梨園の御曹司が続々と歌舞伎界に新風を巻き起こしています。
その筆頭たるや、この10代前半の若手役者たちです。
今日は、染五郎、團子、龍生、左近という、
10代前半の4名の歌舞伎役者(50音順敬称略)を紹介します。
市川染五郎は、シャイな美少年、大役を得て人気も実力も上昇中
まずは、八代目市川染五郎。
プロフィールから紹介します。
八代目市川染五郎のプロフィール
八代目市川染五郎:本名 藤間 齋(ふじま いつき)
生年月日 2005年3月27日
出身地 東京
血液型 AB型
身長 174cm
学校 青山学院中等部在籍中
家族 祖父:二代目松本白鸚、父:十代目松本幸四郎、母:藤間園子、妹:藤間薫子(松田美瑠)
屋号 高麗屋
定紋 三つ銀杏
襲名
2007年 「侠客春秋傘」で初お目見え
2009年 「門出寿連獅子(かどんでいおう ことぶき れんじし)孫獅子役で、四代目松本金太郎を襲名し初舞台
2018年 「勧進帳」源義経役で八代目市川染五郎を襲名
手垢のついた表現で申し訳ありませんが、
「美しい」少年。
すらりとした体躯で、あの美しさ、ソフトな声(声変わり中らしいですけど)。
昔の少女漫画に出てくる王子様のイメージです。
しかも、高麗屋という名門の御曹司。
これは、話題になります。
昨年(2018年)に、市川染五郎という
大きな名前を受け継いでから、
演じる役も、大きくなっているように思います。
特筆すべきは、
6月歌舞伎座の「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)」の
磯松役。
ロシアの奥地を漂流する過程で、成長していく様子に、
本人の役者としての成長を重ねて見てしまった人は、
少なくないと思います。
まだ、14歳です。
父や市川猿之助、團子等と共演した、
「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」は、
すでにシリーズ4作目となりました。
後述の市川團子との息もぴったりで、
ちょっと情けない弥次喜多さんたちを
支えるしっかり者を好演しています。
学校と、歌舞伎との両立は大変でしょうが、
これだけ注目されていますから、
すくすくとその実力を伸ばしていってほしいと思います。
母である園子さんが運営するソノスタグラムには、
染五郎の素顔も登場します。
気になる方はフォローしてはいかがでしょうか。
*市川染五郎については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。
*6月大歌舞伎「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)」は、こちらに書いていますので、よかったらお読みくださいね。
市川團子は、遅いデビューだが、伸び代に期待の目が・・・。
彗星の如く現れた、
澤瀉屋のニュースター、市川團子。
五代目市川團子のプロフィール
五代目市川團子:本名 香川 政明(かがわ まさあき)
生年月日 2004年1月16日
血液型 AB型
家系 祖父:二代目市川猿翁、父:九代目市川中車(香川照之)、
祖母:浜木綿子(女優)
学校 青山学院中等部
屋号 澤瀉屋
定紋 八重澤瀉
襲名 2012年 『ヤマトタケル』のワカタケル役で五代目市川團子を名のり初舞台(新橋演舞場)
往年の大役者、二代目市川猿翁のお孫さんです。
にも関わらず、デビューは8歳と、
他の梨園の御曹司と比べるとちょっと遅い。
それは、父の幼い頃の生育歴にちょっと関係があるんです。
父の市川中車、おそらく香川照之という名の方が
馴染みがある方が多いと思います。
俳優として活躍していた香川が歌舞伎役者を目指したのも、
團子の存在が大きいと言います。
團子自身は、澤瀉屋の直系として、期待されながらも、
他の御曹司とは違い、幼い頃から歌舞伎の環境にあったわけではありません。
そのため、そのハンデを中傷されたこともありました。
しかし、よっぽどの努力家なんだと思います。
今は、ぐんぐんと力をつけてきて、
舞台で堂々と演技する姿が見られるようになっています。
その成長に、目を見張る者も多いそうですよ。
先述の市川染五郎とのコンビで出演した、
「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」では、
主役の弥次喜多コンビを凌ぐ人気も
あったそうです。
祖父猿翁と叔父猿之助の芝居を見ていると、
アドレナリン大放出のように感じることがあるのだとか。
自分自身もその世界に入り込んでしまうタイプらしく、
そういう姿勢に、澤瀉屋の血が流れていることを感じました。
まだ若い蕾の時、これからどんな花を咲かせてくれるのか、
楽しみな役者です。
八月納涼歌舞伎初日です。香川照之、Twitterを始めました!
