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国立劇場「ひらかな盛衰記(ひらかなせいすいき)」「幸希芝居遊(さちねがうしばいごっこ)」感想!コロナ対策も・・

観劇レポート
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国立劇場は、令和2年1月以来の歌舞伎公演が開幕しました。

国立ならではの、丁寧に作った芝居を懐かしく観劇してきました。

幕間が30分とってあり食事も可能だったので、

お昼のお弁当も楽しめましたよ。

では、第1部「ひらかな盛衰記」と「幸希芝居遊」の感想を中心に、

国立劇場の様子もお伝えしますね。




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国立劇場の令和2年10月公演に行ってきた!

国立劇場令和2年10月歌舞伎、1月以来8ヶ月ぶりの公演です。

上演期間は、10月4日(日)~27日(火)までで、15日(木)は休演です。

新型コロナ対策もバッチリなので、安心して感激することができました。

はじめに、その劇場の様子と気になる幕間について報告します!

国立劇場のコロナ感染対策は?

国立劇場も新型コロナウイルス感染対策をしています。

劇場側の取り組みとして、

・出演者、スタッフは検温や健康状況チェックをしている。

・劇場内の密を避けること、消毒液の配置、館内消毒換気の徹底をしている。

・開場から終演まで看護師が常駐している。

・出演者への接触を禁じている。

というようなことがあります。

そして、観客に対しても、

・マスク着用とかけ声の禁止、大きな声での会話も遠慮してほしい。

・体調不良や実際に何かしらの症状があるなどは、入場を遠慮してもらう。

・幕間の食事は、無料休憩所か食堂は可能、客席・ロビーでの食事は不可。

というようなことがあります。

入場の際は、

①間隔をあけて待つ

②手指消毒と検温

③チケットを見せる

④自分でもぎる

となっていました。

プログラムは1冊1000円で購入可能で、

お土産物や、食事の案内もありました。

一部の上演時間が、幕間を挟み、

11:00~13:30 ということでゆっくり観劇を楽しむことができました。

 

国立劇場は幕間にお弁当が食べられます!

幕間は、30分ありました。

劇場内の食事も可能で、選択肢としては、

①食堂で食べる

②3箇所に設置された無料休憩所で食べる(お弁当販売もあり)

があります。

【食堂:十八番(2階)】

食堂は予約(弁当・定食)か、その場で食券を買う(軽食)

 

