4月2日から、歌舞伎座では「4月大歌舞伎」が、
始まりました。
平成から令和の時代へ、移り変わりの今月、
華やかで見所満載の舞台となりそうです。
今日は、私の観劇レポも交え、
4月大歌舞伎についてお知らせします。
歌舞伎座、4月大歌舞伎の見所は?
1.平成最後を飾る「平成代名残絵巻」
午後の部の幕開けは、「平成代名残絵巻」
でした。
実は、この演目だけを、
先日幕見席で観てきました。
昨年9月に舞台復帰を果たした
9代目中村福助の姿を見たかったからです。
この演目は、
「平成」の世を讃える新作だそうです。
平家全盛の時代、
常盤御前と平宗清を始めとした
源氏方と平氏方の人物が次々と登場。
そして源氏の白旗をめぐり、ひと波乱が起きます。
中村福助が演じる常盤御前は、
十二単を身に付けた艶やかな姿、
左手の動きとセリフを操り、
源氏最高の願いを遮那王に伝え、白旗を渡します。
体の動きはまだ万全ではないように見えますが、
品のある美しさとよく通る声は健在でした。
この演目の収穫は、
平知盛を演じた坂東巳之助の
猛々しい武将の演技。
遮那王を演じた、2代目中村児太郎の
キレの良い所作と、若武者らしい闊達さを
演技から感じ取れたことです。
期待の若手が、
しっかりと舞台をもり立てていることを嬉しく思いました。
そしてニュースにもなりましたが、
「令和」の混じったセリフのやりとり、
まさに時代の変わり目を彩るに、
ふさわしいお芝居だったと思います。
ぜひご覧になることをお勧めします。
*中村福助についてはこちらも参考にどうぞ
2.坂田藤十郎米寿の祝い
午後の部、3幕目は、
「寿栄富士末廣」です。
これは、歌舞伎界の大大重鎮、
坂田藤十郎の米寿記念のご祝儀舞踊です。
うららかな春の宮殿、女帝が長寿の象徴である
鶴と亀にふんした廷臣と従者を従え
お出まします。
廷臣と従者は女帝の長命長寿を願って
吉例の舞を舞うのでした。
記念の舞台と言うこともあり豪華絢爛な衣装をつけた
出演者たちの華やかな舞台が期待されますね。
この舞台では、息子の中村鴈治郎、
孫の中村壱太郎も共演しています。
親子孫三代が、ともに舞う姿も、
楽しみなところです。
*中村壱太郎についてはこちらからも参考にどうぞ
3.「黒塚」を猿之助が舞う
夜の部の2幕目は、
「黒塚」を市川猿之助が演じます。
「黒塚」は、猿翁十種に挙げられる
市川家の代表的な芸の1つです。
ストーリーは、
諸国行脚の途中の理阿闍梨祐慶一行が
ススキが生い茂る奥州安達原で
岩手と言う老女の家に一夜の宿をこいます。
実は、この岩手は鬼女でした。
一旦は祐慶の言葉に心が救われ、
喜びのあまり子供のように舞うのですが、
正体がバレ、祐慶達一行との戦いとなります。
猿之助が見せる、
老女、童心に帰った岩手、鬼女の
それぞれの演じ分けに興味が高まります。
手に汗握る一瞬を味わえる名作、
これも4月大歌舞伎の見所と言えます。
*市川猿之助については、こちらからもどうぞ
4月大歌舞伎の演目と主な役者、公演時間
〈4月大歌舞伎昼の部〉
「平成代名残絵巻(へいせいみよなごりのえまき)」 11:00-11:40
・常盤御前:中村福助
・藤原資房:河原崎権十郎
・平知盛:坂東巳之助
・遮那王:中村児太郎
・平宗清:坂東彌十郎
「新版歌祭文 座摩社・野崎村(しんばんうたざいもん ざまのもり・のざきむら) 」 12:10-2:20
・油屋娘お染:中村雀右衛門
・丁稚久松:中村錦之助
・久作娘お光:中村時蔵
「寿栄藤末廣 鶴亀(さかえことほぐふじのすえひろ)」 2:35-2:56
・女帝:坂田藤十郎
・亀:市川猿之助
・鶴:中村鴈治郎
「御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)」 3:11-3:50
・白井権八:尾上菊五郎
・幡随院長兵衛:中村吉右衛門
〈4月大歌舞伎、夜の部〉
「源平布引滝 実盛物語(げんぺいぬのびきのたき さねもりものがたり)」4:30-5:55
・斎藤実盛:片岡仁左衛門
・小万:片岡孝太郎
・瀬尾十郎:中村歌六
「「猿翁十種の内 黒塚」 18時50分 1400円 19時23分猿翁十種の内 黒塚(くろづか)」6:25-7:38
・老女岩手/実は安達ヶ原の鬼女:市川猿之助
・強力太郎吾:市川猿弥
・阿闍梨祐慶:中村錦之助
「二人夕霧(ふたりゆうぎり)」 7:58-8:56
・藤原伊左衛門:中村鴈治郎
・後の夕霧:片岡孝太郎
・前の夕霧:中村魁春
全員のお名前は掲載できず・・・
申し訳ありません。
こちらがチラシです。
4月大歌舞伎の幕見席情報
演目 | 発売予定時間 | 料金 | 上演開始時間 |
「平成代名残絵巻」 | 10時30分 | 600円 | 11時 |
「新版歌祭文 座摩社・野崎村」 | 11時15分 | 1800円 | 12時10分 |
「寿栄藤末廣 鶴亀」 | 12時25分 | 600円 | 14時35分 |
「御存 鈴ヶ森」 | 14時45分 | 1000円 | 15時11分 |
「源平布引滝 実盛物語」 | 15時25分 | 1500円 | 16時30分 |
「猿翁十種の内 黒塚」 | 16時45分 | 1400円 | 18時25分 |
「二人夕霧」 | 18時40分 | 1100円 | 19時58分 |
料金は全て税込です。
*幕見席の買い方、見方についてはこちらも参考になさってください。
今日も読んでくださり、ありがとうございました。
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