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1月歌舞伎座公演(2023)壽初春大歌舞伎の感想、演目、配役、スケジュールも

観劇レポート
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令和5年が明けました。

歌舞伎座の1月公演、壽初春大歌舞伎は2日初日で、

お正月の華やかなお芝居を見せてくれます。

新春ならではの歌舞伎観劇を楽しんだつもりで読んでいただけるよう

ここでは、歌舞伎座公演の演目、配役、感想をお伝えしていきます



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令和5年歌舞伎座1月公演壽初春大歌舞伎の見どころ

2022年の11月12月は、市川團十郎白猿の襲名披露公演で賑わった歌舞伎座でした。

年が明け、2023年の1月は通常の壽新春大歌舞伎公演!

今年も3部制の公演ですが、

幕見席以外は全席開放となり、

一部場所を制限しての大向こうも入りました。

少しずつ歌舞伎座の賑わいが戻ってくるのが嬉しいです。

1月の歌舞伎座は、高麗屋、中村屋、澤瀉屋の役者さんたちが

主な役どころを務め、それ以外のお家のベテラン勢が脇を固める

という布陣での公演となっています。

必見は、片岡愛之助さんの弁天小僧、松本幸四郎さん、市川猿之助さんの曽我兄弟、

坂東彌十郎さんの初主演舞台、そして松本幸四郎さん、中村七右エ門さんの十六夜清心、

といったところでしょうか。

若手からベテランまで多彩な顔ぶれが演じるお芝居や舞踊は、

どれも見応えがあり、歌舞伎座ならではの豪華な演目となっています。



歌舞伎座1月公演(2023)寿初春大歌舞伎の演目・キャスト

第一部 11時開演

一、卯春歌舞伎草紙(うどしのはるかぶきぞうし)

竹柴徳太朗 脚本

【配役】

名古屋山三  市川 猿之助

出雲の阿国  中村 七之助

浪花の阿梅  市川 門之助

女歌舞伎阿壱 中村 壱太郎

同   阿鈴 市川 男寅

同   阿千 片岡 千之助

同   阿玉 中村 玉太郎

同   阿京 市川 笑也

同   阿高 市川 笑三郎

若衆栄之丞  大谷 博太郎

同 福之丞  中村 福之助

同 月之丞  中村 虎之助

同 花之丞  中村 鷹之資

同 銀之丞  市川 染五郎

同 鶴之丞  中村 鶴松

坊主小兵衛  市川 青虎

村長寿右衛門 市川 寿猿

多門庄左衛門 市川 猿弥

佐渡嶋右源太 中村 勘九郎

佐渡嶋左源太 片岡 愛之助

【簡単なあらすじ】

京で評判の出雲阿国一座出雲に戻ります。

桜の咲き誇る故郷の出雲では、村人たちがその到着を今や遅しと待ちわびています。

かぶき者の佐渡嶋左源太、右源太ら一座の面々とともに、

名古屋山三と阿国は華やかに歌舞伎踊りを披露します。

 

二、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)

河竹黙阿弥 作

浜松屋見世先の場

稲瀬川勢揃いの場

【配役】

弁天小僧菊之助  片岡 愛之助

南郷力丸     中村 勘九郎

忠信利平     市川 猿之助

赤星十三郎    中村 七之助

浜松屋伜宗之助  中村 歌之助

番頭与九郎    片岡 松之助

鳶頭清次     中村 又五郎

浜松屋幸兵衛   中村 東蔵

日本駄右衛門   中村 芝翫

【簡単なあらすじ】

鎌倉雪の下の浜松屋にやってきたのは、

美しい武家の娘と供の若党です。

婚礼の品を選ぶうち、娘は万引きの疑いをかけられ、

額に傷を負ってしまいます。

やがて、万引きは誤解だったことが知れると、

詫びの百両を手に入れ、悠々と立ち去ろうとする二人。

しかしそこに一人の侍が現れ、娘の意外な正体が明らかになります。

「しらざあ言って聞かせやしょう・・・」で始まる名セリフ。

娘と若党と見えた二人は、実は盗賊だったのです。

白浪五人男と言われた盗賊たちも、

やがて追っ手に取り囲まれます。

稲瀬川で勢揃いした5人と追っ手との立ち回りで幕を閉じます。

*詳しくはこちらをご覧くださいね。

弁天娘女男白浪「歌舞伎」のあらすじ、名台詞、見どころ、5人の登場人物まで教えます!
今日は歌舞伎の名作の1つ、「弁天娘女男白浪」をお伝えします。 このお芝居について知らない人でも、 「弁天小僧」とか「知らざあ言ってきかせやしょう・・・」 なんて言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか? 艶やかで、テンポよくて、キレッキレ...

