日本博オープニングセレモニー、3月14日に予定されていた、
テレビで生中継の予定(本当なら観客の前でのライブ)が、
直前に中止になりました。
が、そこで発表されるはずだった芸能の一部が、
テレビ放映されることがわかりました。
日本博特別公演 日本の音と声と舞〜能・文楽・歌舞伎の魅力〜
「日本博特別番組 能・文楽・歌舞伎の魅力 」
本来だったら、大々的に催されるはずだったイベント。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から自粛、
となってしまったのですが、
いくつかの芸能は収録したということだったので、
その放送を心待ちにしていました。
3月29日(日)12時30分~13時 に放映予定でしたが、
それも延期となり、いつ見られるのか心待ちにしていたところ、
6月20日(土)12時〜13時30分に、
やっと、やっと放映されることになりました。
日本博特別公演「日本の音と声と舞」6月20日(土)12:00~13:24 放送の内容
〈番組概要〉
3月14日に東京・上野の東京国立博物館で収録された
「日本博特別公演」の模様を、観世清和さん、尾上菊之助さん、桐竹勘十郎さんをはじめとする
出演者による解説を交えて放送します。
アイヌ古式舞踊と
2.5次元ミュージカル ミュージカル『刀剣乱舞』に続き、
歌舞伎、文楽、能、雅楽、琉球芸能、合唱など多くの舞台芸術が
プロジェクションマッピングとともに特設舞台で繰り広げられます。
【特別記念公園 月雪花(つきゆきはな)にあそぶ ―日本の音と声と舞―】
司会:谷原章介 青山祐子
〈出演〉
挨拶:黒柳徹子
アイヌ古式舞踊 鶴の踊り アイヌ民族文化財団
ミュージカル『刀剣乱舞』刀剣男士(髭切/膝丸)
笙 盤渉調調子(ばんしきちょうちょうし) 宮田まゆみ
日本舞踊 鷺娘(さぎむすめ) 尾上 紫
胡弓 雪(ゆき) 川瀬露秋
声明 散華(さんげ) 天台聲明 七聲會
能 羽衣(はごろも) 観世清和
尺八 寒月(かんげつ) ジョン・海山・ネプチューン
文楽 団子売(だんごうり) 豊竹呂太夫 鶴澤清介 桐竹勘十郎
篠笛 月(つき) 福原徹彦
琉球古典音楽 伊集早作田節(いじゅはいちくてんぶし) 新垣俊道
合唱 越天楽~花(えてんらく~はな) 三澤洋史 新国立劇場合唱団
歌舞伎 石橋(しゃっきょう) 尾上菊之助
刀剣男子の2.5次元ミュージカルも楽しみですね!
詳しくはこちらもご覧ください
このイベント、ずっとずっと待っていました。
楽しみです!
早く、尾上菊之助の石橋が観たいです!!
視聴したら、また追記しますから待っててね〜
出演者のプロフィール
能楽師 観世清和のプロフィール
観世 清和 かんぜ きよかず
生年月日 1959年5月21日
家族 父:観世元正、息子:観世三郎太
出身地 東京都
1964年「鞍馬天狗」花見で初舞台
1990年9月家元継承。
シテ方観世流能楽師。二十六世観世宗家で当代
*新天皇即位に際しての首相晩餐会で、あの市川海老蔵、野村萬斎と三番叟を披露したんですよ!
https://kabukist.com/bansankai-1763
人形遣い 桐竹勘十郎のプロフィール
3代目桐竹勘十郎のプロフィール
桐竹勘十郎:本名 宮永豊実
生年月日 1953年3月1日
出身地 大阪市
家系 父:2代目桐竹勘十郎、姉:三林京子(女優)
芸歴
1968年 3代目吉田簑助に師事。吉田簑太郎を名乗り、4月に大阪毎日ホールで初舞台。
師匠から女形の芸、父から男役の芸を学ぶ
2003年 父の名を継いで3代目勘十郎を襲名
2013年 京都文教大学客員教授
とても詳しいサイトを見つけちゃいました!
