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3月大歌舞伎、夜の部の見どころ。演目、仁左衛門、幸四郎、猿之助、勘太郎など人間国宝から子役まで豪華な役者陣

観劇レポート
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歌舞伎座で上演されている、3月大歌舞伎を観てきました。

観たのは、3月12日の夜の部です。

偶数日を選んで行ったのは、猿之助の弁天小僧が観たかったから。

元々、市川亀治郎の名の時は、女形の役が多かったことや、

叔父の先代猿之助(現市川猿翁)の弁天小僧を見ていたことも、

選択の要因でした。

ポスター見ても、猿之助の方が太々しい表情なんですよね(私感です)。

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3月大歌舞伎、夜の部の演目は?

さて、その気になる演目、公演時間と主な配役は以下の通りです。

「近江源氏先人館『盛綱陣屋』」 16時30分~

・佐々木三郎兵衛盛綱(片岡仁左衛門)

・高綱妻篝火(中村雀右衛門)

・盛綱妻早瀬(片岡孝太郎)

・盛綱母微妙(片岡秀太郎)

・和田兵衛秀盛(市川左團次)

「雷船頭」 18時45分~

〈奇数日〉

・女船頭(市川猿之助)

・雷(大谷廣太郎)

〈偶数日〉

・船頭(松本幸四郎)

・雷(中村鷹之資)

「弁天娘女男白浪」19時23分~

〈奇数日〉

・早瀬主水娘実は弁天小僧菊之助(松本幸四郎)

・若党四十八実は南郷力丸(市川猿弥)

・鳶頭清次(市川猿之助)

〈偶数日〉

・早瀬主水娘実は弁天小僧菊之助(市川猿之助)

・若党四十八実は南郷力丸(松本幸四郎)

・鳶頭清次(市川猿弥)

〈共通〉

・忠信利平(中村亀鶴)

・赤星十三郎(市川笑也)

・玉島逸当日は日本駄右衛門(松本白鸚)

主な配役といえど、

錚々たるメンバーなんですよ。

人間国宝の片岡仁左衛門を筆頭に、

歌舞伎に加えて現代劇やドラマでもおなじみの松本白鸚、

人気抜群の中堅、松本幸四郎と市川猿之助。

実力派の市川左團次、中村歌六、中村雀右衛門、大谷友右衛門、

そして、今話題の子役である、

中村勘九郎の長男、中村勘太郎と、

寺嶋しのぶの長男、寺島眞秀も熱演を見せています。

全員の名前を紹介しきれず、申し訳ないくらいです。

 

3月大歌舞伎、偶数日の夜の部を観劇してきた!その見どころ

では、観劇した夜の部についてのレポートです。

「近江源氏先人館『盛綱陣屋』」仁左衛門の盛綱の悲哀と勘太郎の小四郎に泣けた

2月は、中村吉右衛門の「熊谷陣屋」に泣きました。

今月は、やはりここでの小四郎役の勘太郎の演技に

涙が止まりませんでした。

源平の争いの中、敵味方に別れるという悲劇に見舞われた、

佐々木盛綱と高綱兄弟。

源氏方の盛綱の屋敷に、高綱の子息小四郎が捉えられます。

その小四郎をめぐり、盛綱と高綱の謀略が対峙するストーリー。

先の記事にも書いたように、

浄瑠璃の語りに合わせた登場人物の動きと表情が、

巧みに場面を盛り上げ、感極まったところで、

悲劇へと展開していく構成は見どころたっぷりです。

秀太郎演じる盛綱の母微妙は、多くの演目の中でも

三婆と言われる大役です。

品があり、情愛を持ちつつもお家の道理を大事と貫く、

大奥方の覚悟に対するのが、

家の務めより我が子への愛を一途に見せる、

高綱妻の篝火。

これは中村雀右衛門が、母の愛を丁寧に見せることで、

小四郎覚悟の自害をより哀れさを募っていたと感じました。

この小四郎を演じたのが、中村勘太郎です。

よく通る声で、ボリュームのあるセリフをしっかりと言い切り、

両親を恋い慕いながらも、家のために自らの命を差し出す、

その健気な姿を全身で表現していました。

この日一番の拍手は、彼の熱演にあるのではないかと思ったくらい、

私もすっかり魅入られました。

「雷船頭」注目は、幸四郎の2枚目船頭に絡む、鷹之資の雷

これは、舞踊劇です。

おかしみのあるストーリーで、船頭と雷のやりとりを舞で表現。

幸四郎は、花のある2枚目ぶりが舞台に映えます。

雷役の鷹之資が、私からするとめっけもんでした。

キビキビとした所作や表情を豊かに見せる工夫から、

雷の存在がひときわ大きく見えました。

父は人間国宝の故中村富十郎、

舞踊の才は父譲りの逸品かと感じさせる器でした。

 

「弁天娘女男白浪」猿之助の弁天小僧と、幸四郎の南郷力丸はじめ、5人衆が揃う場が圧巻

歌舞伎の中でも人気の高い演目です。

呉服屋にたかりに来た弁天小僧菊之助と南郷力丸。

冒頭のお嬢様とお侍のくだりは初々しく華やかですが、

本性を暴かれてからの悪党ぶりに、引き込まれます。

「知らざあ言って聞かせやしょう・・・」から始まるおなじみのセリフ、

きゃーっと黄色い声で叫びたくなる名場面です。

市川猿之助は、

おとなしやかなお嬢様から、

あぐらをかいてくだを巻く小悪党へと変貌する様を、

スカッと小気味好く見せてくれます。

松本幸四郎の南郷力丸は、

ちょっと線の細さが気になるのですが、

その分飄々とした悪の魅力を醸し出していると思いました。

たかられる呉服屋の主人の大谷友右衛門が、

また、たかられ役にぴったり。

大詰めの稲瀬川土手のシーンでは、

傘を片手に功名を語る5人の悪党にうっとりしました。

これも私感ですが、

やはり歌舞伎は美しさが大事。

すっきりとした佇まいにキレの良い語りが、

最後を飾るのにふさわしいなあと感じます。

ストップモーションの幕切れは、

芝居絵のような艶やかさでした。

私としては大満足の観劇でした。

奇数日の弁天娘も見てみたいなあと、

ちょっと幕見席をチェックしてしまいましたよ。

 

千秋楽は27日です。

チケットは松竹のサイトから購入できますよ。

今日も読んでくださり、ありがとう存じまする。

3月大歌舞伎については、こちらの記事にもかいているので参考になさってくださいね。

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注目の中村鷹之資さんについては、こちらの記事も参考になさってくださいね。

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