 



第二部

一、壽恵方曽我(ことぶきえほうそが)

松岡 亮 脚本

【配役】

曽我五郎時致  松本 幸四郎

曽我十郎祐成  市川 猿之助

化粧坂少将   中村 雀右衛門

小林朝比奈   中村 鴈治郎

犬坊丸     市川 染五郎

梶原平次景高  大谷 廣太郎

鬼王新左衛門  中村 歌六

大磯の虎    中村 魁春

工藤左衛門祐経 松本 白鸚

【簡単なあらすじ】

大磯の廓では、富士の巻狩りの総奉行に任じられた工藤が祝宴を催しています。

そこへやってきたのは、正月を祝い人々に福を招く万歳の姿に身をやつした曽我十郎と五郎の兄弟。

二人は父の仇を討とうと、工藤と対面しますが、

富士の巻狩りが終わるまでと工藤から関札を与えられ

再会を約束して別れます。

 

 

二、人間万事金世中(にんげんばんじかねのよのなか)強欲勢左衛門始末(ごうよくせいざえもんしまつ)

河竹黙阿弥 作/今井豊茂 演出

【配役】

辺見勢左衛門   坂東 彌十郎

勢左衛門妻おらん 中村 扇雀

恵府林之助    中村 錦之助

倉田娘おくら   片岡 孝太郎

勢左衛門娘おしな 中村 虎之助

雅羅田臼右衛門  嵐 橘三郎

若い者鉄造    沢村 宗之助

親類山本当助   大谷 桂三

代言人杉田梅生  市川 男女蔵

門戸手代藤太郎  中村 松江

毛織五郎右衛門  中村 芝翫

寿無田宇津蔵   中村 鴈治郎

【簡単なあらすじ】

明治初年の横浜。

早くに母親を亡くした恵府林之助は、父が米相場で失敗して財産を失い、

伯父の辺見勢左衛門のもとで居候をしています。

ケチで強欲な勢左衛門一家のもとで暮らす林之助やおくらは、

肩身の狭い思いをしています。

しかし、林之助に突然莫大な遺産金が舞い込みます。

勢左衛門をはじめとした親戚たちは、林之助に取り入り、

なんとしてでも金を手に入れようとしますが、

林之助は、父の負債を返すために遺産を全て使い切ってしまいます。

それを知った、勢左衛門たちは手のひらを返したような態度を見せます。

実は、父の負債というのは林之助が、勢左衛門たちの真意を知るためのお芝居でした。

誰が誠実かを知った林之助は、新しくおくらと所帯を持ち生活を始めるのです。



第三部

通し狂言「十六夜清心(いざよいせいしん)花街模様薊色縫」

河竹黙阿弥 作

浄瑠璃「梅柳中宵月」

序 幕 稲瀬川百本杭の場

同   川中白魚船の場

百本杭川下の場       

二幕目 初瀬小路白蓮妾宅の場

大 詰 雪の下白蓮本宅の場

【配役】

極楽寺所化清心後に鬼薊の清吉 松本 幸四郎

扇屋抱え十六夜後におさよ   中村 七之助

恋塚求女           中村 壱太郎

下男杢助実は寺沢塔十郎    中村 鶴亀

佐五兵衛後に道心者西心    松本 錦吾

船頭三次           市川 男女蔵

白蓮女房お藤         市川 高麗蔵

俳諧師白蓮実は大寺正兵衛   中村 梅玉

【簡単なあらすじ】

鎌倉極楽寺の僧である清心は、遊女の十六夜と深い仲であることが発覚し、

女犯の罪で寺を追われてしまいます。

清心と十六夜は心中を決意し二人で川へ身を投げます。

しかし、十六夜は舟遊びをしていた俳諧師白蓮と、船頭の三次に命を救われます。

一方の清心も死にきれず、岸辺にたどり着くと、再び入水するか思い悩みます。

そこへ通りかかったのは寺小姓の恋塚求女です。

癪を起こして苦しむ求女を介抱した拍子に懐にある大金に触れた清心は、

その金を奪おうとして揉み合ううちに求女を殺めてしまいます。

一方、白蓮に助けられた十六夜は、身請けされておさよという名で

白蓮宅で世話になっています。

おさよは出家します。

しかし、箱根で悪党の清吉となった清心と出会い、

悪の道へと落ちていくのです。

悪党となった2人は、白蓮の家に強請りに行きます。

そこで発覚したのは、白蓮は清心の兄であり

盗賊の頭であったということ。

再会を祝う間もなく、捕手に囲まれる3人でした。

 



