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10月歌舞伎座芸術祭大歌舞、夜の部あらすじ、感想、見どころ、幕見席情報も

観劇レポート
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10月歌舞伎座芸術祭大歌舞,夜の部を観てきました。

役者一人一人の持ち味が生かされた、

充実のお芝居で、楽しめました。



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歌舞伎座芸術祭大歌舞伎の演目と主な配役、あらすじ、感想、見どころ

【夜の部:午後16時30分開演】

 

一、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)通し狂言 河竹黙阿弥 作

 

序幕

大川端庚申塚の場

二幕目

割下水伝吉内の場

本所お竹蔵の場

三幕目

巣鴨吉祥院本堂の場

裏手墓地の場

元の本堂の場

大詰

本郷火の見櫓の場

主な配役

和尚吉三  尾上 松緑

お坊吉三  片岡 愛之助

お嬢吉三  尾上 松也(偶数日)

中村 梅枝(奇数日)

おとせ   尾上 右近

十三郎   坂東 巳之助

堂守源次郎 坂東 亀蔵

八百屋久兵衛 嵐 橘三郎

土左衛門伝吉 中村 歌六

あらすじ

節分の夜更け、大川端にやってきた夜鷹のおとせは

道を尋ねられた娘に財布を奪いとられます。

この娘の正体は、盗賊のお嬢吉三。

その一部始終を見ていた御家人崩れの悪党、お坊吉三。

二人は互いの素性を明かし合い、

100両の金をかけて斬り合いを始めます。

ここへ割って入ったのは、

元は吉祥院の所化で今は盗賊をしている男で、

その名はなんと和尚吉三。

和尚はお嬢とお坊の諍いを仲裁し、

三人は同じ吉三の名を名乗る縁から、義兄弟の契りを結ぶのでした。

お嬢が奪った100両は、一旦は和尚が預かることとなりますが、

その後数奇な運命に導かれるがごとく、

さまざまな人の手を渡っていきます。

悪事を重ねた和尚、お坊、お嬢は手配の回る身となり、

三人は吉祥院へと逃れますが。

運命の悪戯とも言える、

因果応報の数々。

絡み合ったストーリーが、

悲惨な結末へと流れていくのです。

これ以上は、ネタバレになるので

ここまでにしておきます。

もう少しこの物語を知りたい方は、

こちらに書いていますので、よかったらお読みください。

https://kabukist.com/kitsa-1621

感想&見どころ

令和元年度(第74回)文化庁芸術祭参加公演だそうです。

歌舞伎らしさをたっぷり味わえるお芝居です。

序幕から第二幕までは、

三人の吉三が、それぞれ悪人ぶりを発揮、

三幕、大詰めは、

まさに因果応報ともいうべく、

複雑に絡んだエピソードが、

1つに集約されていくストーリー運びに、

この通し狂言の魅力を実感しました。

全ての登場人物が、

これ以外にはないという役割を果たしつつ、

1つも無駄がなく因縁づけられている、

魅力的なお芝居だと思いました。

その、登場人物を演じた役者も、

皆その個性を十分に演じきっていたなーと

思います。

私が観たのは、尾上松也のお嬢吉三。

中性的な雰囲気をまとい、

鼻っ柱が強い、ステキなお嬢吉三でした。

八百屋お七の趣向も混じっているそうなのですが、

お七と言っても納得できる、情の熱さを感じました。

中村梅枝のお嬢吉三も、観てみたいな。



二、二人静(ふたりしずか) 世阿彌元淸 原作 坂東玉三郎 補綴

主な配役

静御前の霊 坂東 玉三郎

若菜摘   中村 児太郎

神職    坂東 彦三郎

あらすじ

若菜摘が、吉野勝手神社の神職に遣わされて、

若菜川で若菜をつんでいルところへ現れた一人の女。

この女は、静御前の霊で、

若菜摘にのり移ります。

そのことを悟った神職が、

舞を所望すると、

静御膳が奉納した舞の衣装を

身につけた若菜摘みの女に姿を借り、

艶やかに舞うのでした。

感想&見どころ

能を題材にしたとあり、

所作も台詞も、

それに倣っているようでした。

能の正式な上演形式である5番立ての

3番目に位置する「鬘物(かずらもの)」と称される

曲に属するのだそう。

幽玄、優美な風情が特徴とありますが、

それらを味わえる作品です。

最小の動きで心のありようや情景を表現、

観ている者の想像力も問われる舞台です。

神職役の坂東彦三郎、

昼の部の赤い顔から全く違う役柄。

白面もとてもお似合いでした。

言葉はちょっと難しかったですが、

静御前の心情を、静御前の霊とそれがのり移った若菜摘の

二人で表現する舞は、

うっとり、ただうっとりする美しさでした。



10月歌舞伎座芸術祭大歌舞伎の幕見席情報

気になる気になる幕見席情報。

当日買えて、一幕から見られる幕見席の

販売時刻と値段をお知らせします!

