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「日高川入相花王」「鷺娘」坂東玉三郎の美を堪能!シネマ歌舞伎感想

観劇レポート
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坂東玉三郎の名舞台がスクリーンに登場!と

話題のシネマ歌舞伎「日高川入相花王」「鷺娘」を

観てきたので、感想を紹介します。

歌舞伎役者、一番のご贔屓は坂東玉三郎なんです。

映画館でも彼(彼女?)の美しさは健在でした。



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「日高川入相花王」坂東玉三郎の清姫は人形振りの所作でも美しい

「日高川入相花王」は、人形浄瑠璃芝居が

歌舞伎化された作品です。

ここでは、「渡し川の段」といい、

清姫が安珍を追って皮を渡ろうとする場面が描かれます。

人形浄瑠璃に倣って、

登場人物である、清姫と船頭が人形振りという手法で

演じるのが見どころの一つです。

 

この場のあらすじを簡単に説明します。

安珍を追って、川の渡し場にきた清姫。

道成寺に行くためには、この川を渡らなければなりません。

船頭に頼みますが、船頭は安珍に娘がきても渡すな、

と言われているので、清姫の頼みを断ります。

嫉妬と執念に取り憑かれた清姫は、

川に飛び込み台じゃとなって向こう岸にたどり着くのです。

 

この清姫を演じたのが坂東玉三郎、

その人形遣いに尾上菊之助、

船頭に坂東薪車(現、市川九団次)。

背景は人形浄瑠璃に倣って真っ黒な幕が引かれています。

その前で、黒子と人形遣いに操られる体で、

玉三郎が清姫を演じます。

人形だから、表情がありません。

細かい所作も人形に倣っています。

人間なのに、本当に人形のような体の動きに、

まずはびっくりしました。

表情がないのに、執念が滲み出るのは

なんでなんだろう?

無表情で感情を表現する凄みですかね。

スクリーン越しの役者の念のようなものも感じました。

印象的だったシーンが、

嫉妬のため頭を上下に振って悶えるシーン、

あの頭の動き具合は本当に人間か???

って思うくらい、リアルに人形でした。

尾上菊之助の手さばき、黒子のサポート、

これも人形を扱っているかのようでした。

スクリーンだからこそ、細かいところまでしっかり見えちゃう、

だから余計に面白く感じたのかなって思います。

大蛇になって川を渡る場面も迫力満点でしたよ。

もう一つ、坂東薪車時代の市川九団次が

やはり人形振りで船頭を演じているのも、

見ものです。

こちらはさらに人形っぽかったですよ。



 

「鷺娘」坂東玉三郎の美を集結、世界が絶賛した舞台

続いて「鷺娘」です。

これは是会が絶賛した舞台ということで、

どうしても観たかったです。

この作品は、坂東玉三郎の代表作とも言えます。

1984年には錚々たる世界的アーティストが顔をそろえた

メトロポリタン・オペラハウス 100周年記念のガラコンサートで上演し、

大喝采を浴びました。

私はリアル舞台を見ていますが、

ただただ美しい舞台上の鷺の精に虜になりました。

 

この作品は舞踊劇です。

道ならぬ恋に苦しむ鷺の精が、

娘に姿を変えて、その心を切々と訴えます。

降りしきる雪に呑まれるかのように、

踊りながら地面に倒れ生き絶えてしまうのです。

 

鷺の精から娘へ、そしてまた鷺の精へ。

踊りながら衣装や髪型の早替わりもあります。

スクリーンの中の歓声に呼応するかのように、

客席からもため息が漏れます。

この美しい、完成度の高い舞台は、

数十キロにも及ぶ衣装や鬘を身につけて、

踊り続けるという

難度の高い舞台でもあります。

そのため、体力の消耗も激しく、

2009年を最後にもう踊ることはないと玉三郎は明言しています。

しかし、私たちにはシネマというものが残されました。

リアルな感動は無理でも、

スクリーンの中に感動を見ることができる作品でした。

この作品のために、言葉を寄せてくれた方もいらしたとか。

メディアでも紹介されていたので、

こちらにも引用して紹介しますね。

 

まずは、ミハイル・バリシニコフさん。

美が、完璧な人間という器を得ることはまずない。

坂東玉三郎の『鷺娘』を除いては。

彼のパフォーマンスでは優雅さ、テクニック、ビジョン、

そしてドラマがその不滅の肉体において一つになっている。

すべての瞬間は感情に満ち溢れ――時に抑制され、時に解放され――、

しかしながら常に、この現代最高峰の女方の圧倒的な

コントロールのもとにおかれている。

 

次に、シルヴィ・ギエムさん。

『鷺娘』を観た日、一緒に鑑賞した姪にこう言った。

「今まさに『美』を観たのよ。」

人生には、シンプルで純粋な感情を目撃した衝撃で、

自分が永遠に変えられてしまう瞬間がある。

この舞台はそんな瞬間だった。

 

予告編がYouTube に上がっています。

こちらで少し見ることができますよ。

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特に「月イチ歌舞伎」と名付けられたこの一連のロードショーは、

多くの作品の中から、珠玉の名作を取り揃え紹介しています。

この「日高川入相花王」「鷺娘」は、

6月21日(金)~7月4日(木)まで、

全国57カ所の映画館で上映中です。

東銀座の東劇は、1日複数回上演しているので、

他の映画館よりも観に行きやすいかも!!

100分ほどの作品なので、お値段も1100円と破格です。

こちらにもシネマ歌舞伎について書きましたので、よかったら読んでみてくださいね。

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