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中村吉右衛門の息子と家系図、兄松本白鸚との確執も若い頃はあったのか

歌舞伎役者
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2021年、12月1日、突然の訃報に動揺しております。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

二代目中村吉右衛門さんは、現在の歌舞伎界を牽引する大御所のお一人です。

播磨屋(はりまや)!のお家ですが、実の父は高麗屋(こうらいや)なんです。

さらにいうと、義理の息子は音羽屋(おとわや)という歌舞伎の名門を家系に持つ方でもあります。

古典の演目を得意とし、若手への芸の継承にも力を注ぐ人間国宝、「鬼平犯科帳」でも大人気の中村吉右衛門さん。

その家系図から見る家族関係や若い頃の苦悩、現在までの活躍について紹介します。

 



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中村吉右衛門の家系図とプロフィール

まずは、プロフィールと家系図について

中村吉右衛門とはどんな歌舞伎役者なのか紹介しますね。

二代目中村吉右衛門のプロフィール

中村吉右衛門:本名 波野 辰次郎(なみの たつじろう)

出生名 藤間 久信→波野 久信 から改名

生没年月日 1944年5月22日〜2021年11月28日 享年77歳

出身地 東京都

身長 178cm

血液型 B型

家系 父:初代松本白鴎、養父:初代中村吉右衛門、母:藤間正子、

兄:二代目松本白鴎、妻:波野知佐

屋号 播磨屋

定紋 揚羽蝶

趣味 スケッチ(画集を出版したり、個展を開く腕前)

襲名・芸歴

1948年「俎板長兵衛」の長松役ほかで中村萬之助を名のり初舞台

1966年「金閣寺」の此下東吉ほかで二代目中村吉右衛門を襲名

1989年~ 2016年 テレビドラマ「鬼平犯科帳」長谷川平蔵役

2006年 歌舞伎座にて「秀山祭」を始める

2011年 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定

2016年 文化功労者に認定

当たり役・・・数えきれないので5つだけ

『勧進帳』の弁慶

『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助

『一谷嫩軍記・熊谷陣屋』の熊谷直実

『菅原伝授手習鑑』の武部源蔵、松王丸

『天衣紛上野初花』(河内山)の河内山宗俊

著書

「半ズボンをはいた播磨屋」(淡交社/PHP文庫)

「吉右衛門のパレット」(新潮社)

「夢見鳥」(日本経済新聞社)

役者としての傍、松貫四(まつかんし)という筆名で

歌舞伎の台本も書いています。

現在は「こんぴら歌舞伎」として定着した、

四国の芝居小屋「金丸座」の復興にも尽力したんですよ。

歌舞伎座で9月に開催される「秀山祭」を企画など、

歌舞伎の芸の伝承にも力を注いでいます。

趣味のスケッチはプロ並みの腕前であり、

YouTube動画「歌舞伎ましょう」にその腕前を見ることができます。

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幼少の頃から、天才として注目されていたとのこと、

この後触れますが、若い頃は、なかなか複雑な家庭事情を抱えた

思春期を過ごしたとのことです。

歌舞伎でもドラマでも、この方が出演される作品は、

心に訴える力があるなあと思っています。

歌舞伎の当たり役もとても多いんですよね。

なぜかしら、最後は泣かされることもあり、

役を体現できる芸の力をしみじみと感じ入ります。



 

中村吉右衛門の家系図、実の父は松本白鸚(高麗屋)

中村吉右衛門の家系について紹介します。

ちょっと込み入っているので、こちらの図を参考に読んでいただけるといいと思います。

中村吉右衛門の改名前の本名は、藤間姓です。

これは、松本白鸚・幸四郎らの高麗屋のお名前、

実の父は初代松本白鸚で、実の兄が2代目松本白鸚なのです。

吉右衛門の生みの母である(藤間)正子さんは

初代中村吉右衛門の娘でした。

結婚前、初代吉右衛門は正子に婿をと考えていたそうです。

それまでは嫁に行くことを許さなかったらしいのですが、

正子さんはそれを拒み、当時の5代目市川染五郎と結婚します。

その際に、父の後継者として、

「息子を二人産んで、一人を父の養子にする」と

約束したのだそうです。

その約束どおり、2人の息子を産み、

一人は高麗屋の跡取り(二代目松本白鴎)として育て、

もう一人は、実父の養子(二代目中村吉右衛門)として

播磨屋の名を継がせたということなんです。

本人は、実の母が戸籍上では姉に当たることで、

複雑な思春期を過ごしたとのこと・・・。

芸の継承のためでしたが、納得しろと言っても

その時期にはわからない話だろうなあと思いました。

私が歌舞伎を身始めた頃の

歌舞伎7不思議の一つが、

この播磨屋と高麗屋の関係でした。

今では、その関係は理解できますが、

当のご本人には、なぜ、祖父の子にならねばならないのか、

というのは理解に苦しむことだったと思います。

ということで家系のおさらいです。

【播磨屋】

養父:初代中村吉右衛門

 

