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六代目 中村勘九郎の家族の歴史を訪ねる旅その3 〜NHKファミリーヒストリーに中村屋の歴史を見た〜

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六代目 中村勘九郎さんの家族のルーツを訪ねる、

NHKファミリーヒストリー。

 

時代は、十八代目勘三郎さん、六代目勘九郎さんへと

移っていきます。



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六代目中村勘九郎の母 中村屋を支える好江とはどういう女性か

好江さんは、中村芝翫の娘さん。

芝翫(幼名:榮次郎)さんは、5歳で父を亡くしました。

その芝翫さんに声をかけたのは、再び登場、

六代目尾上菊五郎です。

「いいか、人に聞くのではなくて、見て覚えろ。」

その言葉を心に、女形として芸を極めていきます。

 

好江さんは、役者の家の次女として生まれた時、お悔やみを言われたのだそうです。

その弟として現福助さんと現芝翫さんが生まれ、

家族の愛情は全てそちらに移っていったとか。

家族の中では阻害されているような思いがあったと言います。

当時、父芝翫は、六代目尾上菊五郎の話ばかりしていたらしいです。

十八代目勘三郎さんの家でも、

六代目菊五郎さんの写真を見て安心したそうです。

 

結婚して、家に入って気づいたのは、

十七代目の父と息子である十八代目の微妙な関係、

父子である前に、師匠と弟子、

その間にはある意味緊張感があったようです。

その後、六代目勘九郎と七之助という

2人の息子を生み、そこからは子育て及び歌舞伎俳優を育てる毎日が始まりました。

 

六代目勘九郎さんが4歳で初舞台を踏んだ時のエピソードにはびっくり、

座る場面を間違えた勘九郎さんに、お祖父様の勘三郎さんが、

烈火のごとく怒ったそうです。

4歳で何もわからない勘九郎くん、

押入れの中に逃げたところを、

父の勘三郎さんが抱きかかえて泣きながら家まで連れ帰ったとか・・・。

それに対して、我が子に同情してはダメだと思い、

舅の勘三郎さんに手をついて謝ったのだそうです。

その好江さんを泣きながら抱きしめて、

「きちんとできない弟子の前で、自分は我が孫にも厳しく叱ることを教えたかった。

ごめんねごめんね・・。」

そう言ったのだそうです。

なんたる役者魂、それを受け止める好江さん。

中村屋の妥協しない芸はこういうところにも現れていたようです。

 

このエピソード、当の勘九郎さんは、

すごく怖かった、トラウマだったと言ってましたが、

ごめんねと抱きしめられたことは覚えていないそうです。

 

その偉大な父を亡くした十七代目勘三郎さん、

新たな挑戦に目覚めます。



 

いよいよ、六代目勘九郎の時代!

父から厳しい教えを受け、

舞台俳優として力をつけていった六代目勘九郎。

平成21年に前田愛さんと結婚、

2人の息子をもうけます。

そして、平成24年に六代目中村勘九郎を襲名するのです。

父である勘三郎さんは、

「真面目である。一歩一歩着実に力をつけるタイプ。ウサギとカメならカメタイプ。でもそれでいい。」

と彼を評します。

「僕だけの真似をするのではなく、自分だけの勘九郎を光らせて欲しい。」

そこからは、息子にかける期待を強く感じられます。

 

しかし、期を同じくして、病に倒れ、帰らぬ人となってしまうのです。

その訃報を聞いたのは京都での襲名公演中。

悲しみをこらえて挨拶する勘九郎さん、

「父のことを忘れないでください。」

涙が溢れてきてしまいました。

その父の思い出を語る場面では、

勘三郎さんの姿が生き生きと蘇りました。

「有言実行、やるといったら絶対にやる。」

「子供の頃から、俺は早死にする。」

「本番、芝居をしているときに怒られうのが一番怖かった。耳元で下手くそっていうのはしょっちゅうだった。」

 

勘九郎も走ります。

平成27年、平成中村座での勘三郎追善公演。

会場を満員にし、成功を収めます。

平成29年には、2人の息子たちが初舞台を踏みます。

勘九郎さんにご挨拶をと促され、

はっきりとした声で、

「中村勘太郎と申します。」

「中村長三郎と申します。」

背後で見守る、勘九郎さんと七之助さんの表情も気になる舞台です。

実は、私、この舞台観ていました。

かなりの長丁場でしたが、

幼い2人がしっかりと役を勤め上げる姿に感心したものです。

この2人がつけた衣装は、30年前に、

勘九郎、七之助兄弟が初舞台でつけた衣装。

その映像も流れましたが、傍の父勘三郎さんの表情がお父さん!

そしてなんと、その勘三郎さんの初舞台もやっぱり桃太郎。

世代を超えて、芸は受け継がれていくことを

目の当たりにしました。

 

今、勘九郎さんは大河ドラマの主役を演じていますが、

父の勘三郎さんも大河ドラマで主役、

祖父の勘三郎さんも大河ドラマに出演。

ここにも受け継がれる芸があるのです。

演出家の野田秀樹さんは、

十八代目勘三郎さんの熱意から歌舞伎に関わったそうです。

今は、その息子と一緒に歌舞伎を作っているのですって。

一族の歴史を見ての勘九郎さん、

「楽しんで芝居をしている人たちだった。楽しむってことが一番だな。」

「家族に背中を押されているように思える。」

そんな想いも語りました。

 

歌舞伎俳優、中村屋。

新たな芸へ挑戦し、懐を広げていく彼らの一家。

今では、両勘三郎さんの芸を観ることはできませんが、

その息子、勘九郎・七之助に受け継がれた、

中村屋の芸の真髄を楽しむことができます。

今年は、中村屋へ注目して舞台を観ていきたいと思います。

 

今回の記事は、2月11日のNHKファミリーヒストリーを視聴して書いたものです。

この番組の再放送は、15日金曜(14日木曜深夜)午前1時~2時15分です。



 

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