歌舞伎役者の尾上菊之助が、
10月12日(土)放映の、「サワコの朝」に出演します。
さて、どんなトークが飛び出すのでしょうね。
尾上菊之助、「サワコの朝」に出演
歌舞伎役者の尾上菊之助が、
10月12日(土)に、MBS局で放映される
「サワコの朝」に出演します。
なんでも、「放送400回感謝月間!秋の豪華トークスペシャル」。
第二弾のゲストなんだそうです。
今年の5月に長男の和史くんが、
七代目・尾上丑之助を襲名したことでも話題を呼んだ菊之助、
父は、人間国宝の尾上菊五郎さん、母は女優の富司純子さん、
姉も女優の寺島しのぶさんという芸能一家の出身です。
2013年には、人間国宝の中村吉右衛門さんの四女・瓔子さんと結婚。
親戚に人間国宝が2人もいる華麗なる芸能一家の一員として
活躍し続けている方なのです。
その菊之助が、芸を継承していく者としての心のうちや、
12月に控えている新作歌舞伎についても触れるようです。
*祖父二人がデレデレだった、尾上丑之助襲名舞台については、こちらにも書いているので良かったらお読みくださいね。
歌舞伎役者尾上菊之助について
五代目尾上菊之助のプロフィール
尾上菊之助:本名 寺嶋 和康(てらしま かずやす)
生年月日 1977年8月1日
学歴 青山学院大学文学部中退
血液型 B型
祖父:六代目尾上菊五郎、父:七代目尾上菊五郎、母:富司純子、姉:寺島しのぶ
屋号:音羽屋
定紋:重ね扇に抱き柏、替紋は四つ輪
襲名:
1984年 「絵本牛若丸」牛若丸役(歌舞伎座)六代目尾上丑之助襲名・初舞台
1996年 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助役ほか(歌舞伎座)五代目尾上菊之助襲名
当たり役 「弁天娘女男白浪」弁天小僧菊之助
「鏡獅子」の小姓弥生
「京鹿子娘二人道成寺」の白拍子花子
若い頃は、市川海老蔵(当時:新之助)、尾上松緑(当時:松之助)とともに、
平成の三之助と若い女性を中心に大フィーバーを巻き起こしました。
音羽屋の芸の通り、現在は女形中心ですが、
最近は、立役での出演も目立ってきました。
2018年の大河ドラマ、「せごどん」では、
月照役として、お茶の間でも注目を浴びていました。
*詳しくはこちらに書いていますので、良かったらお読みくださいね。
尾上菊之助、「サワコの朝」で語った、襲名、結婚、玉三郎から学んだこと
阿川佐和子さんは、16年ほど前に、
尾上菊之助をインタビューしているとのこと、
当時はまだ独身でやんちゃなイメージだったと振り返ります。
まず、尾上丑之助襲名の舞台からお話が始まりました。
やはり、この舞台はとても大変だったようです。
歌舞伎は自分一人では何もできない、
先輩たちから学んだ芸をつないでいくものなので、
祖父、父、自分とつながってきた芸を伝えていきたい
という気持ちがあったとのことです。
その襲名舞台を振り返ります。
ここでも祖父たちのデレデレぶりが話題に・・・
自分が父として厳しくしているのに、
祖父は甘くて・・・。
でもそれは自身が子どもだった頃もそうだったみたいですよ。
当時の貴重な映像が残されていました。
自身の襲名について:思い出の曲1局目
「Tomorrow never knows」by Mister Chirdren
菊之助襲名の時に聴いた思い出の曲だそうです。
この時にぶち当たった壁が襲名。
学生なのに、その名にふさわしい実力が追いつかないので、
襲名を延ばしてほしいとお願いしたんですって。
1994年に話があったのは、
祖父尾上梅幸が体調が不安だったことにも原因があったそう。
しかし、延ばしてもらったまま、
1995年に梅幸はこの世を去ってしまいます。
その時、自分の判断がこれで良かったのか
という葛藤があったとのこと。
結局、1996年に襲名をするのですが、
そんな時に聴いたのがこの曲。
「明日のことなんかわからないけど、前へ進んで行こう」
という曲に励まされたそうです。
悪化する祖父と襲名との間の葛藤、
これは10代の青年には本当に重かったでしょうね。
