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片岡仁左衛門と千之助の連獅子の感想、毛振りも優雅で美しかった

観劇レポート
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歌舞伎役者の片岡仁左衛門さんが、片岡千之助さんと

11月の歌舞伎座顔見世大歌舞伎で「連獅子」を共演されています。

仁左衛門さんは、なんと77歳、最高齢の獅子だそうです。

激しい気振りをはじめ、体力的に厳しい舞を

仁左衛門さんと千之助さんはとても優雅で美しく魅せてくれました。

連獅子についての紹介と感想をお伝えします。



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片岡仁左衛門と片岡千之助の関係は?

片岡仁左衛門さんと千之助さんの関係は親子・・・

ではなくて、祖父と孫です。

仁左衛門さんの息子さんである孝太郎さんのお子さんが千之助さんです。

しかし、孝太郎さんと千之助さんのお母さまは離婚してしまい、

現在はお母さまと一緒に暮らしていらっしゃいます。

それでも、幼い頃から、千之助さんにとって仁左衛門さんはスーパーヒーロー!

大好きなウルトラマンのような憧れのヒーローだったということです。

そんな仁左衛門さんと千之助さんが、

今回連獅子で共演することになりました。

実は、共演は3回目だそうです。

初めては2011年、その次が2014年。

仁左衛門さんにとっても千之助さんは可愛いお孫さんです。

お二人とも共演できて嬉しかっただろうな~~って思うところですが、

実はそれだけではなかったそうなんです。

仁左衛門さん曰く、

「小さい子どもが良く頑張ったなと祖父として大変うれしく思いました。その3年後に歌舞伎座でやらせていただいたときは、成長を感じる部分ともう少し成長したほうがよいと思う部分があり、その歯がゆさが入り乱れて…。身内の甘さと、先輩後輩の厳しさの、難しいところです」

と教える立場としての難しさを語っていました。

師匠としては厳しいだろうなあ~~~と思います。

では千之助さんはどうかというと、

「10年前の稽古から、優しい祖父という存在から大先輩である役者という存在に変わりました。仔獅子として谷底に突き落とされたような感覚を味わい、そのなかでも追いつきたい、這い上がらなければいけないという感覚をもちました。それがまた、『連獅子』につながっていきました」

と、学ぶ立場からの難しさを語っていらっしゃいます。

そうだよね~~

連獅子は、親が子を千尋の谷に突き落とす、

という故事にちなんでの踊りですから・・・。

実際に、蹴飛ばされて、コロコロと谷を落ちていくくだりもあるのです。

仁左衛門さんは77歳という年齢で、

連獅子を演じる最高齢記録を達成するのだそうです。

このことに、私だけでなく、ほかのファンや関係者も心配の声を寄せているようです。

でも、仁左衛門さんにとっては、

この年齢で連獅子を舞うのが夢であったといいます。

それは、17代目故中村勘三郎さんが、76歳で舞われた連獅子をご覧になっていて、

その姿に憧れていたからなんだそうです。

ゆったりとした親獅子の貫禄とぴちぴちと若々しい子獅子の対比を

表現してみたかったということなんだそうですけど、

いや~~すごいチャレンジャーですね~。

今回、その舞台を観ることができ、

とっても感激したので、その感想を最後に書いています。

まさに、そのチャレンジングな連獅子という感じでした。

では、仁左衛門さんと千之助さんについて、

簡単なプロフィールもここで紹介しておきますね。



十五代目片岡仁左衛門のプロフィール

十五代目片岡仁左衛門:本名 片岡 孝夫(かたおか たかお)

生年月日 1944年3月14日(魚座)

家系 父:十三代目片岡仁左衛門、兄:五代目片岡我當、甥:片岡進之介、

兄:二代目片岡秀太郎、甥(養子):片岡愛之助、息子:片岡孝太郎、孫:片岡千之助

屋号 松嶋屋

定紋 七つ割丸に二引

芸歴 1949年「夏祭浪花鑑」市松役で片岡孝夫として初舞台(中座)

