴松
女衒の六 市村 橘太郎
彫り師の親方彫達 橘三郎
摺り師の親方摺松 中村 松江
西村屋与八郎 市村 萬次郎
初鹿野河内守信興 中村 錦之助
恋川春町 中村 芝翫
大田南畝 中村 歌六
いやあ、とても魅力的な顔ぶれですねー
特に、大河ドラマでは
長谷川平蔵を演じている中村隼人さんが
喜多川歌麿を演じているのも興味深いです!
勘九郎さんの蔦屋重三郎さんがどんな爆発を見せてくれるのか
めっちゃ熱いと思うので扇風機が必要かもしれませんね笑
きらら浮世絵伝のネタバレ感想:猿若祭二月大歌舞伎公演
きらら浮世絵伝、歌舞伎座での公演の感想です。
まだ観に行っていないので、行き次第追記いたします。
とても楽しみです。
ここまでお読みくださり、ありがとう存じまする。
★よかったらこちらもお読みください。
*中村勘九郎さんについては家系図も含めこちらで紹介しています。
*中村七之助さんはイケメンなのになぜ白髪?その謎を探りました。
*2024年の猿若祭二月大歌舞伎についてはこちらにまとめています。
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