4月歌舞伎座(2021)松本幸四郎・尾上松也の「勧進帳」を観た!!〜観劇感想〜

4月歌舞伎座公演(2021)では、

高麗屋親子の「勧進帳」日替わり公演も話題になっています。

4月5日に松本白鸚バージョンを観劇し、

その芸の深さ、奥行きに感激したところです。

*詳しくはこちら

歌舞伎役者の松本白鸚さんが、4月歌舞伎座大歌舞伎で、 史上最高齢で「勧進帳」弁慶役を務めていらっしゃいます。 5日に観劇し、白鸚...

そして、4月20日には満を持して(マンボウ中ですが)、

松本幸四郎バージョンを観劇しました。

白鸚さんが武蔵坊弁慶の日は、冨樫役は松本幸四郎さんでした。

幸四郎さんが武蔵坊弁慶の日の富樫は、な、な、なんと尾上松也さんです。

これ、思い切った抜擢だなあって思ったのですが、

ツイッターなどを観る限りは好評でした。

さて、実際の舞台はどうだったかな?

松本幸四郎さん、尾上松也さんバージョンの「勧進帳」観劇感想です。

*勧進帳のあらすじはこちらです。

歌舞伎十八番「勧進帳」、 数ある演目の中でも人気が高い作品の一つです。 私も、このお芝居が大好きで、何度となく観ていますが、 ...



