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ETV特集「ナウシカ誕生〜尾上菊之助が挑んだ新作歌舞伎〜」を見た!古典歌舞伎の力はすごい!

メディア出演
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1月25日(土)放映のETV特集では、

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」誕生について放映します。

2019年12月の公演は、大きな感動を観るものに与えました。

5年の歳月をかけて挑んだ尾上菊之助とそのプロジェクトについて

描かれるそうなので、楽しみです。



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ETV特集「ナウシカ誕生~尾上菊之助が挑んだ新作歌舞伎~」について

1月25日(土)放映のETV特集は、

「ナウシカ誕生~尾上菊之助が挑んだ新作歌舞伎~」です。

2019年、ひとつの新作歌舞伎に大きな注目が集まりました。

原作はあの宮崎駿が13年かけて描いた大作漫画「風の谷のナウシカ」全7巻。

独創的な登場キャラクターや壮大な舞台設定、

そして複雑に展開する物語をどう歌舞伎にするのでしょうか。

この前代未聞の試みに挑んだのは、5代目尾上菊之助です。

彼は伝統的な古典歌舞伎の手法を駆使し、

古典歌舞伎の文法で「ナウシカ」を描くことを目指したのです。

番組では、この歌舞伎界を震かんさせた一大プロジェクトの行方を追います。

出演は尾上菊之助、語りは加賀美幸子です。

1月25日(土)午後11時~午前0時 NHKEテレ局にて放映



歌舞伎役者尾上菊之助について

ここで尾上菊之助の情報をざっくりお伝えします。

五代目尾上菊之助のプロフィール

尾上菊之助:本名 寺嶋 和康(てらしま かずやす)

生年月日 1977年8月1日

学歴 青山学院大学文学部中退

血液型 B型

祖父:六代目尾上菊五郎、父:七代目尾上菊五郎、母:富司純子、姉:寺島しのぶ

屋号:音羽屋

定紋:重ね扇に抱き柏、替紋は四つ輪

襲名:

1984年 「絵本牛若丸」牛若丸役(歌舞伎座)六代目尾上丑之助襲名・初舞台

1996年 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助役ほか(歌舞伎座)五代目尾上菊之助襲名

当たり役 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助

「鏡獅子」の小姓弥生

「京鹿子娘二人道成寺」の白拍子花子

若い頃は、市川海老蔵(当時:新之助)、尾上松緑(当時:松之助)とともに、

平成の三之助と若い女性を中心に大フィーバーを巻き起こしました。

音羽屋の芸の通り、現在は女形中心ですが、

最近は、立役での出演も目立ってきました。

昨年放映されていたドラマ「グランメゾン東京」では、

木村拓哉演じる尾花夏樹のライバルシェフ、丹後学役として、

お茶の間でも注目を浴びていました。

詳しくはこちらをご覧くださいね。

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新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」について

2019年12月6日(金)~25日(水)にかけて

新橋演舞場で上演されていました。

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は、

宮崎駿監督のライフワークともいえる大作。

原作全7巻のストーリーを、

昼夜かけて歌舞伎舞台に仕上げたことが

大きなニュースになっていました。

歌舞伎ファンの中では、

毎日この舞台に関する情報が出ない日がなかったくらい。

ナウシカ演じる尾上菊之助の熱演に加え、

歌舞伎の様式を踏まえつつ、原作を忠実に再現した

キャラクター、舞台美術、音楽も

素晴らしい出来と賞賛の声も高かったです。

私も見にいきました!

その感想はこちらに書いていますので、よかったら読んでみてください。

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ETV特集「ナウシカ誕生~尾上菊之助が挑んだ新作歌舞伎~」を見た!

お正月明けの1月4日には、

テレビ朝日系列局でも尾上菊之助の挑戦が放映されていました。

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それだけ、新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」への

注目が大きかったのでしょうね。

ETV特集では、どういう切り口になるのか楽しみです。

 

番組冒頭は、

菊之助の思いとスタジオジブリの鈴木プロデューサーの一言

菊「時代が作品に追いついてきた。」

鈴「僕は無謀だと思いましたね。」

この無謀と思われる挑戦を、

番組は制作の裏側から描いて見せてくれました。

そこに貫かれていたのが、

「古典歌舞伎としての表現」です。

 