歌舞伎座1月公演(2023)寿初春大歌舞伎のスケジュール

歌舞伎座1月公演寿初春大歌舞伎は

1月2日(月)が初日で27日(金)が千穐楽です。

休演日が10日(火)と19日(木)です。

3部の上演スケジュールは下の表の通りです。

第1部 11時開演
一、卯春歌舞伎草紙(うどしのはるかぶきぞうし) 11時~11時23分
二、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ) 11時58分~13時8分
第2部 14時15分開演
一、壽恵方曽我(ことぶきえほうそが) 14時15分~14時47分
二.人間万事金世中(にんげんばんじかねのよのなか)強欲勢左衛門始末(ごうよくせいざえもんしまつ) 15時12分~16時37分
第3部 17時45分開演
通し狂言「十六夜清心(いざよいせいしん)花街模様薊色縫」序幕 17時45分~19時
同上  二幕・大詰め 19時35分~20時35分

 



歌舞伎座1月公演(2023)寿初春大歌舞伎の感想

第一部の感想は!?

第一部は、  日に観劇しました。

その感想をお伝えします!!

一、卯春歌舞伎草紙(うどしのはるかぶきぞうし)の感想

1月の歌舞伎座の演目でも、最もお正月らしい華やかさに溢れた一幕でした。

幕開けは、出雲国て阿国の帰りを待つ歌舞伎衆たちの舞踊ややりとり。

2022年からの若手の活躍は今年も期待できる!

と思えるほどの、ズラリと並んだ若衆たちの美しい姿にうっとり。

花道からは、片岡愛之助さん(佐渡島左源太)、中村勘九郎さん(佐渡島右源太)が加わり、

力強い踊りを披露、舞台上はどんどん盛り上がっていきます。

そこに最高齢(今年94歳)寿猿ちゃんも登場、

はっきりとした口跡と立ち振る舞いに

心からの拍手をお送りしました。

年の初めに、寿猿ちゃんの元気な姿が見られるのは

長寿祈願がかなった感じがしてめでたいです!

舞台中央のせり上がりからは主役のお二人、

出雲阿国役の中村七之助さんと名古屋山三役の市川猿之助さん、

こちらも目をみはるほどの艶やかさでした。

2人の舞に続いて全員揃っての舞へ。

メインの4人は舞踊上手、

それぞれの個性もありつつ魅せてくれました。

とにもかくにも綺麗で華やかでうっとりのひととき。

まさに眼福を満喫することができました。

 

二、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)の感想

歌舞伎を知らなくても、弁天小僧は知っている?

というほど有名な演目です。

愛之助さんの弁天小僧を見るのは初めてなので

期待しながら花道の出を待ちました。

愛之助さんの女形は、体格がガッチリしていらっしゃるので

美しいけどどこか骨太い感じがしました。

それでも、婚礼の用意と反物を見る姿は

恥じらう所作が娘らしい!

が、正体がバレてからのもどりは、

最前の娘がガラリと小悪党になるから面白いです。

弁天小僧って、設定は16、7歳なんです。

だから現実世界に置き換えると悪事を働く非行少年のイメージ、

働く悪事も、女装しての美人局やゆすりにたかり、

盗賊の一味だけど大悪人ではないんですよね。

南郷力丸も共に、その微妙なお年頃の悪だから、

ゆすりの仕方も駄々をこねるようでもあり、

ちょっとした承認欲求も見られたりして可愛らしいなあと思ってしまいます。

呉服屋主人の幸兵衛(中村東蔵さん)も、

面倒な悪人というよりも、手癖の悪い子供を諭すように

お金を渡して帰るように言うのです。

この関係性のバランスがうまく取れているからこそ

観ててその世界に入り込めるんですよね。

この弁天小僧というお役は、力丸役を務めた中村勘九郎さんのお父様、

18代目中村勘三郎さんも得意にしていたお役です。

となると、逆の配役も観たいなあと思いました。

喧嘩っ早い鳶頭清吉(中村又五郎さん)も間合いが絶妙です。

そして、場を引き締めたのが中村芝翫さん演じる日本駄右衛門でした。

この型のこのお役は、ニンかなあ、上手いです。

最後稲瀬川の勢揃いは、

5人の名乗り、観るだけで満足でした。

悪党のお話、最後は成敗されてしまうのですが、

なんとも憎めない5人組。

芝居の楽しさを満喫できた一幕でした。

 

 



第二部の感想は!?