松本幸四郎、尾上松也の勧進帳感想

4月20日に観劇しました。

実は、富樫役が尾上松也と聞いたときは、

どうなのかな~と思いました。

勧進帳は、弁慶が主演ですが、

弁慶と知りつつ、逃す武士としての懐の大きさや英断力、

そして武士としての誇りを持つ富樫という役は、

弁慶と同じくらいに難しい役と思っていました。

なので、まだ若い松也さんが幸四郎さんの胸を借りながら

どんな富樫を見せてくれるんだろう、、という機体と心配が入り混じった気持ちがあったんです。

でも、先にご覧になった方達のツイッターからは、なかなか好評だったので、

見る日を楽しみにしていました。

結論からすると、緊迫感のあるいい舞台でした。

それまで見たことがない演出(?)もあり

それがまた、幸四郎勧進帳をイメージづけていたと感じました。

幕開け、富樫の出の部分。

松也さんの声がとてもよく響いていました。

正義感に溢れ、任務に忠実な人柄が現れていました。

前回気づかなかったんですけど、太刀持ちは松本幸一郎くんですね。

顔は可愛いし、声もいいし、演技もうまい。

梨園出身ではないようですが、

期待の子役と注目している子です。

花道から、義経、四天王、弁慶の出はそつなく、

雀右衛門さんの義経も気品があっていいですね。

いよいよ安宅の関、弁慶と富樫の心理戦に入っていきます。

幸四郎さんの弁慶は、2回目ですが、

お家の芸と堂々とした立ち姿や張りのある聞き取りやすい声で

すでに安定感があると思いました。

対する松也さんの富樫が、想像以上によかったんです。

一歩も引かない押しの強さ、

義経一行と気づいていながら、

武士として己の正義に従う潔さが涼やかでかっこいい。

問答の場面も、阿吽の呼吸。

だんだんとヒートアップしていく場を

客席からじっと見つめていました。

圧巻は、

「打ち殺す!」と強力(実は義経)へ折檻する弁慶を止める富樫とのやりとりです。

このままいったら、この人ほんとに打ち殺すぞ、っていう気迫と

それを止める富樫。

私には、富樫が弁慶の気迫に呑まれて、

「負けました、どうぞお通りください」

といっているように見えました。

本当は違うかもしれませんが、

私が富樫の立場だったとしたら、

見たこともない遠くにいる頼朝よりも、

目の前にいる智勇に満ちた弁慶とそれを上回る品格を持った義経に、

「こっちの方がいい」って思ったんじゃないかななんて考えたんです。

短い対峙でしたが、それだけの心の交歓もこの2人の間にはあったんじゃないかしら、

そんなことを考えさせられた2人の対決でした。



そんな、雄々しい幸四郎弁慶も、

後半は人間としての可愛さ、魅力を見せてくれました。

義経を敬い、自分の仕打ちを責める弁慶と、

それを慰め、自らの不幸を嘆く義経の場面は、

主従の強い絆がうかがえました。

追ってきた富樫に酒を勧められて、良い気持ちになった弁慶が

感謝の意として「延年の舞」を舞う場面も見応えありました。

もともと、幸四郎さんの踊りはキレが良く美しい動作に個性があると思っています。

この舞でもそれは発揮、

それどころか、扇をす~っと流す場面では、

舞台の端っこまで扇を飛ばしていました。

それをさささ~っと取りに行き、

あまり見たことのないような細かい足の運びで中央に戻り

そのまま舞い続けていたのですが、

この動作、普段はない型のようです。

幸四郎さんの創作なのか、

それとも何かが基になっているのか定かはわかりません。

義経らを追い立てる場面も、

踊りの流れを止めることなく粋な感じでした。

これはこれで見せ場だなって楽しく観させていただきました。

最後は、見送る富樫に向かって一礼。

この時も言葉にならないお互いへのリスペクトが伝わるやりとりでした。

そして、息を整えて、豪快な六方で幕。

なんともダイナミックな勧進帳だと思いました。

はじめはどうかな?と思っていた松也さんの富樫でしたが、

いやあ、ぴったりじゃない!?って

新たな魅力を発見した気分です。

なんでも、尾上菊五郎さんのご推薦らしいです(噂です)。

松本幸四郎さんの弁慶も素晴らしく、

今後当代一と言われるのはこの方だろうなあと思いました。

4月の歌舞伎座公演では、

松本白鸚さんと松本幸四郎さんの弁慶を両方堪能できました。

そして、ここで世代交代を見たようにも思いました。

日本一の記録を打ち立てた白鸚弁慶から、

古典の型を継承しつつも伸びやかで魅力的な幸四郎弁慶へ。

とてもいい舞台を観たと満足しています。

そうそう、最後にバラしちゃおう。

この日は、ハプニングかな?

弁慶が富樫からの捧げ物を受け取るときに、

ポトンと扇が落ちたんですよ。

なに食わぬふりで拾って続いていきましたが

こんなこともあるんですね。

色々な特別に出会えて、得した気分でした。



松本白鸚・松本幸四郎が勧進帳を日替わりで務める4月歌舞伎座公演について

令和三年四月の歌舞伎座大歌舞伎では、

松本白鸚さん、松本幸四郎さん親子が日替わりで弁慶を務めます。

「勧進帳」というと成田屋十八番のイメージもあるのですが、

高麗屋のお家芸でもあるのです。

実際に演じている回数やその舞台の質の高さは、

高麗屋の伝統を表している芝居だとも言えます。

では、そのスケジュールもこちらに記しておきます。

白鸚さんが弁慶を勤めるのがAプロです。

こちらの配役は、以下の通りです。

勧進帳A日程の配役とスケジュール

武蔵坊弁慶 松本白鸚

冨樫左衛門 松本幸四郎

亀井六郎  大谷友右衛門

片岡八郎  市川高麗蔵

駿河次郎  大谷廣太郎

常陸坊海尊 松本錦吾

源義経   中村雀右衛門

上演日は、3・5・7・10・12・14・16・18・21・23・25・27日

勧進帳Bプロの配役とスケジュール

武蔵坊弁慶 松本幸四郎

冨樫左衛門 尾上松也

亀井六郎  大谷友右衛門

片岡八郎  市川高麗蔵

駿河次郎  大谷廣太郎

常陸坊海尊 松本錦吾

源義経   中村雀右衛門

上演日は、4・6・8・11・13・15・17・20・22・23・26・28日

4月歌舞伎座公演のチケットは?

歌舞伎座のチケットの値段と席種は次の通りです。

1階桟敷席 16000円

1等席   15000円

2等席   11000円

3階A席   5000円

3階B席   3000円

千穐楽までチケットはとれるようです。

ぜひ、松本白鸚さん・松本幸四郎さんの弁慶、一度は観てください。

読んでくださりありがとう存じまする。

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