しかし、その重圧を超え1年後に襲名したものの、
振り返るとちっとも実力は追いついていない。
1年待った甲斐がない舞台だったと
厳しい自己評価。
稽古熱心で有名な菊之助、
これは本当に悔しかったのでしょうね。
その悔しさは今でもバネになっているとのことで、
その気持ちが壁を乗り越えさせた様子がうかがえます。
坂東玉三郎から学んだこと
大きな転機となったのが、
名女形坂東玉三郎に指導してもらったこと。
2人で共演した時は、
稽古の時に知恵熱を出したくらい、
緊張したのだそうです。
師匠が隣で踊っているのに、ついていくのにいっぱいいっぱい。
玉三郎は、「好きなように踊りなさい。私が合わせるから。」
と言ってくださったそうですが、
そう言われてものびのびできない、というこれまた葛藤。
女形と立役について
現在菊之助は女形中心ですが、
最近は立役も増えてきています。
これは、音羽屋の芸が、
初めは女形で、だんだんと立役の芸を増やしていき大成した、
という流れがあったそうで、
代々そういう風になっているそうです。
つまり、女形と立役、両方を稽古することができるお家です。
しかし、菊之助、初めは女形をやることに
抵抗があったのですって。
それが、玉三郎に丁寧に教えてもらったことで、
女形の魅力、
例えば、芝居全体を見ているということ、
より女性らしく見せるための形があること、
を知り、楽しくなっていったとのことです。
加えて、型は見た目だけでなく、
心を映し出すものなので、
そこに心を入れることも教わったのだそうです。
尾上菊之助の女形の基盤は、
玉三郎から学んだものなのですね。
確かに、美しいです、菊之助の女形は。
自分は丁寧に教えてもらい、育ててもらったが、
自分はそれを教えることができるのだろうか、
ということも話していました。
結婚について
35歳で結婚した菊之助、お相手は中村吉右衛門の4女瑛子さん。
瑛子さんと結婚したい、
と中村吉右衛門に伝えた時は、
びっくりして椅子から落ちそうになっていたらしいです。
実父の尾上菊五郎は、
フランス人(姉しのぶの夫はフランス人)が来るよりも
びっくりしたと・・・。
歌舞伎役者の妻は大変と、
豪快な遊び方をする父と母を見ていて思っていた菊之助。
でも、自分もだんだんそれに近づいているらしいです。
全く違う環境で育った父と母の結婚、
これは相当大変なことだったようですよ。
歌舞伎界の梨園の跡取りと、
映画界の大物スター、
歌舞伎対映画、なんて構図だったのかな。
見てみたかったです。
ドラマ出演について
10月20日から始まるドラマ「グランメゾン東京」に
フレンチシェフ役で出演します。
料理は好きということで、
とても楽しいみたいです。
今、その包丁さばきを訓練するために、
朝ごはんを作っているらしいですよ。
新作歌舞伎への思い:2曲目「風の谷のナウシカ」オープニング
12月に公演が予定されている
「風の谷のナウシカ」で
菊之助はナウシカを演じます。
ジブリ作品が大好きで、
ナウシカを歌舞伎で上演したいと
宮崎駿監督にお願いしにいったところ、
快諾していただき、実現することになったんでしたよね。
*「風の谷のナウシカ」については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。
たった30分間でしたが、
サワコさんの聴く力の凄さ、
とてもたくさんのエピソードを紹介していただけました。
尾上菊之助の魅力が多くの方に
伝わったのではないかと思います。
さらりと語られてましたが、
歌舞伎の家の大変さを背負って立つ菊之助です。
きっとその芸を受け継ぎ、歌舞伎界の発展に
大きな役を果たしてくれる方だと信じています。
*歌舞伎の家については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。
読んでくださり、ありがとう存じまする。
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