1998年 「菅原伝授手習鑑」松王丸役、「夕霧伊左衛門廓文章」藤屋伊左衛門役他で十五代目片岡仁左衛門襲名(歌舞伎座)

2015年 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定

当たり役 「女殺油地獄」与兵衛

「廓文章 吉田屋」藤屋伊左衛門

「花街模様薊色縫(十六夜清心)」鬼薊の清吉(清心)

「菅原伝授手習鑑」 菅丞相

仁左衛門さんは、襲名前に、大病に襲われた経験があります。

そのことや詳しいプロフィールについては、こちらもお読みください。

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片岡千之助プロフィール

片岡千之助 本名:片岡 正博(かたおか まさひろ)

生年月日 2000年3月1日

星座:魚座

血液型:O型

家系:祖父:十五代目片岡仁左衛門、父:片岡孝太郎、叔母:片岡サチ(女優)、片岡京子(女優)

屋号:松嶋屋

定紋:追っかけ五枚銀杏

初お目見え:2003年「男女道成寺」所化役(大阪松竹座)

初舞台: 2004年「『松栄祝嶋台』(通称『お祭り』)若鳶千吉役 片岡千之助を名乗る(歌舞伎座)

まだ現役の大学生です。彼女はいるの~なんて話はこちらに書いていますので、よかったらお読みくださいね。

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片岡仁左衛門と千之助の連獅子、あらすじと配役

連獅子のあらすじ

能舞台を模した松羽目の舞台に

白の手獅子を持った狂言師の右近、

赤の手獅子を持った左近が登場します。

二人は、文殊菩薩の霊山清涼山にかかる石橋を舞で描写します。

舞は獅子の子落とし伝説へ、

獅子はわが子を谷底に落とし、

這い上がってきた強い子だけを育てるという伝説を

舞で再現するのです。

父獅子を演じる右近、左近が子獅子、

父が子をおそろしく深い谷に子を蹴り落とし、

さらに、登ってくるのを何度も突き落とします。

しかし、心中ではその子を思う父、

川面に映ったお互いの影で、

親と子がそれぞれの存在に気付きます。

父の姿を見るや子は勇み立ち、高い岩をものともせず

一気に駆け上がっていくと、

それを迎える父との再会となります。

花道から獅子の親子が引っ込むと、

間狂言に移ります。

法華宗と浄土宗の僧が道連れになり、

清涼山を登る中、話がお互いの宗旨争いに発展します。

法華宗の僧が団扇太鼓を叩いてお題目「南無妙法蓮華経」を、

浄土宗の僧が叩き鉦(かね)を打って念仏「南無阿弥陀仏」を

繰り返し唱えるうちに、題目と念仏を取り違え、

折から吹きつける暴風に二人は慌てて逃げていきます。

勇壮な姿の親子の獅子の精が登場します。

親子は牡丹の花の匂いをかぎ、

狂いと呼ばれる激しい動きを見せるのです。

牡丹の枝を手に、戯れる獅子の様などを描き、

親子の息の合った様々な毛振りを見せます。

長い毛を豪快に振り、獅子の座についたところで幕がおります。

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11月顔見世大歌舞伎での連獅子の配役

狂言師右近後に親獅子の精 片岡 仁左衛門

狂言師左近後に仔獅子の精 片岡 千之助

浄土僧専念  市川 門之助

法華僧日門  中村 又五郎

この、僧の2人もよかったんですよ~

感想に書きますね。



片岡仁左衛門と千之助の連獅子感想、毛振りも優雅で美しい獅子に感動

片岡仁左衛門さんと千之助さんの連獅子の感想です。

間狂言も素晴らしかったです。

それも合わせて順に3点ほど紹介します。

狂言師右近と左近の表情ある演技が素晴らしい

私が一番、ドキュ~んと胸を撃ち抜かれたのが、

右近つまり親(仁左衛門)が、左近つまり子ども(千之助)と花道を引っ込む時の表情です。

