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5月歌舞伎座、尾上菊五郎・尾上菊之助襲名披露公演の観劇感想!まさに團菊祭の伝統!

観劇レポート
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5月2日(金)、八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助の襲名披露公演となる

團菊祭5月大歌舞伎が初日の幕を開けました。

私は、昼の部・夜の部を観劇予定です。

その感想をこちらに書いていきます。

演目と出演者が夢のように豪華なので、本当にワクワクします。

ネタバレになっちゃいますが、

まだ観ていない方、観ようか迷っている方の

参考になったらいいなあって思います。

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令和7年5團菊祭5月歌舞伎公演昼の部の感想

昼の部は、5月2日、初日に観劇してきました。

やっぱり、初日ってね、すごくおめでたいムードに満ち溢れてて

誰もが幸せそうな顔をしているんですよ。

そんな空間に身を置けるって歌舞伎オタクならではの贅沢。

私は、坂東玉三郎さんの大ファンでもあり、

一番のお目当ては「京鹿子娘道成寺」です。

もちろん、八代目尾上菊五郎さんが冨樫を演じる「勧進帳」も

めっちゃ気になっていました。

襲名披露公演のスタートに相応しい、珠玉の演目揃いの昼の部、

とても満喫しました。

それでは、それぞれの演目ごとの感想を書いていきます。

寿式三番叟感想:神々の祝いと5レンジャーの舞!

幕開けは、「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)、

厳かな始まりからの5人の三番叟の軽快な舞という

暖急を楽しめる一幕。

勝手に連想したのが、

天照大神に祈るマニ僧正(ケチャが付き添い)と

その後晴れた青空の下で5レンジャーが舞い踊るってもの。

こんな大事な儀式なのに不埒な幻想してごめんなさい、ってところです。

はじまりは本当に厳かな儀式といったところ。

こういう場、息さえ潜めたくなる神聖な場での儀式って

日常生活ではなかなか味わえないから

とても新鮮に感じながら見守りました。

いや、見守らせていただきました、という感覚です。

満席の歌舞伎座が隅から隅まで清めた

と感じられる神がかり的な又五郎さん、すごいなあって思いました。

後半は、尾上松也さん率いる5レンジャー、じゃない三番叟。

中村歌昇さん、中村種之助さん、中村萬太郎さん、尾上右近さん、

何もおどりに定評のある方々。

見た目もイケメンだし、かっこいーと心の中でキャーキャー言いながら見てました。

初日のせいか、5人の調子がズレるところや、

あれ、あそこ違うんでは?ってこともあったのですが、

まあそれはそれもお楽しみとして、

次回観るときの答え合わせに取っておきます。

四月の鏡獅子を見事に踊り切った右近さんは、

ますます踊りのキレがよく、気持ち良い舞を見せてくれたのも

役者が舞台を通じて成長する様を見るようで感慨深かったです。

理屈なく、楽しめる一幕だと思うので、一幕見席で

観るのにいい演目かも!

勧進帳の感想:定番のお楽しみ!

勧進帳は、私も大好きな演目の1つです。

イチオシ弁慶は、吉右衛門さんだったんですけどね。

今の團十郎さんの弁慶も

堂々としていてちゃめっ気もあって

さすがお家芸と言いたくなる弁慶です。

「勧進帳」は、実は成田屋、市川團十郎さんのお家の芸なんです。

だから、これを上演するときは成田屋への申請が必要、

今回、この襲名披露で「勧進帳」を團十郎さんの弁慶で演りたい、

とおっしゃったのが八代目菊五郎さんだったそうです。

ご自身としては、音羽屋の芸でもある冨樫を演じる上で、

新しい團菊を印象付けたいという思いもあったようです。

前説が長くなりましたが、そういうところから

團十郎弁慶と八代目菊五郎冨樫の勧進帳とあいなったようです。

もう一人重要人物が義経、これを中村梅玉という人間国宝が務めるのも

このお芝居の見どころの一つです。

義経の格が高ければ高いほど、

弁慶が命懸けで守ろうとする行為は尊くなるし、

それを知って見逃す冨樫の懐の大きさもより豊かに描けます。

そういう点からも梅玉さんの義経はめっちゃ良かったです。

佇まいだけでそこらの強力じゃないよねって

編笠から漏れ出るオーラが尊すぎるよねって思いました。

私が一番好きな場面は、

弁慶と冨樫が勧進帳や問答を通じての一騎打ちです。

弁慶は、騙しているという気持ちはなく、

ただ主人を守るためだけにこの役を本気でやり通そうとしている、

そこに邪心や我欲がないだけに真剣さこの上ない姿を見せてくれます。

対する冨樫も、自身の責務に忠実なので、

誠か偽りかを見定めようと全集中で挑んでいきます。

時により、攻めと守りが交互に変わるところも絶妙なバランスで

この二人だからこそのやり取りだったのではないかと思いました。

なんといっても平成の三之助と言われ、若い頃から切磋琢磨した同士でもありますからね。

私がその時代に見た勧進帳は、

新之助弁慶、辰之助冨樫、菊之助義経だったと思うけど。

お供の4天王も冨樫の番卒も

この三人の攻防をリアルに見せる好演だったと思います。

大事なことなので繰り返しますが、

この演目を襲名披露に選んだことで、

新しい團菊がこれからの歌舞伎も引っ張っていくぞっていう

八代目菊五郎の本気の決意を見せてくれたと思っています。

三人吉三巴白浪の感想:衝撃的な三人の出会い!

