歌舞伎を映画館で見ることができるんです。
ご存知ですか?
「シネマ歌舞伎」
今年も、月イチ「シネマ歌舞伎」が各地で上演されます。
その魅力と楽しみ方をお伝えします。
- 「シネマ歌舞伎」とは
- 「シネマ歌舞伎」が初心者にオススメな理由
- 月イチ「シネマ歌舞伎」2019の上映スケジュール
- 4月5日(金)~25日(木)
- 「野田版 桜の森の満開の下」133分
- 5月17日(金)~23日(木)
- 「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」118分
- 6月21日(金)~7月4日(木)
- 「鷺娘/日高川入相桜王」61分
- 7月5日(金)~11日(木)
- 「天守物語」117分
- 8月23日(金)~29日(木)
- 「グランドシネマ 日本橋」147分
- 9月27日(金)~10月17日(木)
- 「幽玄」120分予定
- 10月18日(金)~24日(木)
- 「スーパー歌舞伎ヤマトタケル」220分
- 11月8日(金)~28日(木)
- 「女殺油地獄」110分予定
- 12月6日(金)~12日(木)
- 「人情噺文七元結」87分
- 2020年1月3日(金)~23日(木)
- 「廓文章 吉田屋」80分予定
「シネマ歌舞伎」とは
「シネマ歌舞伎」は、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影し、
スクリーンで上映するという、
松竹が開発した、映画とは全く異なる新しい映像作品です。
「美」と「臨場感」に徹底的にこだわり、
劇場で生の歌舞伎を観ているかのような感覚を再現することを目指しているそうです。
開発を始めたのが、2003年春より。
2005年に第1作『野田版 鼠小僧』が公開されてから、
これまでに30作以上の作品を公開されています。
この開発に関心を示していたのが、
故十七代目中村勘三郎です。
第1作の「野田版 鼠小僧」は、
野田秀樹と中村勘三郎がタッグを組んだ歌舞伎ニュースタイルの作品、
今観ても新しくて古典的です。
そのシネマ歌舞伎を、毎月一定の期間、
上演しようという試みが、
月イチ「シネマ歌舞伎」です。
「シネマ歌舞伎」が初心者にオススメな理由
ここでは、歌舞伎初心者にとって、
「シネマ歌舞伎」がオススメな理由を書いていきます。
1:コスパが安い
まずはこの理由、これは外せません。
歌舞伎は、通しで見ると、一番安くても4000円(歌舞伎座3階B席)です。
私が、たまに利用している「幕見石」。
これは、安ければ1000円かからないものもあります。
しかし、これは4階席からの観劇です。
オペラグラスを持って行っても、
役者の表情や細かい所作、加えて花道での演技は観ることができません。
シネマ歌舞伎であれば、
一番いいところから撮影しているので、
役者のアップもあれば遠景も見られます。
花道を使っての演技ももちろん同じ目線で見ることができます。
鑑賞料金、1作2100円(大人料金)でそれが体験できるなら、
コスパはめちゃくちゃ安いと言えると思います。
2:臨場感も得られる
生ほどの臨場感ではないのですが、
上にも書いたように、
表情のアップは歌舞伎役者の演技がどれだけ細かいのか、
というものをうかがい知ることができます。
最近の作品は、音質もいいので、
セリフや大向こうさんのかけ声、
義太夫節から長唄連中の演奏まで、
いい音をしっかり再現しています。
付け打ちもいい音色です。
大きなスクリーンで見る迫力は、
リアルな舞台とはまた違う臨場感も味わえます。
3:わかりやすい作品、名作が多い
歌舞伎初心者にとって、結構大きなハードルが、
「わかるのかしら?難しいのかしら?」
というところだと思います。
確かに、古典劇等にわかりづらい作品もあります。
それは歌舞伎の魅力の1つでもあるのですが、
初心者にとってはわかりやすい方がいいですよね。
シネマ歌舞伎になっている作品は、
総じてわかりやすい作品が多いです。
加えて、もう見られない・・・という名舞台が
再現されている作品もあります。
