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助六由縁江戸桜(歌舞伎)のあらすじ、登場人物、成田屋十八番の人気演目

歌舞伎演目
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歌舞伎十八番の中でも屈指の人気演目、「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」について紹介します。

5月に予定されている、市川團十郎白猿の襲名披露公演でも上演予定、

揚巻は誰がやるのか、気になって仕方ない・・・笑

あ、もうわかっているので、下に書いてありますよん。



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「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」、助六と揚巻の粋と美しさで人気

この演目は、な~~んと言っても、

2枚目の助六と豪華花魁揚巻のコンビの美しさが

一番の見どころと思っています。

いつも、それだけで終わっちゃうので、

このお芝居の登場人物とあらすじを

しっかりとお伝えします!

「助六由縁江戸桜」の主な登場人物

花川戸助六 実は 曽我五郎【はなかわどのすけろく じつは そがのごろう】

男伊達(おとこだて)として名の知られた若者で、威勢がよく喧嘩も強い。見た目もイケメン、三浦屋の花魁揚巻と相思相愛の仲。その正体は、行方不明の源氏の重宝「友切丸(ともきりまる)」の探索と父の敵討ちを志している曽我五郎。

三浦屋揚巻【みうらやあげまき】

吉原で全盛を誇る花魁(おいらん)。助六に惚れきっているが、実は喧嘩三昧の暮らしを送る助六を心配している。

髭の意休【ひげのいきゅう】

金持ちで何事も金ずく力ずくなので、吉原でも嫌われている。揚巻に横恋慕して通い詰めるが、振られ続ける。助六が盛んに喧嘩を仕掛けているのだが・・。

三浦屋白玉【みうらやしらたま】

揚巻の妹分の花魁。

白酒売新兵衛 実は 曽我十郎【しろざけうりしんべえ じつは そがのじゅうろう】

五郎の兄・曽我十郎。喧嘩ばかりしている弟を心配し、たしなめに白酒売に身をやつして吉原までやって来る。

曽我満江【そがのまんこう】

助六(曽我五郎)の実の母。兄・十郎と同様に助六の喧嘩癖を心配し、揚巻に会うため男装して吉原にやって来る。

くわんぺら門兵衛【かんぺらもんべえ】

意休の子分。意休と同じく金持ちだが、嫌われ者。

通人里暁【つうじんりぎょう】

通人とは江戸時代に文芸や花柳界の遊びの知識とルールに通じている、裕福でお洒落な文化人のこと。助六に股くぐりを強要され、独創的な股くぐりを見せ芝居を盛り上げる。



「助六由縁江戸桜」のあらすじ

このお芝居は、通常は2時間、まったく省略なしで演ずると3時間もの大作なのですが、

たった一幕「三浦屋格子先の場」だけで成り立っているのです。

場面転換もなく、最初から最後まで同じ場所で繰り広げられます。

ここから、ストーリーよりも見せることを重視した演目とされています。

そのあらすじをざっくりとまとめると、次のようになります。


花川戸助六(はなかわど すけろく)という侠客、

その正体は曾我五郎、

源氏の宝刀「友切丸」を探すため吉原に通っています。

様々な男が集まる吉原で、

遊客にわざと喧嘩を吹っ掛けて刀を抜かせようという企みです。

そこに助六を情夫にしている三浦屋の花魁の揚巻(あげまき)と、

揚巻に言い寄る髭の意休(ひげの いきゅう)が登場します。

意休は、揚巻が助六に首ったけなのが気に入らず、

散々悪口を言い立てます。

それを聞いた揚巻は怒って、意休に悪態を述べ立てます。

白玉になだめられ、揚巻は共に店の中に入ってしまいます。

そこへ現れたのが助六です。

意休が友切丸を持っていると疑う助六は、

刀を抜かせようとするのですが、なかなかうまくいきません。

くわんぺら門兵衛らとも、ひと悶着を起こす助六。

皆が去って行きますが、

白酒売に身をやつした兄の曾我十郎がやってきて弟に意見します。

しかし、助六の真意を知った十郎は自らも喧嘩を売る稽古を始める始末。

やがて揚巻が一人の侍を伴って再登場。

助六はその侍に喧嘩を売ろうとするのですが、

驚いたことにその侍は、兄弟を心配してやってきた母の満江であったのです。

満江は助六に破れやすい紙子の衣を着せて、

激しい喧嘩を戒めると十郎とともに帰ってゆきます。

またも意休が登場。

意休は実は助六が曾我五郎と見抜いており、

兄弟団結して親の敵を討てと意外な意見をし、香炉台を切って見せる。

その刀こそ友切丸!いきり立つ助六を、

揚巻は意休の帰り際を待つようなだめるのでした。


本編の前に口上や、最後は、助六が意休を斬り、

友切丸を取り返して逃げるところまで上演されることもあります。

ストーリー以上に、錦絵のように美しい様式美を

楽しんでいただきたいお芝居です。



助六と成田屋との関係は?