「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」は、

有名な大川端のみの上演。

この一幕の見どころは2つ、

1つはお嬢吉三が夜鷹のおとせから金を奪って、

つらつら述べるセリフの場面。

時蔵さんのお嬢吉三も何回目か演じていることもあり、

また、時蔵さんのニンにあったお役と思うこともあり、

危なげなく聞き入ることができました。

もう1つは、三人の吉三が出会って兄弟の契りを交わす場面。

ここは、悪だけどピュアな1面を見せる三人が素敵なのです。

お坊吉三の坂東彦三郎さんは、そのイケボが元はいいとこのお坊ちゃんが崩れちゃったのよ

的な様子を感じさせてくれました。

和尚吉三は、安定の中村錦之助さん、

若々しい足取りや台詞回しで、

ちょっと貫禄がある兄貴分を見せてくれました。

ここから彼らの残酷な運命が展開するんだけど

そこもちょっと見てみたくなる幕開けとも言える一幕でした。

京鹿子娘道成寺の感想:ゴージャスで完璧な芸の伝承リレー!

「京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)」は、

坂東玉三郎イチオシの私にとっては一番期待した演目。

なんたって、三人花子ですからね。

この演目を何度も演じている玉三郎さんと8代目菊五郎さんに、

初演の6代目菊之助さんがどこまでついていけるのか、

は気になるところでした。

襲名披露だけあって、所化のメンバーも豪華でした。

すっぽんから登場した二人の花子(8菊五郎と6菊之助)は、

綺麗なだけではなく、尋常ならない鐘への執念を見せ、

最初から強い印象を焼き付けました。

お芝居の中では、三人の花子が入れ替わり立ち替わり現れ、

それぞれの見せ場を舞っていく構成でした。

正直、格上以上の差がある坂東玉三郎さんと

菊之助さんが一緒に舞えるのかという不安もあったのですが、

これがどうして、見事にその不安は消し飛ばされ、

期待以上の三人花子を観ることができました。

初日とは思えない完璧ぶりで、

私もずっと引き込まれた舞台でした。

玉三郎さん、菊五郎さんの素晴らしさは言うに及ばずですが、

菊之助さんが一人で踊った場面も

全く危なげなく曲に乗って丁寧な所作で表現する姿に

拍手喝采、ついでに感動の涙まで出ちゃいましたよ。

それを観ていて思ったのは、8代目尾上菊五郎さんの親心(&師匠心)です。

これは、六代目尾上菊之助の当たり役を作ろうとしているのだなって感じました。

八代目尾上菊五郎さんも、もちろん祖父の梅幸さんやお父様の七代目尾上菊五郎さんから

この花子を習っていますが

それに加えて、坂東玉三郎さんからの教えも受けているのです。

つまり、この花子というお役を通じて

八代目尾上菊五郎さんの師である坂東玉三郎さんから

六代目尾上菊之助さんへと芸を継承させる場を作ったのではないかと思ったんです。

それをこれだけ見事に踊り切っているのですから、

六代目尾上菊之助の「京鹿子娘道成寺」はこれからの当たり役へと

なっていくのだろうなあと確信しました。

8菊五郎さん孔明のビックリの策士ですわ。

おそらく、この演目は、日を追うに従ってますますブラッシュアップされると思います。

そのくらい期待値の高い一幕だったと感じました。

令和7年5團菊祭5月歌舞伎公演夜の部の感想

5月公演の夜の部は、

口上あり、弁天小僧ありの期待たっぷりの演目となっています。

こちらも観劇したら、感想を書いていくので

それまでお待ちくださいね。

五月大歌舞伎の演目やキャスト、上演スケジュールなどの詳細は

こちらにまとめているので参考になさってくださいね。

5月歌舞伎座公演2025は尾上菊五郎襲名披露!スケジュール、演目・配役、まとめ
5月歌舞伎座公演は、毎年恒例の團菊祭。ですが、令和7年(2025年)は、八代目尾上菊五郎・六代目尾上菊之助の襲名披露公演でもあります。豪華な配役で人気の演目を堪能できるだけでなく、襲名という華やかな現場も目撃できますよ。ぜひ、5月は歌舞伎座...

お読みくださり、ありがとう存じまする。

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