なので、難しい、わからないという不安なく観られるのです。
月イチ「シネマ歌舞伎」2019の上映スケジュール
2019年4月~2020年2月まで、
10作品を映画館で見ることができます。
中には、上映期間が短い作人もあるので、
あらかじめ日程をチェックしておくことが必要ですね。
4月5日(金)~25日(木)
「野田版 桜の森の満開の下」133分
・深い深い桜の森で男が出会ったのは、美しくも残酷な姫。
坂口安吾の小説を下敷きに書き下ろされた戯曲、
妖しく美しい世界観に引き込まれます。
5月17日(金)~23日(木)
「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」118分
・大秘宝ワンピースを探して、仲間達と大きなる航海を続けるルフィ。
兄エースの処刑宣告を知り、エースを救うべく海軍との戦いに挑むのです。
6月21日(金)~7月4日(木)
「鷺娘/日高川入相桜王」61分
・ニューヨーク、ロンドン等世界中で大喝采を浴びた、玉三郎の伝説の舞台「鷺娘」。
同時上映として、安珍・清姫の話で知られる「日高川入相桜王」で、
玉三郎の舞の美しさを満喫できそうです。
7月5日(金)~11日(木)
「天守物語」117分
・白鷺城の最上階に住む異界の姫富姫のもとに、
逃した鷹を追って鷹匠の図書之助が迷い込んできます。
いつしか惹かれ合う二人の許されない恋がどうなるのか・・。
8月23日(金)~29日(木)
「グランドシネマ 日本橋」147分
・大正のはじめ、日本橋に指折りの名妓が2人いました。
姉の面影を追う男と2人の芸者の物語です。
9月27日(金)~10月17日(木)
「幽玄」120分予定
・坂東玉三郎×鼓童特別公演のシネマ化。
玉三郎が主演・舞台演出・映像編集等を務めた、
表現者としての玉三郎の集大成が見られます。
10月18日(金)~24日(木)
「スーパー歌舞伎ヤマトタケル」220分
・スーパー歌舞伎を世に知らしめた名作。
大和国の小碓の命が、熊襲征伐に向かい、
様々な困難を経ての物語です。
11月8日(金)~28日(木)
「女殺油地獄」110分予定
・両親に感動され、金に困った油屋・河内屋の与平。
親切にしてくれるお吉の元へ金の無心に行くが・・・。
凄惨な殺しの場面が話題の作品。
12月6日(金)~12日(木)
「人情噺文七元結」87分
・職人の腕もいいし人はいいが博打好きな長兵衛。
娘のお久は吉原に身売りの決意をする。
その帰り川へ身投げをしようとした文七と出会い・・。
山田洋次監督と中村勘三郎共演の人情喜劇。
2020年1月3日(金)~23日(木)
「廓文章 吉田屋」80分予定
・放蕩の末に勘当された若旦那の伊左衛門。
傾城夕霧へ会おうと吉田屋を訪れるが・・・。
仁左玉コンビが見せるしょっぱめ(?)ラブストーリー。
月イチ「シネマ歌舞伎」チケットの買い方、ムビチケ特別鑑賞券て何?
チケットですが、通常の映画と同様に、
上映館で直接あるいは、HPから購入することができます。
金額は、一律大人2100円、学生・子ども1500円。
ただし、「鷺娘/日高川入相桜王」は、一般・学生ともに1100円、
「スーパー歌舞伎ヤマトタケル」は、一般3100円、学生・子ども2000円です。
ムビチケといわれるものもあります。
特に、歌舞伎の舞台が描かれたムビチケカード3枚セットから成る、
特別鑑賞券「ムビチケカード3枚セット」(名前そのまんま~)だと、
5400円で3作品を観ることができます。
ヤマトタケルも鷺娘もオッケーらしいですよ。
3回観たい方には、お得なのでオススメです。
ひとつ残念なのは、特別上映なので、
映画の日やレディースデーなどの映画館の割引は利用できないとのこと。
そこは、予めご承知ください。
ちなみに、この月イチ「シネマ歌舞伎」に関する情報や、
それ以外の「シネマ歌舞伎」に関する情報は、
松竹が運営するこちらのサイトに詳しくでています。
上映館の確認などにご活用ください。
今日も読んでくださり、ありがとう存じまする。
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