https://bunrakukimono.com/kiritake_kanjuro-001-101
歌舞伎役者 尾上菊之助のプロフィール
五代目尾上菊之助のプロフィール
尾上菊之助:本名 寺嶋 和康(てらしま かずやす)
生年月日 1977年8月1日
学歴 青山学院大学文学部中退
血液型 B型
祖父:六代目尾上菊五郎、父:七代目尾上菊五郎、母:富司純子、姉:寺島しのぶ
屋号:音羽屋
定紋:重ね扇に抱き柏、替紋は四つ輪
襲名:
1984年 「絵本牛若丸」牛若丸役(歌舞伎座)六代目尾上丑之助襲名・初舞台
1996年 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助役ほか(歌舞伎座)五代目尾上菊之助襲名
当たり役 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助
「鏡獅子」の小姓弥生
「京鹿子娘二人道成寺」の白拍子花子
テレビドラマ出演
2017年 「下町ロケット2」TBS 伊丹大役
2018年 大河ドラマ「せごどん」NHK 月照役
2019年 「グランメゾン東京」TBS 丹後学役 など
若い頃は、市川海老蔵(当時:新之助)、尾上松緑(当時:松之助)とともに、
平成の三之助と若い女性を中心に大フィーバーを巻き起こしました。
音羽屋の芸の通り、現在は女形中心ですが、
最近は、立役での出演も目立ってきました。
*こちらに詳しく書いてます。
*平成の三之助についてはこちらもお読みくださいね。
*グランメゾン東京での活躍はこちらもお読みくださいね。
日本博特別公演「日本の音と声と舞」見たよ!感想レポ
この特別公演は、大変貴重なイベントです。
日本が世界に誇る伝統芸能、
その様々なジャンルの芸が短い時間で全てが揃うのは初めての試みということです。
日本博広報大使の黒柳徹子さんからも、
「この国の文化の素敵なところ、わかりやすく素敵に紹介したい」
と挨拶がありました。
黒柳さんは、着物や日本文化が大好きだそうで、
このイベントに関われたことをワクワクしていると
おっしゃっていました。
それを聞いて、
私は、やっとこの文化行事が動き出したなあと
嬉しい気持ちになりました。
まだ、エンタメは外に発信することができず
厳しい状況にありますけど、
この状況を乗り切って欲しいと思っています。
特別公演は、1時間あまり、途中のコマーシャルもなく
集中して見ることができました。
ここから、出演した芸能と感想を書いていきます。
司会は、谷原章介さんと青山祐子アナウンサーでした。
収録は、元々上演を予定していた令和2年3月14日です。
国立東京博物館・平成の間での収録です。
プロジェクションマッピングの効果で、
幻想的な景色の中、多くの芸能を堪能することができましたよ。
アイヌ古式舞踊 鶴の踊り:アイヌ民族文化財団
独特な声音、旋律にのせて
パタパタと羽ばたく鶴の姿を表現していました。
鶴の鳴き声にも似た発声には、
他の伝統芸能にはない特色が感じられました。
ミュージカル『刀剣乱舞』刀剣男士(髭切/膝丸)
名だたる刀剣が戦士となって姿を表すミュージカル。
その中から、髭切と膝丸が登場し、
歌と踊りを披露してくれました。
中性的なキャラクターが
まさに2.5次元の世界観を見せてくれました。
笙 盤渉調調子(ばんしきちょうちょうし) 宮田まゆみ
雅楽の中でも特に神秘的な音色を響かせる笙。
季節にかなった音を演奏すると、周りの世界もそれに鼓舞されて、
作物も実って豊かになると。
自然にマッチした演奏を心がけられているそうです。
雪景色から春の花吹雪までの
季節の移ろいを音楽で想像させてもらいました。
緩やかなテンポですが、
どこか背すじがピッと伸びる気がするなあと思いました。
日本舞踊 鷺娘(さぎむすめ) 尾上 紫
綿帽子をかぶり純白の衣装に身を包み登場。
長唄囃子の演奏とともに、恋心を歌う娘の舞が華やか。
途中で、白い鷺の姿へ早変わり。
最後は、恋の苦しさから逃れようと羽ばたきながら力尽き、
