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坂東巳之助、寿曽我対面(11月歌舞伎公演)の感想

観劇レポート
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11月歌舞伎座の顔見世大歌舞伎、

第2部は10代目坂東三津五郎さんの追善公演でもある

「寿曽我対面」が上演されています。

その感想をこちらでは書いていきます。



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坂東巳之助さん、父三津五郎さんの追善公演で曽我五郎役の意味

10代目坂東三津五郎さんは、2015年2月にご逝去されました。

このニュースには、呆然となりましたよ・・・。

あれから早いもので、2021年11月の歌舞伎座公園では、

三津五郎さんの7回忌追善公演が開催されています。

その演目が、「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」。

これは、三津五郎さんの襲名舞台での演目なのです。

その時演じたのが、主人公の曽我五郎です。

荒事の典型的なお役で、

歌舞伎のヒーローの中でも群を抜いた人気を誇る人物です。

三津五郎さんは、

どんな役でもそつなくこなす器用な役者さんで

舞踊の名人であることから、身体を使った表現に長けた方

という印象が私にはありました。

この「寿曽我対面」は、多くの役者が顔を揃える演目であり、

曽我五郎はまさに身体を使った表現が求められるお役なので、

追善公演の演目として選ばれたのではないかと考えたところです。

座頭に、尾上菊五郎さんがついたのも

至極納得です。

その感想を次に書いていきます。

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寿曽我対面(11月歌舞伎座公演)の感想

今回観劇して、まず劇場前の遺影に泣きました・・・

もっと、お芝居を見せていただきたかったです。

では感想は3つ印象に残ったことを紹介します。

坂東巳之助、曽我五郎が初役とは思えない!

坂東巳之助さん、三津五郎さんのご長男ですが、

曽我五郎は初役ということです。

実は2021年の1月に、

「寿浅草柱建」という演目名で上演されたのが、

この「寿曽我対面」でした。

その時、巳之助さんが演じたのは、小林朝比奈でした。

巳之助さんというと、

「ボンクレー」を思い起こす方も多いんじゃないでしょうかね。

ワンピースで演じたおかまキャラです。

あれが、めっちゃハマっていて、私にもあのイメージが強いです。

でも、今年の9月に、市川猿之助さんの代役で岩藤を務めた舞台を観て、

この人うまい役者になるんじゃないかって思いました。

その役に入るのがうまい、、という意味です。

どっちかというと、癖のある悪役が似合うと思っているので、

曽我五郎のようなイケメン武者が

とってもぴったりだったのが大きな収穫でした。

居並ぶ大役者さんの前で、堂々と演じていらしたのも印象的ですが、

一つ一つの見得やセリフをしっかり見せている、

というところが特に感心したところです。

舞台から飛び出ちゃうんじゃないかっていうくらいの勢い、

きっと本当の五郎も長年狙ってきた仇を目の前にして

はやる気持ちを抑えていたらこんな風なんだろうなあって思えました。

巳之助さんの五郎は、必見!と思いました。

尾上菊五郎の座頭としての貫禄がさすが

尾上菊五郎さんが座頭として、工藤祐経を演じていました。

本来なら、周りの方々に促されて高座につくのですが、

今回は初めから座についているという演出でした。

これは、菊五郎さんの大きさを表しているのかなとも感じたのですが、

本当に貫禄たっぷりの工藤でした。

この前の月の演目が、ちょっと滑稽なお役だったので、

それとは対極です。

表情はあまり変えず、細かい手や顔の動きで

意思や感情を表す体です。

朗々と響く声も、うわ、さすが~、パワーある!!

って思える立派さです。

て、私がいうのもなんですが・・・

最近見た工藤の中では、一番、一﨟職(筆頭大名)に近い

権力者としての存在感があると思いました。



坂東三津五郎を偲び豪華な役者が揃う舞台

この舞台の一番?の見どころにあげたいのが、

居並ぶ役者さんたちが、まっこと見事だったことです。

襲名舞台の時も、

多くの役者さんたちが、様々なお役を務めて、

襲名のお祝いをするのですが、

この舞台でもゆかりの役者さんたちがずらりと顔を見せていました。

中村時蔵さんが、曽我十郎を務めていたのですが、

はやる弟と対照的な、冷静で知的な兄を好演。

何気なく寄り添うお姿に、巳之助さんを支える兄の姿が重なりました。

小林朝比奈には、尾上松緑さん。

この方も、道化でありながらも重要なお役。

鬼王新左衛門は市川左團次さん、

大磯の虎には中村雀右衛門さん、

八幡三郎には坂東彦三郎さん、、、、

そしてそして、巳之助さんの後見として坂東秀調さんですよ。

巳之助さんを支えながら、

坂東三津五郎さんを偲んでのお芝居という感がにじみ出ていて

感無量な気分でした。

もう言葉に言い表すのももったいないくらいの気持ち、ってことです。

この舞台、坂東三津五郎さんがご覧になって静かに微笑む姿が目に浮かびました。

きっと、どこかのお席で見ていらしたと思います。

誰もいない最前列か4階席当たりかな・・・

坂東巳之助さんは、これから、三津五郎さんが築いてきた芸を

自分のものとして立派な役者さんになっていくのだろうな~

そんな思いでいっぱいになった感激しきりの演目でした。

読んでくださり、ありがとう存じまする。

 

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