「SWITCHインタビュー」(12月14日放映)に、
歌舞伎役者尾上菊之助(おのえきくのすけ)が登場します。
「風の谷のナウシカ」稽古場にも訪問するとか、
芸について、リーダー論について、
熱い語りが聞かれそうです。
「SWITCHインタビュー~達人たち」に尾上菊之助が登場!小籔千豊と語りあう!!
冒頭にも書きましたが、
尾上菊之助が、
NHIEテレのインタビュー番組「SWITCHインタビュー~達人たち」に
出演します。
吉本新喜劇の座長でもある、
小籔千豊と語り合う、と番組宣伝には書かれています。
なんでも、菊之助は、大阪・なんばグランド花月で、
吉本新喜劇の公演を鑑賞。
一方、歌舞伎を見るのは初めてという、
小籔千豊は、「風の谷のナウシカ」の稽古現場を
訪問するのだそうです。
お互い、公演の座頭を務め、
それぞれの芸についての信念を持つ二人です。
話は、リーダー論や芸の継承にまで及ぶとのこと。
これは見逃せません。
個人的には、ナウシカの稽古風景というものを
観てみたい!!!視聴必須です。
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「SWITCHインタビュー ~達人達(たち)」
令和元年12月14日(土)22:00~22:59
出演:尾上菊之助、小籔千豊
語り:六角精児、平岩紙
NHKEテレ局で放映予定
いよいよ明後日〜〜
[telemap]SWITCHインタビュー 達人達 1214_ https://t.co/gyMo7UaEog— kabukist (@kabukist1) December 11, 2019
「SWITCHインタビュー ~達人達(たち)」とはどういう番組?
毎週土曜日の22時からNHKEテレ局で放映されている、
「SWITCHインタビュー ~達人達(たち)」。
達人同士が、互いの仕事観について、
インタビューし合い、それぞれの魅力を引き出す番組です。
番組HPの説明を抜粋します。
異なる分野で活躍する2人の“達人”が出会い、語り合う。ただし、単なる対談番組ではありません。
番組の前半と後半でゲストとインタビュアーを「スイッチ」しながら、それぞれの「仕事の極意」について語り合い、発見し合う、いわばクロス×インタビューです。
歌舞伎役者:尾上菊之助について
5代目尾上菊之助、
名門音羽屋の血を受け継ぐ、花形歌舞伎役者です。
現在は、新橋演舞場で上演されている
「風の谷のナウシカ」で主演のナウシカ役を務めています。
またTBS系のドラマ「グランメゾン東京」では、
木村拓哉演じる尾花夏樹のライバルである
シェフ丹後学を演じています。
尾上菊之助のプロフィールを紹介します。
五代目尾上菊之助のプロフィール
尾上菊之助:本名 寺嶋 和康(てらしま かずやす)
生年月日 1977年8月1日
学歴 青山学院大学文学部中退
血液型 B型
祖父:六代目尾上菊五郎、父:七代目尾上菊五郎、母:富司純子、姉:寺島しのぶ
屋号:音羽屋
定紋:重ね扇に抱き柏、替紋は四つ輪
襲名:
1984年 「絵本牛若丸」牛若丸役(歌舞伎座)六代目尾上丑之助襲名・初舞台
1996年 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助役ほか(歌舞伎座)五代目尾上菊之助襲名
当たり役 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助
「鏡獅子」の小姓弥生
「京鹿子娘二人道成寺」の白拍子花子
若い頃は、市川海老蔵(当時:新之助)、尾上松緑(当時:松之助)とともに、
平成の三之助と若い女性を中心に大フィーバーを巻き起こしました。
音羽屋の芸の通り、現在は女形中心ですが、
最近は、立役での出演も目立ってきました。
2018年の大河ドラマ、「せごどん」では、
月照役として、お茶の間でも注目を浴びていました。
*詳しくはこちらに書いていますので、良かったらお読みくださいね。
https://kabukist.com/post-441-441
尾上菊之助の豆情報
尾上菊之助の父は、当代の尾上菊五郎で、
人間国宝でもある大役者です。
母は、女優の富司純子さん、
姉も女優の寺島しのぶさんという
芸能一家で生まれ育ちました。
その菊之助の妻となったのが、
2代目中村吉右衛門の4女瓔子さん。
義理の父、吉右衛門も、人間国宝であり、
歌舞伎界の大御所です。