この助六ですが、成田屋の十八番として人気が高いに加え、

他の家の役者が演じることもあります。

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成田屋十八番の人気演目のひとつ

元禄時代に大坂で起きたとされる、

万屋助六(よろずやすけろく)と遊女揚巻の心中事件(定かではないらしい)は、

浄瑠璃や芝居にさまざまに脚色されました。

これを二代目團十郎がとり入れて初めて演じたのが初演、

團十郎が荒事だけでなく和事風の男伊達を演じたのが画期的だと好評を得たそうです。

これを原型として、江戸末期に七代目市川團十郎が洗い上げて現行の演出を確立し、

「歌舞伎十八番」のひとつとしたとされています。

いまも上演回数の多い人気演目。

成田屋歌舞伎十八番の筆頭に挙げられる演目なのです。

「『助六』を『助六所縁江戸櫻』という外題(タイトル)で上演するのは成田屋だけ」

というのはよく知られた歌舞伎のうんちくなのです。

これは、「『助六』を『助六所縁江戸櫻』という外題で上演するのは、

市川團十郎または市川海老蔵が助六を務める興行においてのみ」

ということになるのです。



成田屋以外の役者が演じると、外題(タイトル)も変わる!

成田屋以外の役者もこの演目を演じることがあります。

その時は、外題(タイトル)が変わるのです。

それは、助六が登場する時に奏でられる出端(では)と

関係があります。

これは、河東節の曲なのですが、

それを7代目團十郎の時代に、成田屋の専売特許(?)に

してしまったため、

他の家の役者は違う曲を使って演じたため、

外題が変わる、ということが起きたそうです。

ちなみに、

高麗屋(松本幸四郎など)が演じる時は「助六曲輪江戸桜(すけろくくるわのえどざくら)、

音羽屋(尾上菊五郎など)では、「助六曲輪菊(すけろく くるわの ももよぐさ)」、

松嶋屋(片岡仁左衛門など)では、「助六曲輪初花櫻(すけろく くるわの はつざくら)」、

澤瀉屋(市川猿之助など)では、「助六曲輪澤瀉櫻(すけろく くるわの いえざくら)」

となるそうです。



助六は13代目市川團十郎白猿襲名公演でも外せない演目

成田屋十八番の筆頭演目というところから、

やはり市川團十郎白猿襲名披露部隊には、

欠かせない演目だということですね。

海老蔵自体もこの演目は何回も演じています。

しかし、團十郎白猿という名で演じるのは、

格別の思いがありそうです。

3月20日に、主な配役も発表されました。

なんと、5月の揚巻に尾上菊之助。

7月の揚巻に中村七之助。

ナウシカとクシャナが揚巻!!

やっぱり綺麗どころ、いまが旬の人気役者を当ててきましたよ。

5月~7月まで3ヶ月間、歌舞伎座の舞台は、

「13代目市川團十郎白猿襲名披露狂言」となっています。

(6月には、8代目市川新之助襲名披露もあり)

その中で、5月と7月にこの「助六由縁江戸桜」は上演されます。

その重さのほどもうかがえますね。

残念なことに、2020年の新型コロナウイルス世界的感染拡大を受け

襲名披露舞台は延期になっています。

落ち着いたら、きっと満員の歌舞伎座で「助六」も「勧進帳」も

観られると信じています。

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助六寿司の由来も歌舞伎にあった・・・!

助六、というと、お寿司のお弁当を思い出す方が多いと思います。

いなり寿司と海苔巻がセットになったお弁当ですね、

この名前の由来も、実はこの演目にあったんだそうです。

いなり寿司は、油揚げにすし飯が入ったもの。

つまり、揚げ→揚巻から。

海苔巻は、助六が頭に巻いている鉢巻から。

つまり鉢巻→海苔巻、太巻きへ。

そう思うと、

食べるのがもったいなくなっちゃいますね!

助六のお芝居のお弁当が助六寿司、

絶対、5月と7月の歌舞伎座の名物になると思います!!

顔写真入りだったら買っちゃうかも。

と、妄想が膨らむくらい、楽しい演目ということです。

読んでくださり、ありがとう存じまする。



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