なんとも言えない慈愛に満ちた神々しい表情だったんですよ~。

左近も誇らしげに、嬉しそうに前を向き、

意気揚々と引き揚げる、そんな姿も

右近の愛情に包まれているからと思えたのでした。

ファンなので、いいとこばかり目についちゃうのは確かですが、

引っ込みは心にしみる温かさがあったと私は断言しちゃいます。

見初めは、普段見慣れている激しい舞ではなく、

ゆったりと大きな動き、

左近も子獅子のキャピキャピしたところがなくて、

あれ?と違和感があったのも白状します。

でも、懐の大きな親獅子といった風情で、

厳しく猛々しい親獅子とは違った表現もいいものだなと

その動きを見て思いました。

左近のあどけなさ、というよりも

親に認めてもらいたい一心の所作に見え、そこがかえって子どもらしいと感じました。

本当ににざ様に憧れてるんだなあってことも

伝わってくる表情でした。

僧専念と僧日門のくど過ぎず闊達な笑いが楽しい

間狂言は、中村又五郎さん、市川門之助さんコンビ。

ベテランが演じると、こんなにも自然におかしみが出るのか、、と

新鮮でちょっと感動もする狂言でした。

アドリブもあったのかな?

念仏合戦やお互いへのちょっかいなど、

お、そう来るか~と思える所作もありました。

オーバーにしなくても、

2人の個性の違いが笑いを誘うといえばいいのかな。

特に門之助さん、めっちゃ当たりです。

存在からして、つい、プッと吹き出したくなるひょうきんさがにじみ出ていました。

いつも、この時間は休憩がてらに軽い気持ちで見ているのですが、

気づくと前のめりで笑ってました。

前後が厳かな空気だから、ほんわかピリリとした空気が

対照的で、それも良いバランスだったと思います。

親獅子の優雅さ、子獅子の勢い、対比が見事

後半、いよいよ獅子が登場します。

言い忘れてましたが、

この舞台、おそらく劇場の観客の注目も大きかったと思います。

拍手の厚みが違いました。

獅子の姿が現れるまでの静寂な雰囲気と

現れた時のぱあっと光が射した雰囲気と、

これだけで、また舞台に引き込まれました。

親獅子は悠々と舞台に向かうのですが、

子獅子は途中から後ろに下がって再び揚幕から登場します。

この時の背走(?)も静かでこの世のものではない感がありました。

獅子の姿になると、期待するのが毛振りですね。

本音では、

「にざ様、そんなに振り回さないでくださ・・・・」と

祈るような気持ちがありました。

始まりはゆったりと、大きく、

たてがみの重みが伝わるような重々しい振りでした。

流石に、身体の軸がしっかりしていらっしゃるので

安定感は絶大です。

その上、毛の流れも滑らかで綺麗で、

こんな気振り見たことがない、という美しい振りでした。

対する子獅子は元気よく、

スピードをどんどん上げていくところに

若々しさを感じました。

子獅子は、常に精一杯、

そういうところがいいよなあって思います。

ここまでは、静かな所作でしたが、

ここにきて、エネルギー爆発!って感じも好ましかったです。

最後、お顔を上げた時は、

ほっと胸をなでおろす、、という・・・

そういう方はたくさんいたと思いますが、

凛々しい二人のお顔に目が釘付けになり、

周りを見る余裕もありませんでした。

幕が下がっても拍手鳴りやまず、、、

感動で胸がいっぱい、

本当に素晴らしい連獅子でした。

どうか千穐楽まで、お元気でと心からお祈りして帰ってきました。

片岡仁左衛門さん、千之助さんの連獅子、

心に残るとても素晴らしい舞台でした。

読んでくださり、ありがとう存じまする。

11月歌舞伎座公演の情報はこちらにも書いていますのでお読みくださいね。

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