つまり、
人間国宝の父を二人持つ、
このプレッシャーたるや凄いだろうと思います。
長男の和史くんは、
今年の5月に5歳で尾上丑之助を襲名し、
歌舞伎役者としての道を歩き出したところです。
その襲名舞台については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。
*現在上演中の「風の谷のナウシカ」が話題です。こちらにも書いていますのでよかったらお読みくださいね。
お笑い芸人:小籔千豊について
2006年から、吉本新喜劇の座長を務めている、
お笑い芸人小籔千豊(こやぶ かずとよ)について
簡単に紹介します。
小籔千豊のプロフィール
小籔 千豊:本名 小籔 千豊(こやぶ かずとよ)
生年月日 1973年9月11日
出身地 大阪府大阪市住吉区(現・住之江区)
血液型 B型
身長 188 cm
最終学歴 近畿大学付属高校
出身 吉本総合芸能学院(NSC)第12期
尾上菊之助、「SWITCHインタビュー ~達人達(たち)」でどんなことを語るのかな?
さて、先日(8日)の怪我による公演中止。
その後の公演が危ぶまれましたが、
ギブスで出演、その舞台を観た人からは、
感動の声も上がっている尾上菊之助です。
どんな、話が語られるのか、とても楽しみですね。
atなんばグランド花月
菊之助、実は新喜劇が大好きなんだそうです。
初めの対談は、
なんばグランド花月にて。
小藪が女性に扮して出演した劇を観た後に始まりました。
「台本通りに進んでいるのか?」
小藪が出演する週は、ほぼ台本通りなんだそうです。
小藪が書く台本は、
新喜劇の型は使わず、彼独自の新たな型。
新喜劇に興味がない人も、
劇場に呼びたいという思いもあるのですって。
その型の作り方に小藪の創作観を伺うことができました。
「面白い話をするときのトレーニング法は?」
「絶対に笑かすぞ!」とその時に思うのではなく、
「普段から絶対に笑かすぞ!」と思ってする。
「新喜劇に入った理由は?」
漫才コンビとして売り出していた小藪が、
新喜劇に入った理由、
それは、安定した生活が欲しかったから。
ちょうどコンビ解消と結婚が重なり、
新喜劇に入ったそうですが、
初めは、なかなか役がつかず大変な思いもしたそうです。
それが、ある演技をきっかけに、
先輩から認められ、出演が増え、座長にまでなっちゃった!
「座長になって、どうやって一座をまとめてきたのか?」
最初は、舐められた!?
やはり、これも初めはうまくいかない。
小藪が担当するときは、劇中にミスが多く、
それが一目瞭然だったらしいです。
まずは信頼関係を作ること、として心がけたのが、
先輩にボケを渡すときは、200%自信がある時だけにすること。
一個一個、先輩たちの信頼を勝ち取り、
認められていったそうです。
「芸の継承について」
後輩に対しては、全員可愛いから、
全員を可愛がらないという小藪。
可愛がり方はSABCDというランクごとに
違うんですって。
Sには小言を言う、Aには演技が変なことがあったらちょっと言う、
Bにはあまり言わない。
全員野球ではなく、精鋭チームで優勝を取りに行く、
そのほうが、多くの人たちを劇場に呼び、
みんなが食べて行くことができるから。
「多様な活動をしている小藪」
今、自身が様々な活動をしているのは、
全て新喜劇を広めるため。
自分が新喜劇で大きくなったから、
その恩返しをしている思いもあるそうです。
at歌舞伎座
今度は小藪が歌舞伎座へ。
はじめに歌舞伎座ギャラリーで歌舞伎についての
プチレクチャー。
女形の所作について、指の使い方について
なるほどなあと納得した様子。
「稽古を辞めたかった時はあったのか?」
子どもと大人の中間の時期、
稽古をしてもなかなか舞台に出ることがなかった時。
その時は、モチベーションが上がらなかったそうです。
また、強いプレッシャーをかけられた時も・・・。
祖父梅幸、父菊五郎に、菊之助襲名を持ちかけられた時、
すぐにそれを受けることができず、
翌年梅幸が亡くなってから、襲名披露をしたそうです。
「何かが足りない・・・がモチベーション」
襲名したのは18歳の時、
そのときの演目が「弁天小僧菊之助」と「鏡獅子」。
自分の中では、まだまだの思いが強かったのですって。
1年伸ばしてもダメなら、
祖父が生きているときにやっておけばよかった、
という思いがいつもよぎるそう。
だからかも??
