中村勘九郎さんと中村七之助さんは実のご兄弟、演技力や美しさで多くの観客を魅了しています。
2人とも、あの名優18代目中村勘三郎の息子たちです。
名門中村屋を背負って立つ兄弟のプロフィールや中村屋一門について、
全国を巡業公演にかける思いをお伝えします。
中村屋が誇る特別公演の魅力も書きましたので、
ぜひ読んでくださいね!
中村勘九郎・中村七之助兄弟のプロフィール
まずは、中村勘九郎さん、中村七之助さんのプロフィールを紹介します。
名門、と言われる所以の家系にも注目です。
六代目中村勘九郎のプロフィール
六代目中村勘九郎:本名 波野 雅行(なみの まさゆき)
生年月日 1981年10月31日
血液型 O型
身長 174cm 、体重64kg
出身地 東京
最終学歴 堀越高等学校
家系 祖父:十七代目中村勘三郎、七代目中村芝翫、父:十八代目中村勘三郎、
弟:二代目中村七之助、息子 三代目中村勘太郎(長男)、二代目中村長三郎(次男)
屋号 中村屋
定紋 角切り銀杏
襲名歴
1986年 「盛綱陣屋」の小三郎役で初お目見え(歌舞伎座)
1987年 「門出二人桃太郎」の兄の桃太郎役として二代目中村勘太郎襲名し初舞台(歌舞伎座)
2012年 「春興鏡獅子」小姓弥生後に獅子の精役他で六代目中村勘九郎を襲名(新橋演舞場)
堀越高校出身で、女優の安達祐実、俳優の金子ノブアキは同級生。
奥様は、女優の前田愛さん、
おしどり夫婦と有名で、いだてん出演の際は、
健康的な肉体美を作るために大奮闘されたそうです。
*中村勘九郎については、こちらに詳しく書いていますので、よかったらお読みくださいね。

二代目中村七之助のプロフィール
中村七之助 本名:波野 隆行(なみの たかゆき)
生年月日 1983年5月18日
出身地 東京
身長 174cm
最終学歴 堀越高等学校
家系 祖父:十七代目中村勘三郎、七代目中村芝翫、父十八代目中村勘三郎、兄:六代目中村勘九郎、母:波野好江(九代目中村福助の姉)
屋号 中村屋
定紋 角切銀杏、替紋は丸に舞鶴
趣味 ゲーム、カラオケ
初お目見え 1986年 「檻」祭りの子役で初お目見え
襲名 1987年 「門出二人桃太郎」 弟桃太郎役で二代目中村七之助を襲名
堀越高等学校の同級生に俳優の松田龍平、嵐の松本潤らがいて、
今でも仲良く交流しているそうです。
2005年に酔って不祥事を起こし、
3ヶ月間の謹慎処分を受けたこともあるんですって。
優しげな見た目には意外なやんちゃぶり。
*中村七之助については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。

中村勘九郎・中村七之助兄弟の家系図
中村勘九郎さんと中村七之助さんご兄弟の家系図はこちらです。
この2人の先祖を遡ると、
三代目中村歌六、六代目尾上菊五郎等名が出てきます。
三代目中村歌六は、明治時代の名優です。
大阪出身ですが、途中から江戸に出てきて、
一世を風靡します。
六代目尾上菊五郎は、大正から昭和にかけての大役者。
六代目といえば、この尾上菊五郎、
と言われるほどの名を残しています。
この2人からは、中村吉右衛門、中村時蔵、
尾上菊五郎、中村歌右衛門、等々、
優れたお家へとつながっていきます。
中村屋はその両方の血を受け継いでおり、
名門と言われるのはその家系も影響しています。
私が歌舞伎を診始めた頃は、
歌舞伎俳優って、あちこちが縁戚関係で繋がっていて、
この人たちは従兄弟、というのが結構あり、びっくりしたものです。
中村勘九郎と中村七之助もそのご多聞にもれずです。
梨園だけが経験するあれやこれやもきっとあるんだろうなあ。
中村七之助が結婚しないのも、
梨園のお家に嫁に入る大変さを知っているから、、と言っていましたね。
*中村屋の歴史については、2019年放映のファミリーヒストリーで
詳しく紹介されました。
歴史に残る役者と現在の中村屋との結びつきが
興味深く報告されていましたね。
見逃した方は、こちらに書いていますよ。