一、壽恵方曽我(ことぶきえほうそが)の感想

おなじみの曽我兄弟の対面を、

大磯の廓を舞台に舞踊を交えた演目でした。

工藤祐経を松本白鸚さん、曽我五郎を松本幸四郎さん、

工藤の子息、犬吠丸を市川染五郎さんと

高麗屋3台が顔を揃えた舞台は

先ごろ白鸚さんが体調を崩しておられたこともあり

とても嬉しく拝見しました。

白鸚さんの堂々たる押し出しは舞台の格をぐっと引き上げてくれます。

こればっかりは、大幹部の迫力で他にはなかなか出せないパワーですよね。

染五郎さんの犬坊丸は、若く勇ましい役どころ、

若者らしい溌剌とした美しさに目が奪われました。

曽我五郎、十郎兄弟は、

松本幸四郎さん、市川猿之助さんと息のあったコンビ。

猿之助さんの和事な仕草がしなやかでうっとり、

新年早々、綺麗な猿之助さんを見られるのは眼福です。

幸四郎さんの五朗は、荒事の仕様、

舞踊の最中でもいきみの表現に逸る気持ちが感じられました。

五郎の所作はどうしても乱暴者のイメージがあるのですが

この演目では、周囲の場と調和しながら

荒々しさを描いているところが楽しめましたね~。

中村魁春さんと中村雀右衛門さんの

美しく優雅な傾城は流石の貫禄でした。

舞踊上手な演者が揃って華やかで味わいのある演目でした。

最後、白鸚さんの工藤を中心に、右手に市川染五郎さん、

左手に松本幸四郎さんと、

高麗屋が富士の姿を描いているようで

おめでたい気持ちもいや増しました!!

 

二.人間万事金世中(にんげんばんじかねのよのなか)強欲勢左衛門始末(ごうよくせいざえもんしまつ)

この作品は、イギリスの「Money」という舞台を

河竹黙阿弥が歌舞伎化した作品だそうです。

いわば、シンデレラの男版なんだそう。

その主役が坂東彌十郎さん、これはシンデレラじゃないですよ。

いじめる継母の役どころ。

これが、本当に虫唾が走るほど嫌なやつでした。

彌十郎さんは、悪役も嫌味にこなしますよね、

本当に芸達者な方だなあと思います。

ただ、昨年のドラマの名残か、

ちょっとオーバーな表現が目立つなあと感じたのですがね・・。

シンデレラ役は中村錦之助さん、

誠実ないい男といったらこの方もピッタリです。

ストーリーは単純で、強欲な勢左衛門の家に居候している

甥の林之助と姪のおくらが

勢左衛門たちにいびられ、肩身の狭い思いをしているんですけど、

なぜか林之助に大金が遺言で与えられ、

そのお金をめぐっての騒動を描いているんです。

最後は、ネタバレになりますが、

強欲な勢左衛門たちは愛想を尽かされ、

林之助とおくらが幸せになるという幕切れです。

そういう筋立てなので、勢左衛門一家と親類の臼右衛門の

ごうつくばりぶりが滑稽に描かれています。

特に、中村扇雀、中村虎之助が演じる母娘(実質も親子)が

また薄っぺらい金の亡者で笑えました。

黙阿弥物なので、最後はどうなるんだろう?

どんな因果が回るんだろう?

と思って見ていたのですが、

他の芝居に見られる退廃的なイメージはなく、

あっけらかんと楽しく観ることができました。

 



第三部の感想は!?