制作の中心となったのが、

ナウシカを演じる歌舞伎役者尾上菊之助。

音羽屋を背負う、看板役者でもあります。

菊之助が目指したのは、

壮大なナウシカのストーリーを、

古典歌舞伎の手法・文法で表現すること。

「この作品を、江戸時代の役者だったらどう考えるか」

そこに大きな挑戦がありました。

江戸時代に発した古典歌舞伎、

様々な作品を通して、人間の様々な思いや感情を

表現する方法を持っています。

「創意工夫の歴史が歌舞伎の歴史、

テーマが壮大であればあるほど、

歌舞伎は受け入れる力があると思う。」

歌舞伎の力をとことん信じている菊之助の言葉が重かったです。

この作品に取り入れられた歌舞伎の手法には、

「宙乗り」・・役者をワイヤーなどで吊り上げること

「ぶっ返り」・・衣装を瞬時に変えて役を一変させること

「本水」・・水を使った立ち回り

「引き抜き」・・衣装の早変わり

「あおり返し」・・舞台背景を一変させること

など、観客があっという驚きに満ちた手法がありました。

 

音楽の表現にも歌舞伎に受け継がれてきた

古典的な手法も生かします。

台本には、場面に合わせた音楽の表現が

びっしりと書き込まれていました。

おなじみのテーマ音楽も、

和楽器で編曲されています。

舞台では、あの音楽がとてもマッチしていて、

ナウシカの世界にす〜っと入っていけました。

登場人物も古典歌舞伎の人物に寄り添わせていったそうです。

衣装、髪型も、人物の個性が参考になります。

あのミラルパの元になったのは、平知盛の霊だそうです。

森の人は、「義経千本桜」の狐忠信の衣装がモデル。

ナウシカのモデルになったのは、「野崎村」のお光。

典型的な村娘です。

しかし、ナウシカの衣装に関して、

制作チームは暗礁に乗り上げ、

鈴木プロデューサーに助言を請うのです。

「ナウシカだけは一貫して原作通り」

観客がナウシカの世界に入りやすくなるためにも、

衣装は原作通りがいいというのです。

舞台では、出だしは原作通り、

途中から古典のしつらえと、

自然に変わっていきました。

 

舞台背景についても、意外なヒントをもらいます。

それは、宮崎駿監督は、

腐海にピンクを使いたかったということ。

その言葉から、あの衣装や舞台背景が

生まれていったのですね。

王蟲の表現にも古典歌舞伎が生きています。

歌舞伎には、動植物の精が登場するのですが、

王蟲にも子役を配し、王蟲の精として

表現しています。

このことにより、

言葉、表情を持たない王蟲の感情を

表現したのだそうです。

私が観た時に、とても印象に残った場面がありました。

それが、大海嘯によって、

王蟲の死と世界の破滅に面したナウシカの心情を表した

舞踊の場面です。

言葉はなくとも、

ナウシカの悲しみや、絶望が伝わってきました。

瞬きをするのも惜しいと思えた場面でした。

それを作ったのが、

振り付け担当の尾上菊之丞、と菊之助。

初めは、徹底的な悲しみの舞を作ったそうです。

しかし、脚本にするとセリフが長い、

悲しみの舞だけではナウシカの深い心情は表せない。

そこに、自分の理想を踊る、その手法を活かせないかと

菊之助は提案します。

その結果、ナウシカと王蟲の楽しかった思い出も

舞に取り入れ、あの場面が生まれたんだそうです。

その裏側を知ると、より感動が増しました。

この番組では、

古典歌舞伎の手法を生かした新作歌舞伎への挑戦が、

余すことなく描かれていました。

ギリギリまで、工夫を加え、

納得のいく作品に仕上げるための

役者、スタッフの努力と熱意が大きかったこともわかりました。

この番組から、

「風の谷のナウシカ」という歌舞伎に加え、

古典歌舞伎への興味や知識も増したように思います。

とてもいい番組でした。

「風の谷のナウシカ」は、2月14日から全国の映画館での

ディレイビューイングが始まります。

短い期間で、限られた上演ですが、

また映像でこの感動を新たにしたいと思います。

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ETV特集「ナウシカ誕生~尾上菊之助が挑んだ新作歌舞伎~」

1月25日(土)午後11時~午前0時 NHKEテレ局にて放映

再放送は、1月30日(木)午後11時~午前0時 NHKEテレ局

読んでくださり、ありがとう存じまする。



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