見ていてしんみりとした気持ちになりました。
様式美を感じられる舞踊だと思いました。
胡弓 雪(ゆき) 川瀬露秋
弦を弓でこすって音を出す珍しい楽器です。
歌舞伎演目の「阿古屋」では、責め道具の一つとして使われました。
しなやかで伸びやかなメロディに心が洗われる思いがしました。
声明 散華(さんげ) 天台聲明 七聲會
8人の僧侶が手に捧げ物の花びらを持ち登場、
仏教寺院の儀式で唱えられる声楽曲を唱えました。
「願わくは私は仏様に供え物をしようと思う」
とうたっているということで、
その声に合わせ、花びらを散らすシーンが厳かだなあと感じました。
能 羽衣(はごろも) 観世清和
観阿弥、世阿弥の流れを引く観世流の宗家。
羽衣は、三保の松原に降り立った天人の羽衣を漁師が見つけ、
それを返してもらうやりとりとお礼の舞が見どころです。
演者は喋らずに、囃子の調子や、
謡が情景描写、台詞までをまかないます。
この演目では、
天人の「いや疑いは人間にあり、天に偽りはなきものを」
という台詞に、
大和心、日本人のアイデンティティが備わっているといいます。
能は、最小限の動きと表現で演じる心理的な芝居だと
私は思っていて、
まだ理解の境地まではいかないのですが、
奥深さに興味がそそられる芸能だと思っています。
尺八 寒月(かんげつ) ジョン・海山・ネプチューン
もっとも素朴なつくりである竹製の縦笛、
尺八は仏教音楽を奏でるためのものだったそうです。
首振り8年と言われるほど、
思うように音色を操るには修行が必要とされています。
この楽曲は、澄んだ冬の空に浮かぶ月のように、
冴え冴えとしつつも心に沁みるなあと感じながら聞きました。
文楽 団子売(だんごうり) 豊竹呂太夫 鶴澤清介 桐竹勘十郎
三味線の曲に合わせて太夫が語り、
それに合わせて人形が演じる日本独特の人形劇です。
今回の演目は、団子売りの夫婦の舞踊劇。
私がよく見る文楽は、結構暗いテーマが多いので、
珍しく、明るい気持ちで見られました。
お芝居では、あまり上位に使われない頭が、
主役になっていたのも印象的でした。
篠笛 月(つき) 福原徹彦
篠笛は竹でできた横笛で、7つの穴を
押さえて音階を作ります。
長さにより音の高低が違うのが特徴で、
この曲は澄んだ音色の柔らかは響きが耳に心地よいです。
篠笛は、日本の景色を表すのにうってつけな楽器だと思います。
琉球古典音楽 伊集早作田節(いじゅはいちくてんぶし) 新垣俊道
三線と太鼓、笛による琉球曲の演奏でした。
軽快な旋律と調子が、
琉球独特の音の連なりをいや増しているようです。
一緒に舞も見たかったな~~。
合唱 越天楽~花(えてんらく~はな) 三澤洋史 新国立劇場合唱団
越天楽と滝廉太郎の名曲「花」をミックスさせた新しい合唱曲。
前半の曲調が古典的で不思議な印象、
後半がよく知られている「花」。
日本の伝統美と調和していると感じられました。
歌舞伎 石橋(しゃっきょう) 尾上菊之助
獅子の精の神秘性を表現するため、
長い髪、豪華で重たい法被、大口を身につけることで、
人間ではない神の使いになりきるのだとおっしゃっていたのが印象的でした。
そこにいるのは、人であって人ではない、
演じる者が現実から遊離した状態で披露する舞であるということに、
改めて、石橋という演目の特別性を実感しました。
菊之助は、見た目に加えて所作も綺麗です。
花と戯れる可愛さと、
毛振りの勇壮さを両方見られて大満足の舞でした。
この特別公演は、3月14日に公開されるはずのもの、
テレビ放映も一旦中止となり、どうなることかと気を揉んでいました。
この度、無事に全てを見ることができて嬉しかったです。
日本博自体も、まだまだ他の催しがあるそうなので、
チェックしようと思っています。
この番組を見逃した方は、Tverで見られるということです。
読んでくださり、ありがとう存じまする。
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