歌舞伎のトップ女形坂東玉三郎が、
NHKBSプレミアムで放映中の「美の壷」に出演します。
坂東玉三郎、「美の壷」に出演
坂東玉三郎が4月3日放送の「美の壷」に出演します。
4月3日(金)BSプレミアム19時30分~20時
「美の壷」とは、美術鑑賞マニュアル、、、とサイトの説明にありました。
草刈正雄さんが飄々とした佇まいで、
取り上げるテーマについて紹介し、
木村多江さん(壺)のナレーターに沿って番組が進行します。
番組のコンセプトは、
普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、
衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを取り上げ、
その魅力を、洒落たジャズとともに、贅沢かつ知的に伝える番組です。
取り上げるのは古今東西の美しいものたち。
日本人ならではの暮らしの知恵やこだわりが、
見る者を豊かな気持ちにしてくれるでしょう。
この番組ではそれぞれのアイテムの選び方・鑑賞法を、
いくつかの「ツボ」に絞ってわかりやすく解説してくれるのです。
以前、松本幸四郎の「そうめん」愛もお伝えしたことがありましたね。
今回取り上げられるアイテムは、
「絹の至宝 丹後ちりめん」とあります。
丹後ちりめんとは、誕生から300年
「海の京都」丹後地方で育まれた独特の光沢を持つ織物のことです。
玉三郎は、歌舞伎舞踊の衣装に欠かせない
この丹後ちりめんの魅力を語るそうですよ。
楽しみですね。
坂東玉三郎について
歌舞伎界ならぬ日本を代表する名女形です。
五代目坂東玉三郎のプロフィール
坂東玉三郎:本名 守田 伸一(もりた しんいち) 通名/親市
旧姓は楡原
生年月日 1950年4月25日
身長 173㎝
家系 養父:十四代目守田勘弥
学歴 聖学院高等学校卒業
趣味 ダイビング
屋号 大和屋
定紋 花勝見
芸歴 1956年 十四代目守田勘弥の部屋子となる
1957年 『菅原伝授手習鑑・寺子屋』の小太郎役で坂東 喜の字を名のり初舞台(東横ホール)
1964年 『心中刃は氷の朔日』のおたま役他で五代目坂東玉三郎を襲名(歌舞伎座)守田勘弥の養子となる
2012年 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定
当代一の女形として、抜群の美しさと演技力で見る者を魅了する一方、
海外の芸術家との共同制作や、演出、映画監督など多岐にわたり
活動しています。
近年は、若手の育成にも熱心で、
今月中村児太郎と中村梅枝が務める「阿古屋」は、
玉三郎の芸の継承が観られる舞台でもあります。
様々な活動が評価され、
今年「第31回高松宮殿下記念世界文化賞」演劇・映像部門を
受賞しています。
*坂東玉三郎については、こちらにも書きましたので、よかったらお読みくださいね。
坂東玉三郎も魅せられた丹後ちりめんの魅力とは?
玉三郎の、美しい舞踊を彩る着物も、
芸の一部だなあと思うことがあります。
京都の丹後地域で生産される丹後ちりめん。
誕生してから今年で300年だそうです。
丹後ちりめんの特徴は「しぼ」、記事の表面にある凹凸です。
それが立体感や光沢、さらりとした肌触りの良さにも通じるのだそうです。
一口にしぼといっても、細かいしぼや大きな鬼しぼまで、
種類は多様です。
柄も、一抹鳳凰、花七宝、オリジナルなモダン柄など、
1万種類あるのだそうです。
番組ではその秘密を3つの壺として紹介していました。
壺の壱:多彩な表情を楽しむ
歌舞伎役者坂東玉三郎は、
丹後ちりめんに魅せられた一人なんだそうです。
幼い頃から、しぼのたった細かい縮緬が好きで、
夏の暑い時は、ひんやりとした座布団の上に
座っているのが好きだったとか。
舞台の仕事とちりめんとは切ってもきれない
間がらという玉三郎。
舞踊で使う手ぬぐいは、ほとんどちりめんだそうです。
いなせな踊りのときは軽めのちりめん、
道成寺のように紋を広げて見せるのは重めの手ぬぐい。
そんな玉三郎、
5年前の丹後公演で、新たなちりめんとの出会いがあったそう。
偶然、問屋に立ち寄った時、蔵で着替えた時に、
珍しいちりめんに出会ったんだそうです。
種類の多さにびっくり、
これらを染めて使えたら、、、と喜びを感じたのだそうです。
それ以来、丹後の方々と相談しながら、
ちりめんの魅力を生かした着物を作ってきたそうです。
豊富な色合いを揃えて、どう言う風に着ようかと言うのは
喜びなんです、と語る玉三郎。
世界にも印象付けた美しい舞踊は、
丹後ちりめんにも裏付けされた伝統の技、美、そのものですね。
壺2:300年続く織の知恵
八丁撚糸機という機械で思慕を作るそうです。
八丁撚糸機で横糸1メートルに3000回のより(ねじり)をかけるのだそう。
湿度が欠かせないちりめんづくりのため、水をかけながらの作業、
それがしぼを生むのだそうです。
丹後地方は、湿潤の高い地域、その地域ならではの技なんです。
織った布をお湯に入れると、よった部分が大きく浮き上がり、
それがしぼとなるのだそうです。
発祥は、京都の西陣。
それから脈絡と受け継がれている匠の技なんですね〜。
ちりめんの柄は、ジャカード機によっておられるのだそうです。
パンチカードの情報が、縦糸と横糸の折り方を支持するんですって。
この機械でなければ織れない柄もあるので、
ずっとこの機械を使っており続けているのだそうです。
この技も継承していきたいと熱意を持って働く職人さんに
頭が下がります。
壺3:美のリレー 手から手へ
丹後地方で織られた白生地は、職人の手により、
着物に仕立てられます。
白生地が着物になる最初の工程が下描き。
職人が記事に柄を描くのですが、
細い筆で直接記事に描くんです〜。
次の工程では、糸目を描きます。
そして、色付けです。
このほか、染め、洗い、刺繍など10の工程を経て、
着物になるんだそうです。
最近では、伝統的な柄や手法だけでなく、
新しい柄の組み合わせが誕生しているのだそうです。
300年続いてきた技を今でも生かし、
より発展させる思いが職人から伝わってきました。
草木染に挑戦している職人さんもいらっしゃいます。
丹後地方に自生するおよそ50種類の植物で染めた作品の数々、
そのこだわりは、染めた植物の柄を描くこと。
その中でも力を入れているのが、
「ヤシャブシ」という植物の作品。
先人たちの努力や技術を継承することで、
地方の今後の発展を願っているんだそうです。
いやあ、丹後ちりめんの伝統の技に惚れ惚れしました。
今は、劇場で公演を観ることはかないませんが、
次に観るときは、その衣装までじっくり、じっくり〜
観たいと思います。
そういえば、道成寺はシネマ歌舞伎があったような・・・
「美の壷」
4月3日(金)BSプレミアム19時30分~20時放映
読んでくださり、ありがとう存じまする。
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