菊之助のモチベーションは、「何かが足りない」なんだそうです。
「歌舞伎の凄いところはどんなところ?」
400年前に生まれた芸能である歌舞伎、
当時、歌舞伎は多分無駄なものだったのでは?
と菊之助。
その無駄なものが、当時の民衆の中にすっと受け入れられた。
それが代々継承されてきて、
今は、建築、衣装、道具など
様々な様式美が組み合わさったエンターテイメントではないか、
と菊之助。
at「風の谷のナウシカ」稽古場
めっちゃわらけた・・・
小藪は、最初は有名なシーンで、
おもろい口調、「歌舞伎やん!」て思ったそうです。
でも、それが次第に融合されて、
歌舞伎だけどナウシカ、ナウシカだけど歌舞伎、
老舗の塩キャラメルという例え。
そんな思いで見たそうです。
「歌舞伎にもアニメっぽい部分があったのか?」
歌舞伎には植物の精が出てくる演目があり、
ナウシカでは、王蟲との交流を虫の精を登場させることで、
観客にイメージしやすくした。
小藪からは、見得の使い方も含め、
お客様を喜ばせるために、
様々な工夫がされているのだろうという感想。
昔から、お客様を喜ばせるという気持ちが、
歌舞伎の表現を作ってきたのではないかと
感じたようです。
「新作を行う恐怖感とは?」
今の古典演目でも、作られた時は新作。
新しいことを作ると言う思いではなく、
古典の蓄積を使って後世に残る古典を作ろう、
と言うモチベーションで作っているとのこと。
「息を大事にしている」
稽古場では、その場で段取りやらセリフやらが、
変わることもあるそうです。
その場で、話し合い進んでいく様子から、
同じ歴史を生きてきた同士が持つ「息」のせいではないかと。
あ・うんの呼吸、というやつですね。
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小藪は亡くなった母から、
「歌舞伎を見ろ」と言われていたそうです。
それがこのタイミングでかない感無量な様子でした。
互いに、このインタビューを通して、
自身の芸の探求を深めるための
ヒントを得られたようでした。
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私は、新喜劇を見たことがないのですが、
新鮮な印象をうけました。
お互いの質問は、それぞれ当たり前のように行なっていること、
呼吸をするのと同じように自然なことを、
分析して言語化するきっかけになったように見えました。
だからこそ、普段は話さないようなことも、
この番組では話せたんじゃないかなって。
益々、歌舞伎が観たくなった。
いつか、歌舞伎が大阪で公演するとき、
新喜劇も観に行ってみようかな〜〜
来年の楽しみが増えました。
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「SWITCHインタビュー ~達人達(たち)」
令和元年12月14日(土)22:00~22:59
出演:尾上菊之助、小籔千豊
語り:六角精児、平岩紙
NHKEテレ局で放映。
再放送は12月20日(金曜)深夜12時から。
*12月8日の怪我による休演に関してはこちらにも書いています。よかったらお読みくださいね。
読んでくださり、ありがとう存じまする。
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