5月大歌舞伎昼の部観劇レポート!お目当ては、海老蔵、菊之助、松緑の勧進帳でしたが、次代を背負う若手の活躍も嬉しかった!

今日は、5月大歌舞伎の昼の部を

観劇しました。

夜の部はすでに観劇済み。

楽しみにしていた、5月大歌舞伎「團菊祭」の夜の部に行ってまいりました! その観劇レポートを今日はお伝えします。 ...

昼の部は、やはり「勧進帳」がお目当てでした。

夜の部とは違った華やかで賑やかな演目を楽しみました。



5月大歌舞伎、昼の部の演目と感想

一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)

亡父の仇討ちを願う、

曽我十郎と五郎兄弟が、

仇である工藤祐経の屋敷で対面し、

対決を約束するというストーリーです。

年賀の挨拶の場ということで、

おめでたく華やかなしつらえの舞台です。

衣装、隈取り、小道具、台詞回しなど、

歌舞伎の様式美が詰め込まれています。

この演目で良かったのは、

中村梅枝・中村萬太郎兄弟が務めた

曽我十郎と曽我五郎。

中村歌昇が務めた、小林朝比奈です。

曽我兄弟は、2人の対照的な役柄を

中村兄弟がうまく演じ分けていました。

感情を出さず、所作は控えめながら、

身を挺して抑える冷静な兄十郎は、

優しい面差しの梅枝が演じるとはまります。

対する血気盛んな弟十郎、

まだまだ少年ぽい感じが気に入りました。

感情を抑えきれずに粗相する若気の至りっぷりが、

まさにこうだろうなあと思わせてくれます。

小林朝比奈は曽我兄弟に同情する鎌倉武士として登場します。

隈取りに特徴があり、

本当は猛者なのに、この演目では道化役でもあります。

中村歌昇演じる朝比奈は、肝が太くユーモラスな言動で

場を和ませていました。

ボソッと呟くと、

権勢を誇る工藤祐経、

ゴージャスな傾城を2人侍らせ、

おべっか使いの大名も控えさせ、

権力を持つとこうなのよ~的な見本とも言えるあり方でした。

この方自体は、自ら討たれようとする、

潔い武士でもあるんですけどね。

(配役)

 工藤祐経:尾上松緑

 曽我十郎:中村梅枝

 曽我五郎:中村萬太郎

 大磯の虎:尾上右近

 化粧坂少将:中村米吉

 小林朝比奈:中村歌昇

 鬼王新左衛門:坂東亀蔵

 近江小藤太:中村松江

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二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

原作の「安宅の関」をもじって、

またかの席と言われるくらい、

上演回数が多い人気の演目です。

團菊祭では外せないでしょう。

私もこの勧進帳が大好きで、昼の部のおめあてはズバリ「勧進帳」。

海老蔵の弁慶、松緑の冨樫、菊之助の義経、が観たかった!

この3人の顔ぶれは、なんと平成11年の4月以来です。

20年ぶりの共演です。

当時は、弁慶は松緑(当時辰之助)が、冨樫を海老蔵(当時新之助)が、

演じておられました。

私はその年の1月に観たのですが、

この時の一押しは、菊之助の義経でした。

今回は・・・やっぱり菊之助の義経いいです。

私的には、この方が現在の役者の中ではベストなのではないかと思います。

凛とした気品があること、見た目美しいこと、ポイントはここです。

ちなみに、舞台写真も、弁慶と冨樫は残っていましたが、

義経だけ売り切れでした・・・。

お芝居自体は、海老蔵弁慶が好演していたと思います。

やはり、彼は華があります。

声も容姿もいいし、ダイナミックな動きも映えます。

ただね、、、弁慶はたくさんの役者が演じているので、

それだけだとベストとまでは言い切れないです。

冨樫とのやりとりでの緊迫感は、未消化な印象です。

義経との主従のやり取りでも、

従としての己の至らなさを悔いる様子を、もっと見せて欲しかったかな。

と、いろいろ書けるのも「勧進帳」が人気作で有名な演目だからです。

次にこの組み合わせを見られるのはいつになるかわかりませんが、

進化を楽しみにしています。

(配役)

武蔵坊弁慶:市川海老蔵

源義経:尾上菊之助

富樫左衛門:尾上松緑

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三、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)〜め組の喧嘩 品川島崎楼より神明末社裏まで

賑々しく、そして賑々しく・・・。

喧嘩がお芝居になっちゃうってのも歌舞伎ならではですね。

この演目は、世話物に類されます。

江戸庶民の人気者であった、

粋でいなせな鳶職人と相撲力士の

様子も描かれているので、

町人文化を知る1作でもあります。

江戸っ子って、本当に喧嘩が好きだったんだなあ、

というのが見終わった印象です。

だって、喧嘩の原因も、

恥をかかされたとか、道理が通らないとか、

そういう理由です。

それをつべこべいうと芝居にならないんですけどね。

江戸っ子言葉で啖呵を切るっていうのは、

かっこよかったですね。

また、喧嘩の場面では、

大人数の立ち回り(?)。

刀で斬り合うのとは違って、

色々な道具を使ったり、トンボを切ったり、

そういう動きを見ているのも面白かったです。

尾上松緑の息子の尾上左近が、

亀蔵扮する相撲取りとの一騎打ちのシーンは、

ハラハラしましたが、

長丁場を演じ切って拍手喝采でした。

坂東彦三郎の息子、坂東亀三郎は、

辰五郎の倅を好演、いや力演?

お父さん思いの健気な息子が可愛かったです。

喧嘩の最後は、大御所が仲裁に入り、

まあ大騒ぎした割には収まってよかったよかった、

と安堵の拍手で締めました。

それにしてもさすが、尾上菊五郎です。

男っぷりが最高です。

この人はこういう役が本当によく似合います。

(配役)

め組辰五郎:尾上菊五郎

女房お仲:中村時蔵

柴井町藤松:尾上菊之助

おもちゃの文次:坂東彦三郎

焚出し喜三郎:中村歌六

四ツ車大八:市川左團次

*山門の仙太役:尾上左近

辰五郎倅又八役:坂東亀三郎

尾上菊五郎についてはこちらもどうぞ。

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次代への期待、梅枝、萬太郎、松也、右近、歌昇、米吉、廣松

夜の部も感じたことですが、

二十代後半から三十代の役者の成長が著しいです。

海老蔵、菊之助は41歳。

若く見えても中堅の域に入りつつあります。

その後を継ぐ役者は、数が揃っています。

・中村梅枝、上品で古風な役が似合う立女形。抑えた演技が上手です。

・中村萬太郎、堂々とした荒事にその活気が生かされています。

・尾上松也、喧嘩っ早いお兄ちゃんや色悪が似合います。キレのいい所作や台詞回しが魅力です。

・尾上右近、様々な役柄を演じ、幅を広げています。荒削り感がありますが、その分伸びしろに注目です。

・中村歌昇、端正な顔つきが印象的ですが、今回の朝比奈の道化ぶりがよかったです。

・中村米吉、つい可愛いと言いたくなってしまう女形、品のある役も板についてきました。

・大谷廣松、舞台でどんどん経験を積んでいるところ、まだこれからという可能性を感じます。

まだ私もちゃんと見ていないので、ちょっとした印象しか書けません。

今後世代交代が進んでいくと思います。

ここに挙げた彼らが、中軸として舞台を盛り立てていくのは確実です。

舞台を通してどう成長してくださるのか、

どんな歌舞伎を作っていってくださるのか、

そういうことも楽しみに歌舞伎を見続けたいと思った團菊祭でした。

今日も読んでくださり、ありがとう存じまする。

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