*幕見席の見方については、こちらの記事を参考になさってくださいね。

【最新版】歌舞伎座一幕見席のチケットの料金と買い方、見え方、気軽に歌舞伎を楽しむコツ!2023年6月バージョン
歌舞伎座で手軽に歌舞伎を見る方法として、幕見席のチケットを買って見るというものがあります。 初心者でも大丈夫、実際に行くと外国の方や観光客も多いです。 コロナで中断していた幕見席が、 2023年6月からリニューアルして再開されることが決まり...

【昼の部】

発売予定時間 料 金 上演開始

時間

『廓三番叟』 1030 500円 11:00-
『御摂勧進帳』 1110 1,000円 11:36-
『蜘蛛絲梓弦』 1150 1,000円 13:06-
『江戸育お祭佐七』 1320 1,500円 14:18-
【夜の部】
発売予定時間 料 金 上演開始時間
『三人吉三巴白浪』序幕・二幕目 14:30 1,500円 16:30-
『三人吉三巴白浪』三幕目・大詰 16:45 1,500円 18:25-
『二人静』 18:40 1,000円 20:03-

10月歌舞伎座芸術祭大歌舞伎、夜の部の勝手にベスト3

では、夜の部を観劇して、私が選んだ勝手にベスト3です。

ベスト1:玉三郎&児太郎豪華な二人静

隣に座っていた若い女性が、

「よくわからなかった」と言って帰って行きましたが、

わかるとかわからないとかで観る舞台ではなく、

ただ、その風情を感じる舞台だと思います。

引くところは引き、

盛るところは盛る、

そこを楽しめばいい舞台。

1つの中に、能のエッセンスや、

邦楽のハーモニー、

豪華な装束、

そして2人だけの舞い、

これだけで大満足できます。

圧倒的な美を誇る、世界の坂東玉三郎と、

並んで舞う中村児太郎も、

見事だったと思います。

観るたびに、新たな面を見せてくれるので、

その可能性がますます楽しみな方だと思っています。

ベスト2:黙阿弥の台詞に聞き惚れる三人吉三

通し狂言三人吉三、

観た後も、色々と心に残る場面が多く、

やはりこれは名作だなあと思います。

各々の吉三が抱えた業は、

別個のようですが見えないところで繋がっていた。

出会ったところから終末まで、

様々なエピソードからその繋がりがほぐれていく過程、

親子兄弟への思いの吐露など、

七五調の流れるようなセリフで、

語られるそれらがとても心に残るお芝居です。

セリフで歌舞伎を観るという体験を

ぜひ味わってほしい名作です。

3:音楽と語りの効果

昼の部も同じようなことを感じたと思いますが、

夜の部もまた同じ。

音楽の効果は絶大である、と感じました。

歌舞伎に使われる音楽は、

清元、竹本、長唄などなどあるようですが、

まだその点は不勉強なので、

説明する言葉がありません。

ただ、音楽に乗せて語られる言葉、

それを聴きながらお芝居を観ることで、

その情景描写がすんなり心に入ってくる心地がします。

おまけ:尾上右近、親子で共演(?)

三人吉三の大詰め、

ずらっと並んだ清元連中の中にひときわ目立つあのお方、

清元延寿太夫、尾上右近のお父様です。

筋書きを見ると、お兄様のお名前もあるので、

御簾の中で三味線を奏でておいでだったのかな、

なんて思ってしまいました。

この場面は、おとせ は出ませんが、

同じ演目で親子共演だ~と

一人で盛り上がっていました。

歌舞伎座、夜の部もたっぷり楽しめます。

これからの方はお楽しみに!

まだお悩み中の方は、

ぜひ足をお運びくださいね。

読んでくださり、ありがとう存じまする。

10月歌舞伎座芸術祭大歌舞伎昼の部については、こちらに書いていますので、よかったらお読みくださいね。

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10月の歌舞伎座芸術祭大歌舞伎、 本日初日を迎えました。 10月2日(水)~26日(土)までの上演になります。 今日は、昼の部を観劇したので、 その感想も交えて、昼の部の見どころを お伝えします! (adsbygoogle = window...



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