通し狂言「十六夜清心(いざよいせいしん)花街模様薊色縫」の感想

1月17日に第三部を観劇しました。

平日だったからか、客席の空き具合が気になりました。

河竹黙阿弥のお芝居なので、

台詞のやり取りと退廃的な場の設定、

初心者には敷居が高く感じられたのかなあ・・・。

多分、にざ玉コンビならもっと入ったことでしょう。

その後を継げるコンビを松竹さんも考えているってことかなあなんて

お芝居とは違うことを考えた観劇でもありました。

扇屋の遊女十六夜と廓に通った咎で都を追放になった清心が主人公。

十六夜に中村七之助さん、清心に松本幸四郎さん、

なかなかにお似合いの絵姿でしたよ。

2人は心中を試みるのですが

別々の場所で命拾いをしてしまいます。

この心中に至るまでの二人のやりとりは

清元の三味線と唄いでとっても気分が良くなってしまい、

美しい二人をうっとり見ながら夢心地になりました。

違いを慕う純粋な2人の姿は本当に絵になりますし、

とても美しくて、罪を犯しながら尊くもあります。

でも生きながらえたところから

2人の運命は狂っていくのですね。

清心は通りがかった若衆の懐にあるお金に目がくらんで

思いがけずあやめてしまいます。

十六夜(ここからはおさよになります)は、命を助けられた白蓮の妾となりますが、

死んだと思っている清心の菩提を弔う毎日。

そのいちずな思いに動かされて、白蓮はおさよに出家を許します。

白蓮に中村梅玉さん、ここで登場する、白蓮の本妻に市川高麗蔵さん。

このご夫婦が重しのように、舞台を引き締めていると感じました。

父とともに旅に出る

尼僧姿の七之助さんの美しいこと、

ほ~っとため息がもれてしまいます。

遊女姿も妾姿も尼僧姿も

何をやっても絵になる方です。

この後の、落ちぶれた散切り頭のおさよも私は実は好き!

これが一番、七之助さんに合うんじゃないって思ったくらいでした。

そして大詰め、

場面はガラリと変わります。

白蓮の自宅にうらぶれた風体の男女がやってきます。

盗賊になった、鬼あざみの清吉こと元清心と

おさよこと元十六夜です。

おさよは、姉妹の盃を交わした白蓮の妻お藤に

家に居候させて欲しいと頼みます。

さすがのお藤も

悪に手を染めた妹を受け入れることができません。

当然ですよね~。

清い貞操を称えて送り出した妹が

薄汚い盗賊になってお金をせびりに来るんですから、、

100両をあげて追い返そうとする、、ところからまさかの大逆転!

ネタバレになってしまいますが

この100両の出所から清吉が暴く白蓮の正体は!!!

伝説?の大盗賊だったのです。

そして2人は幼い頃に生き別れた兄弟だったことも

判明するのです。

が、下男のモク助が盗難事件を操作していた役人で

白蓮たちを捕まえようと現れ、、というところで幕。

ゆっくりとした進みの前半に比べ、

後半はハイペース、

しかもどんでん返しに次ぐどんでん返し。

これは河竹黙阿弥の筋書きの素晴らしさなんですね。

一つ一つのエピソードが最後につながっていくのです。

本当はこの後、

全ての事実が明らかになる悲劇の幕引きがあるのですが、

今回のお芝居はここまでで終わりです。

白蓮演役の梅玉さんが、

善と悪を演じ分ける流石の国宝技を披露。

妻のお藤役の市川高麗蔵さんも

ヤキモチ焼きで、落ちぶれたおさよを煙たがる

人間味ある女房がハマっていました。

清心、清吉役の幸四郎さんも、

変容が凄すぎました。

欲を言えば、もう少し品が欲しかったかな。

人間の業と欲を持ち合わせたチャーミングな清吉ではありましたけどね。

通し狂言はストーリーを楽しめるところがいいですね。

最後がハッピーだともっと嬉しい。

しかし、気になったのは客席でした。

コロナ禍か?と思うくらい

隙間が目立ったんです。

結構な良席もがっぽり空いていました。

コロナの影響もあるかもしれませんが、

もう少しお客様に入っていただきたいものですね。

歌舞伎は、日本人のDNAに組み込まれたエンターテイメント

と言っても過言じゃないでしょう。

もっと多くの方に足をお運びいただきたいです。

リアルの臨場感と感動を味わいに歌舞伎座へ来てくださいね!

 

1月の歌舞伎座はお正月気分も満載!

華やか気分を味わいたい方はぜひご覧くださいね。

お読みくださり、ありがとう存じまする。



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