中村勘九郎と中村七之助は全国巡業公演にどんな思いを持っているのか
中村勘九郎、中村七之助兄弟を中心に中村屋一門が、
毎年行っている巡業公演があります。
時期によって、「錦秋」「春暁」「新緑」と呼ばれることもあるんですって。
時期はずれても2005年から毎年行われていて、
47都道府県全て制覇したという骨太な巡業公演です。
松竹株式会社や、大手のイベント会社が主催する巡業公演ではなく、
中村屋一門として巡業を行うには、
とても強い思いがあるのではないかと思います。
どんな思いで巡業をしているのか、ということ気になりませんか?
中村勘九郎の言葉などから、それを考えてみたいと思います。
私の妄想も若干混じっていますが、きっと間違ってはいないと思います!
(その自己確信、どっから来てる?笑)
中村屋全国巡業公演は、地方のお客様のため!
この中村屋の全国順病公演は、
「地方にいるとなかなか歌舞伎を観に行くことができない。」
というファンの声を受け、
自らが全国に足を運んで、多くのお客様に歌舞伎を観ていただこう、
という思いのもと始まったものです。
これは当たっていると思います。
中村屋の公式サイトにもそう書いてありました。
歌舞伎公演は、
東京や大阪、博多、名古屋など大都市では
定期的に行われています。
私のように、東京に住んでいる者にとっては、
劇場は身近で足を運びやすいのですが、
地方の方にはそれは大変なことですよね。
だから、そういう方々のために劇場が行っちゃえ!
とばかりに、一門が出向いていくのですね。
サービス精神旺盛な中村屋だからの公演て言えそうですね。
中村屋全国巡業公演は、歌舞伎を初めて見るお客様も意識する!
2019年のインタビューで、勘九郎がこんなことを言ってました。
「最初に見たものがつまらなかったら、引き込めないという緊張感は常にあります。」
巡業で地方に行くと、初めて歌舞伎を観た、
という方もとても多いそうですよ。
そういう方たちが、もっと観たい、楽しい、と思ってもらうことが、
歌舞伎界のためにも大切です。
巡業公演では、どの会場に行っても「初めて」に遭遇する確率がとても高いのでしょう。
「初めて」がどんな経験になるのか、
それを提供する役者にとって、緊張が伴うことが想像できますね。
だからかな、この公園で取り上げる演目は、
初めての方でもわかりやすいものだったり、
純粋に楽しめたりするものが多いようです。
「連獅子」「お祭り」などは、
舞踊だけど、観ていて華やかで楽しくなってきますもの。
歌舞伎のハードルは、「わからない」ということだと私は思っています。
それを取り払うためにも
「初めて」の方向けの演目を選んでいるんじゃないかと思いました。
中村屋全国巡業公演は、父中村勘三郎の思いも強い!
未だに亡くなったことを信じたくない名優18代目中村勘三郎。
そもそも、巡業公演は、中村勘三郎の強い思いから実現したものです。
時々、放映される、中村屋のドキュメンタリーでは、
どこに行っても歓迎を受ける中村勘三郎や一門の姿が映っています。
愛される役者でしたよね〜。私も大好きでした。
その父が、始めた思いを、兄弟はしっかり引き継いでいるのですね。
でも、不安もあるようですよ。
「父とともに舞台に立ち、満杯のお客様の前で舞台を勤めるということが多かったので、たった二人で、しかも全国の皆様のもとにうかがって公演をして、本当にお客様が入ってくれるのか」
初めは父である中村勘三郎も、同じ舞台に立っていた安心感が
あったそうです。
しかし、2012年にその父が他界してからは、
兄弟だけで舞台を勤めなければならなくなった、
それは本当に心細いものだったんだろうなあと
心情を想像すると涙が出そうになります。
しかし、今では2人の姿を楽しみにしているファンも多く、
公演を待ち望んでいるようです。
中村屋全国巡業公演は、地方の劇場や芝居小屋の元気を応援する!
中村屋の全国巡業公演は、一般の劇場や公民館の他に、
地方に残る芝居小屋も会場に含まれています。
これは、芝居小屋の伝統を良い形で残したい、
という故中村勘三郎の思いも込められていますね。
幼い頃から一緒に劇場を回った、
中村勘九郎や中村七之助も、その思いは強いようです。
それぞれ、名誉館長を務める芝居小屋もあるんですって。
私は、中村屋の芝居の魅力は「明るさ」だと思っています。