【無料休憩所(2階3階)】

私は、事前にお弁当を買っていき、

無料休憩所でいただきました。

距離がとってあること、対面を避けていること、

会話を抑えていることから、

食事も安心してとることができました。

これは、国立劇場の施設がゆったりしていることが幸いしていると感じました。

劇場自体も座席の間隔が空いているし、

客席と同じくらいの広さのロビーがあることは、

歌舞伎座とは違います。

対策の徹底ぶりは、歌舞伎座が一番ですが、

ゆったり楽しめる点では国立劇場は素晴らしいと思いました。

*国立劇場の新型ウイルス感染対策についてはこちらのサイトをご確認くださいね。

独立行政法人日本芸術文化振興会
独立行政法人日本芸術文化振興会の公式サイトです。



第1部「ひらかな盛衰記 源太勘当(ひらかなせいすいき げんたかんどう)」の感想

それでは、第1部のお芝居を観た感想を書いていきますね。

はじめに、「ひらかな盛衰記」です。

上演時間は、11時~12時15分でした。

あらすじは、こちらの記事に書いています。

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中村梅玉・中村魁春の親子の情が深い

父のご恩返しのためとはいえ、

切腹を申し付けられた梶原源太に対し、

勘当を言い渡す母延寿。

源太を思う母の心情を、

表現する中村魁春さんは、さすがだなあと感服。

手紙を読む表情の変化、扇子に隠した本心や、

烏帽子親の恩に報いよと熱のある説得、

その根っこには、母の愛情が感じられます。

対する、源太は切腹を覚悟したものの、

その母の言葉の裏にある思いを読み取り、

感謝しながら家を出るのです。

武将としての誇りの高さ、

息子としての優しさ、

両方を抑えた演技で沸々と訴える中村梅玉さん、

なかなかこういう深い源太は見られないなあと

こちらも心に響く演技でした。

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中村扇雀、恋する千鳥が可愛らしい

中村扇雀演じる千鳥は、

源太を恋い慕いますが、弟平次にも言い寄られるという、

モテモテの可憐な女性という設定です。

平次に対し、悪態をつく姿や、

源太にいそいそとお茶を出す姿が、

今の時代にも通じる恋する女性だなあと思いました。

演じる中村扇雀さんはベテランですが、

仕草やセリフの言い方が可愛らしくて

めちゃめちゃ共感できました。

松本幸四郎、悪役も楽しそう

松本幸四郎さんは、この芝居では悪役となる

平次を演じていました。

病気のふりをして戦に行かず、兄の恋人を横恋慕する、

どうしようもないチンピラのような男です。

幸四郎さん、こういう役もいけるんですよね。

ただ、嫌味なことを言ってもしても、

どこかユーモアと可愛らしさが見えてしまうのです。

結局のところは、甘やかされたぼんぼんなのかなって思える悪、

お仕置きされて、逃げるところがまたなんともいえませんでした。

そんな、ど~しようもない弟だからこそ、

源太の大きさと気高さがより強調されるように感じました。

中村梅蔵・中村かなめは小物の悪

平次に媚びへつらう小物、軍内と珍斎。

虎の威を借るなんとかってところです。

平次の後をくっついて、源太を罵るあたり、

本当に下っ端感がありありと出ていました。

それでもどこか道化っぽくて、

笑える存在なんですけどね。

この二人を演じた、中村梅蔵さんと中村かなめさん。

日頃意識してみたことがなかった役者さんですが、

なかなかいい味を出していらっしゃるなあと楽しめました。



第1部「幸希芝居遊(さちねがうしばいごっこ)」の感想

幕間を挟んで、12時45分~13時30分の上映です。

短いお芝居でしたが、見どころも多く、

観終わった後に、歌舞伎を愛する人たちの気持ちが伝わってきて、

じんわりと心地よい感動が残ったお芝居です。

松本幸四郎、なんと20役!?

このお芝居は、芝居をしたい役者が閉鎖された劇場に忍び込み、

芝居ごっこをするという内容です。

松本幸四郎演じる久松小四郎が、

一座の役者と一緒に20役を演じるというのですが、

あまりにも短すぎて、早すぎて、

20も数えられませんでした。

それでも、面白かったものとしては、

5役のお面を使っての変わり身芝居、

これは、忠臣蔵の定九郎・与市兵衛、三人吉三のお嬢吉三、法界坊の法界坊、封印切りの忠兵衛の

お面を代わる代わるにつけてセリフをつなげるという趣向のもの。

結構なスピードでお面を変えていくのですが、

そのチームプレーが見事で、何をやっているのかわからないんだけど

引き込まれてしまいました。

また、小四郎が、あれもやりたいこれもやりたいと、

芝居小屋の道具を使って、あれこれ演技をする中で、

勧進帳をやる場面がありました。

ここで、弁慶の引っ込みをやってくれて、

それは本当にお得感!

芸達者な幸四郎さんの捨て身?の演技から、

歌舞伎を愛する気持ちがひしひしと伝わってきました。

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一座の仲間に扮していたのが、

中村莟玉さん、大谷廣太郎さん、澤村宗之助さん、松本幸一郎くん(子役)、

彼らの動きがまた格別によかったです。

はじめに、ネズミの被り物で伽羅先代萩の床下の立ち回りを表現した幸一郎くん、

身軽な動きに思わず唸ってしまいました。

2019年の12月の国立劇場で、

「近江源氏先人館盛綱陣屋」で小四郎役を熱演した子役です。

大人4人に混じっての堂々たる演技、素晴らしかったです。

莟玉さん、廣太郎さん、宗之助さんも、

芝居がやりてえ、、と

イノシシ被ったり、首の役をやったり、と

手近にある道具を使っての演技や舞踊を見せてくれました。

小さい人形サイズでの踊りも楽しかったです。

よくわからないかもですね・・・笑。

これはやっぱり観ないとわからないなあって思います。

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どんな役があったか思い出してみよう~~

1日明けて、振り返っても、

どんな役があったかよく覚えていないんです。

まあ、覚えているものをあげてみますね。

・吉田屋の夕霧、伊左衛門

・勧進帳弁慶

・義経千本桜 狐忠信(鼓も披露)

・天衣紛上野初花 河内山宗俊

・盛綱陣屋 佐々木盛綱

・高坏

・かさね 与衛門

・引窓 濡髪長五郎

う~ん、あとは面をつけての

・仮名手本忠臣蔵 斧定九郎、与市兵衛

・三人吉三 お嬢吉三

・隅田川続梯 法界坊

・封印切り 忠兵衛

やっぱり全部は覚えてないから、もう一回観に行こうかなって気になりました。

国立劇場のチケットは安いから、

もう一回観ても惜しくない!

是非是非、皆様にもご覧いただき、歌舞伎愛を味わっていただきたいなあ。

ほっこりしますよ。

 

国立劇場の歌舞伎公演は、毎回、これぞ歌舞伎というものを見せてくれるので、

再開がとても嬉しいです。

歴史物を観たいなって思う方、新作に興味あるなって方、

第1部は最適です!

第2部も観に行くつもりなので、観たら感想をあげますね。

読んでくださりありがとう存じまする。



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