【高麗屋】

実祖父:7代目松本幸四郎、実父:初代松本白鸚、

実兄:二代目松本白鸚、甥:10代目松本幸四郎、

甥の息子:八代目市川染五郎・・・

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【音羽屋】

娘:波野(寺島)瓔子、娘婿:五代目尾上菊之助、孫:七代目尾上丑之助

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姪:松本紀保、松たか子(共に女優)

 

おー!!と唸りたくなるぐらい、すごい家系ですね~~。

歌舞伎界の名門を3つまたいじゃうのですからね。

 



中村吉右衛門の義理の息子は尾上菊之助、孫は尾上丑之助、襲名舞台はデレデレでした

中村吉右衛門と知佐さんの間には、

息子さんはいらっしゃいませんが

4人のお嬢さんがいらっしゃいます。

どうやら、皆さん芸能界とは縁がないようで、

お名前や画像は公開されていません。

ただ、4人目の末の娘さんが瓔子さんが、

2013年に歌舞伎界の名門音羽屋の御曹司である

尾上菊之助さんと結婚されています。

ですから、菊之助さんが義理の息子ということになります。

当時、この結婚は大きなニュースになりました。

尾上菊五郎さんが、

「フランス人の婿よりびっくりした!」と名言を残すほど、

この縁談は両家にとって寝耳に水のことだったようですね。

菊之助さんからすると、

結婚を考えたときに、以前から顔見知りで、

歌舞伎の世界をよく知る瓔子さんを妻にと望んだようなのです。

その後、お二人の間には、

吉右衛門さんにとって孫となる和史(かずふみ)くんが誕生します。

続いて2人の女の子にも恵まれて、幸せなご家庭を築いていらっしゃいます。

2019年5月の歌舞伎座「團菊祭」で、

孫の和史くんが、七代目尾上丑之助を襲名することになりました。

祖父として同じ舞台に並び、

口上を述べる姿や、丑之助君の演技ぶりに

目元も口元も緩みっぱなしの祖父の姿が強く印象に残っています。

私もこの舞台を拝見しましたが、

本当に嬉しそうで、心が温まりした。

2019年12月の新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は、

尾上菊之助さん悲願の舞台でした。

そこに吉右衛門さんも墓の主の声役で出演されています。

これも、孫が結んだ縁なのかなあなんて思ったものです。

菊之助さんも、稽古熱心で知られる役者なので、

吉右衛門さん指導のもと、

役の幅を広げていくことが期待されます。

それ以降も2人の共演舞台が増えています。

こうやって、歌舞伎の芸は続いていくんだなあと感じました。



中村吉右衛門の若い頃、兄松本白鸚との確執はあったのか?

さて、複雑な家庭に育った中村吉右衛門。

実の兄、松本白鸚さんとの確執はあったのでしょうか?

調べてみると、この2人の名前には

「確執」とか「ライバル」という言葉がついてくることが多いですね。

吉右衛門さんが悩み多き思春期時代を送ったことは確かなようです。

というのも、

養父である中村吉右衛門さんは、彼が10歳の時に亡くなってしまうからです。

拠り所をなくした吉右衛門さんは、

実父である8代目松本幸四郎さんの庇護の元、

役者としての修行をしていたそうです。

ちなみに、10代の頃は、

市川團子(2代目猿翁)さん、市川染五郎(2代目白鴎)さんとトリオで、

十代歌舞伎と呼ばれ人気を博していたそうです。

17歳からは、父・兄とともに松竹から東宝に移籍しています。

兄とは共演することも多かったようですが、

吉右衛門曰く、「兄は天才」ということ。

だから、そういう意味では、

兄と自分を比べて悩んだことも多かったんじゃないでしょうか。

とにかく、努力して芸を身につけていったそうですよ。

そんなお話をテレビ番組で話していたことをまとめました。

よかったらこちらも読んでみてください。

 