もちろん、他にもあるんですけどね。
芝居が持つエネルギーで人を元気にする、
そんな魅力を強く感じているのです。
だから、地方の劇場も芝居小屋も、
中村屋一門が回ってくると、すごく元気になる!
そんなイメージを持っています。
と、中村屋一門が全国巡業を行う理由を、
インタビューやらドキュメンタリーやらから引用しつつ、
私の妄想も交えて書いてみました。
中村屋一門のプロフィール
中村屋には、中村勘九郎と中村七之助の他に、
舞台を一緒に支える役者がいます。
ちびっ子中村屋と中村鶴松、中村いてうのプロフィールを紹介します。
二代目中村鶴松について
中村鶴松 本名:清水 大希(しみず だいき)
生年月日:1995年3月15日
出身地:東京都(うまれは愛媛だそうです)
身長;165cm
体重:53kg
血液型:B型
屋号:中村屋
定紋:角切銀杏
愛称:鶴ちゃん、ツルマティ、大ちゃん
最終学歴:早稲田大学文学部映像演劇コース卒業
芸歴:2000年 「源氏物語」茜の上の弟、武麿役として本名で初舞台(歌舞伎座)
2005年 「菅原伝授手習鑑 車引き」の杉王丸役で中村鶴松を名乗る(歌舞伎座)
故十八代目中村勘三郎の部屋子となる
中村鶴松は、あの十八代目中村勘三郎に、
「3人目のせがれ」と言わしめたほど、
大事に育てられたお弟子さんでした。
今は、鶴松ファンも結構多いんですよ。
女形では、可愛らしい容姿に
「あの子誰〜?」って
目が釘付けになっちゃうこと保証します!!
*詳しくはこちらもお読みくださいね。
https://kabukist.com/tsurumatsu-1465
/#浅草公会堂「#新春浅草歌舞伎」公演中#おまけ⑧
中村鶴松さん×ちょろ松
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三代目中村いてう(いちょう)について
中村いてう 本名:原田 大樹(はらだ だいき)
生年月日 1981年生まれ
出身地 岐阜県恵那市
芸歴
2000年 第十五期国立劇場歌舞伎俳優研修終了
国立劇場「夏祭浪花鑑」で初舞台
2001年 十八代目中村勘三郎に入門し、中村いてう を名乗る
2014年 名題昇任
中村いてうは、祖父母が地歌舞伎の振付師であったことから、
幼い頃から地歌舞伎に出演したり、祖父母の手伝いをしたりしていたそうです。
中村屋の一門として、舞台に立つだけではなく、
立師、所作指導などでも活躍しています。
大事な舞台で、勘九郎や七之助の後見を務めていますね。
それだけ2人からの信頼も厚い様子がうかがえます。
三代目中村勘太郎について
中村勘太郎 本名:波野 七緒八 (なみの なおや)
生年月日:2011年2月22日
父、祖父など:祖父:十八代目中村勘三郎、父:6代目中村勘九郎、
叔父:2代目中村七之助
屋号:中村屋
定紋:角切銀杏
初お目見え:2017年「門出二人桃太郎(かどでふたりももたろう)」桃太郎役
2019年8月の歌舞伎座では、「伽羅先代萩」では千松役を公演していました。
2時間近くの長丁場、セリフもしっかり抑揚をつけて言い、
鶴千代を庇い命を落とすシーンでは、観客の涙を誘いました。
兄として弟を気にかけるしっかり者ぶりも立派です。
*8月納涼歌舞伎「伽羅先代萩」についてはこちらに書いてありますので、よかったらお読みくださいね。

二代目中村長三郎について
中村長三郎 本名:波野 哲之(なみの のりゆき)
生年月日:2013年5月22日
父、祖父など:祖父:十八代目中村勘三郎、父:6代目中村勘九郎、
叔父:2代目中村七之助
屋号:中村屋
定紋:角切銀杏
初お目見え:2017年「門出二人桃太郎(かどでふたりももたろう)」桃太郎役父、祖父など:
兄の勘太郎と同じく、2019年の「伽羅先代萩」では鶴千代を好演。
テレビの取材では、ちょっと天然な受け答えに笑いを誘っていました。
毎日のお稽古は、大変だったようです。
舞台でどうやら寝ちゃったという噂も・・・
*中村屋襲名のお決まり「門出二人桃太郎(かどでふたりももたろう)」については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。

読んでくださり、ありがとう存じまする。
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