博多座の6月第歌舞伎に出演していた
市川左團次さんが休演というニュースを聞きました。
お元気に見えても、78歳のご高齢です。
歌舞伎役者には、左團次さんのように、高齢の方が多いです。
重労働と言われるこの仕事を、乗り切る工夫について調べてみました。
四代目市川左團次が博多座6月大歌舞伎を休演
先にも書きましたが、
四代目市川左團次が、現在興行中の博多座6月大歌舞伎を
3日から休演したということです。
2日の夜の部「土蜘蛛」中に異常を感じられたようで、
舞台を降りてから戻ることができなかったとか。
一時的な休演なのか、
6月いっぱいかかるのか、
詳しいことは定かではありませんが、
まずはお大事になさっていただきたいと願うばかりです。
代役として、
昼の部の「「野晒悟助」の提婆仁三郎役を、尾上松緑さん、
夜の部の「土蜘」の平井保昌役を、坂東彦三郎さんが務めるということです。
*博多座6月大歌舞伎についてはこちらもお読みください。
四代目市川左團次さんと言えば、
やんちゃで変わり者と評判の方です。
26歳下の奥様と再婚されていますが、
奥様が「私は何もしなくてもいい」とおっしゃるほど、
ご自身のことはされているようです。
健康で、ご贔屓さまとの付き合いもないことから、
そう仰られたそうですけどね。
こういうことになって、奥様もご心配でしょうね。
*市川左團次については、こちらの記事もお読みください。
歌舞伎役者は重労働っていうけど本当なの?
歌舞伎役者は重労働と言われます。
まず、舞台に穴を開けられないから、簡単には休めません。
初日から千秋楽まで、約24~5日間舞台に出ずっぱりです。
役の格によって、つける役者が決まってしまうので、
大御所や中軸の花形役者の役は、
そうそう代わりを務められないらしいのですよね。
点滴を打ちながら舞台に立ったという方もいらっしゃるそうです。
舞台をご覧になった方ならお分かりかと思いますが、
歌舞伎は生の演技を見せます。
重い装束を身につけ、
舞台の端から端まで、時には走り回り、
腹の底から声を出す(地声で最上階の客席にも声が届きます)。
長くて言いづらいセリフもスラスラリズムよく語りながら、
内面の感情を少ない所作やちょっとした表情で表現するのです。
演技に舞踊に立ち回り、
役によって様々な演技や振る舞いが要求され、
それをわずか2~3日の稽古だけで完成させるので、
気が休まることもないと思われます。
私が推測するだけでもこんなに大変なんですよ。
それを私よりも年上の60,70,80代の方々が
やり遂げるのです。
舞台を見るたびに、役者さんはすごいって
心底感心、いや尊敬してしまいます。
現在、休演中の主な歌舞伎役者さん、早く復活して欲しいな
記憶に新しいところでは、
5月に体調不良で休養中の坂東楽善さん(76歳)。
4月にお元気な姿を見せてくださった、9代目中村福助さん(59歳)。
5代目片岡我當さん(84歳)
2014年の舞台休演依頼、最近お姿をお見かけしないのが気がかりです。
猿之助歌舞伎、スーパー歌舞伎で一世を風靡した
二代目市川猿翁さん(79歳)
まだいらっしゃるかもしれませんが、
私が気になっている方のお名前だけあげさせていただきました。
みなさま、独自の芸をお持ちの素晴らしい役者さんです。
左團次さんも含め、1日もはやいご回復を祈ります。
*中村福助については、こちらの記事もお読みくださいね。
歌舞伎役者の健康維持の秘訣はあるの?
そんな中、歌舞伎役者片岡孝太郎さんのブログが
とても参考になりました。
一部を引用させていただきます。
ここで皆さんに誤解して頂きたくないのが、
「何故休ませない…」とか「どうして休ませない」の、お声が出ると思いますが、
僕ら歌舞伎役者は興行主さんや場合によってはプロダクションさん・テレビ局さん等と毎回お話し合いをして何月出演・何月に何のお役へ…とか
決めて出演します。
役者さんにもよりますが自分から、続けて出たいとお願いしない限りそう連続で出演させてもらう事は出来ません。
又個人差があり
休むと体調を崩されてしまう方、
特に年配になって来ると一ヶ月休んでからの次の月は身体が慣れるまでなかなか辛いものがあります、ですから理想として一役だけでも連続でも出演していた方が体調不良を招き難いと言う場合もあります。
頭と身体、一心同体でなければ
務まらないお仕事。
~片岡孝太郎ブログ「片岡孝太郎の話すことあり、聞くことあり」より~
お父様の片岡仁左衛門さんも、
一時期、命の危機と言われた闘病生活をしていらっしゃいます。
6月は歌舞伎座で、「封印切り」の忠兵衛を演じていらっしゃいます。
毎月出演することが却って健康維持、
というのもわかる気がしますね。
歌舞伎界の最高齢者は、
87歳の四代目坂田藤十郎さんです。
4月の歌舞伎座では、得意の舞踊で観客を沸かせました。
この方のご婦人の扇千景さんのインタビュー記事によると、
ご夫婦お二人で、1日1万歩を目標にしているそうです。
そのおかげで足腰も丈夫、、、なんておっしゃっていましたよ。
*片岡仁左衛門についてはこちらの記事もお読みくださいね。
追記:市川左團次さん、体調復活!が、7月の舞台のため6月は休演決定!
6月12日の歌舞伎役者、尾上松緑のブログに、
市川左團次が、楽屋に挨拶にいらしたという記事がありました。
そこには、こう書かれています。
楽屋にいらっしゃれる位には元気に回復されてはいるのだけれど、相談の上、今回は大事を取って、役に復帰はなさらずに東京に帰られて、静養と次の舞台への準備をなさるとの事
お元気になられたようで、まずは安心です。
ただし、役を復帰しないということは、
現在代役の、尾上松緑と坂東彦三郎がそのまま千秋楽まで
役を務めるということです。
それもあって、ご挨拶の場だったのでしょう。
先輩の恩に報いるためにもがんばる、
って、こうやって、後輩たちは奮起して、
成長していくのですね。
こういうやりとりを見ると、
色々しきたりが厳しい梨園の世界だからこそ、
世代を超えて心を通わせることや、
身を通じて学ぶことが多々あるのだなと感じました。
休演とはいえ、体調も戻り、足腰もしっかりしていたとのこと、
本当に案じていたので、ホッとしました。
市川左團次は、7月は歌舞伎座に出演します。
復活を果たした市川左團次と片岡我當について、
追記記事を書きました。
元気な姿が見られたそうですね。
よかった、よかった・・・・
私自身はヘロヘロな肉体なので、
もっと体力をつけないと長生きしても楽しくないぞ、
って思っています。
70を超えても元気な歌舞伎役者さんに見習って、
自分なりの健康維持法を見つけたいと思いました。
それとともに、
重ね重ねですが、
役者の皆さまが、あまり無理をせず、
健康を維持しながら舞台でご活躍できることを心から願っています。
今日も読んでくださり、ありがとう存じまする。
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