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私の感想になりますが、

お二人は芸風が違うので、比較して観るよりも、それぞれの個性を楽しませていただいています。

どちらも歌舞伎界を支える重鎮です。

「勧進帳」の弁慶や、「仮名手本忠臣蔵」の大星由良之助など、

当たり役も共通しているものもありますが、

それが、「歌舞伎」なので当然なのだと思っています。

役者が違うとまた違う視点で歌舞伎を楽しめるところが、

歌舞伎の魅力の一つだと信じているのですよ〜。

これから、見てみようかなって思う方は、

ぜひ、お二人それぞれの芸を楽しんで見ていただきたいなって思います。



中村吉右衛門は人間国宝、歌舞伎の芸の伝承にも熱意

例年歌舞伎座では、9月は「秀山祭」という名で

公演が行われていることをご存知の方も多いと思います。

この「秀山」とは、

初代中村吉右衛門さんの俳名なのだそうです。

2006年に、この初代中村吉右衛門さんの

舞台に対する姿勢、歌舞伎に対する思い、

役者の魂を受継ごうということから、

その生誕120年を機にスタートしたのだそうです。

演目では、初代吉右衛門さんのゆかりの芝居を上演することが多く、

二代目吉右衛門さんも、その当たり役を演じてきました。

回数を重ねるごとに、

古典歌舞伎を勉強していこうという覚悟が、若い人たちにできてきた、

と若手の成長を喜んでもいるそうです。

昨年観劇した感想がこちらにありますので、

よかったら後で読んでみてくださいね。

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2020年の9月は、新型コロナウイルスのため、

公演自体を縮小し、

第3部の演目に「秀山」の冠が見られます。

ここでは、尾上菊之助さんとの共演が見られるので、

これからチケットを買う方はチャンスですよ。

詳しくはこちらもお読みくださいね。

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中村吉右衛門、「鬼平犯科帳」抜擢は池波正太郎のオファーだった

「鬼平犯科帳」というテレビの時代劇番組で、

中村吉右衛門さんの顔と名前を知った方も

多いのではないでしょうか。

私も、この番組で吉右衛門様ステキ!ってなっていました。

2016年の12月に最終回を迎えるまで、

約28年間にわたり、150本のドラマで人気を集めたドラマです。

ドラマの原作は、あの池波正太郎さん。

1969年から1972年の「鬼平犯科帳」初代版では、

長谷川平蔵役は、実父である初代松本白鸚さんが演じていました。

そのうちの第2シリーズでは、

吉右衛門さんも辰三役として出演しています。

その後、吉右衛門さんは40歳の時に、

鬼平のオファーを池波さんご本人から受けたのだそうです。

その時は、お断りしたものの、

45歳の時に、再度オファーを受け、出演が決まったそうです。

舞台を抱える歌舞伎役者がテレビの連続ドラマに出演するとなると、

舞台がない時に撮影が入ることになります。

鬼平犯科帳は、2月と8月に撮影をしていたそうで、

真夏の暑さと真冬の寒さ、厳しい季節での撮影を乗り越えて、

28年間続けてこられたとのこと、

感動してしまいました。

鬼平というキャラクターについては、

「悪を倒すだけでなく、悪の中に善を見出し、弱い者を同じ人間と見て助ける。そんな鬼平みたいに生きられたらいいなと、憧れます」

と最終話収録の際に語った言葉が残っています。

歌舞伎の芝居でも、人の情の機微を深く表せる大役者ならではの言葉だなあと

これまた感動いたしました。

二代目中村吉右衛門さんは、懐の深い演技ができる、

今見るべき最高の歌舞伎役者の一人です。

テレビも映画もかっこいいけれど、

ぜひ歌舞伎のお役を見て、その魅力を知っていただきたいなあって思います。

今日も読んでくださり、ありがとう存じまする。

 

令和3年11月28日に、急性心不全でご逝去とのニュースが入りました。

突然の訃報で私も動揺しています。

今まで、たくさんの素敵な舞台を見せてくださりありがとうございました。

吉右衛門さんからいただいた感動の数々は

ずっと記憶に留めておきます。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

ご逝去についてはこちらにまとめております。

中村吉右衛門が死去、病気からの復帰叶わず、継承者は誰?
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