息子に背を抜かれたご報告から。 pic.twitter.com/KRHcIccWSE— 香川照之 / 市川中車 (@_teruyukikagawa) August 9, 2018
*市川中車については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。
*8月納涼歌舞伎「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。
大谷龍夫は、まだまだ未知数
まだ舞台は2回しか経験がない未知数の役者もいます。
大谷龍生のプロフィール
大谷龍生:本名 井上 公春(いのうえ きみはる)
生年月日 2007年3月26日
家系 祖父:春本泰男(新派)、祖母:清元延はる寿(清元三味線方)、
父:初代大谷桂三、叔父:清元邦寿(清元三味線方)、従兄弟:尾上松也
屋号 十字屋
定紋 巴の二重丸
お稽古 箏曲山田流、クラシックバレエ
好きなこと カラオケ、城ドラ、マンガを書くこと
好きな食べ物:お寿司、スッポン雑炊、牛丼、チョコ、あんぱん
好きな色:黄、青、金
初お目見え 2015年 「競伊勢物語」の旅人倅春太郎役で初御目見得
初舞台 2017年 「奴道成寺」の所化 苦念坊役で、初代 大谷龍生として初舞台
まだ、舞台は2回ということで、
未知数だなあと思います。
大谷桂三は、尾上松也の父、故尾上松助の弟です。
弟の死後、自分も身を固めないと・・・と
遅い結婚をし、56歳の時に生まれたのが龍生です。
初舞台の時には小学生、
学校を早退して1ヶ月お役に臨んだそうです。
風邪はひかなかったけれど、
頭にコブを作り、鬘が入らなくて大変だった、
と話していました。
この初舞台が、役者になるという気持ちを強めたそうで、
今は、舞踊を中心にお稽古に励んでいるそうですよ。
これから、どんなお役を務めるのか、
舞台での成長を楽しみにしています。
尾上左近は、芝居も舞踊も器用にこなす、音羽屋の期待
最後は、尾上左近、尾上松緑の長男です。
三代目尾上左近のプロフィール
三代目尾上左近:本名 藤間 大河 (ふじま たいが)
生年月日 2006年1月20日
家系 祖父:故三代目尾上松緑(初代尾上辰之助)、父:四代目尾上松緑
屋号 音羽屋
定紋 四ツ輪に抱き柏
初お目見え 2009年 「音羽嶽だんまり」の稚児音若役で藤間大河の撫で初お目見え
襲名 2014年 「倭仮名在原系図~蘭平物狂」の一子繁蔵役で三代目尾上左近を襲名し初舞台を踏む
襲名の記者会見では、「大立ち回りをやりたい」と
言っていた記録がありました。
今でも、「蘭平物狂」は大好きな演目だそうです。
それから、5年、現在は声変わり中とはいうものの、
2月の尾上辰之助(祖父)追善公演では、
『當年祝春駒』で曽我五郎を演じました。
中学生になり、役に感情移入することを
意識するようになったそうです。
どちらかというとインドア派で、アニメを見たり、ゲームをしたり
するのが好きだということです。
音羽屋だと、伝統的な芝居に出ることが多いと思いますが、
新しいタイプの芝居にもハマりそうですね。
お芝居だけではなく、舞踊もしっかり稽古をされているので、
キビキビとした所作が印象的な舞も
魅力の一つではないかと思います。
やってみたい役は「白浪五人男」の弁天小僧菊之助!
これからの歌舞伎を支える新世代ですね♪
三代目尾上左近初舞台を発表 | 歌舞伎美人(かぶきびと) http://t.co/e47FjnklJ8 pic.twitter.com/jQIHIF4hyy— シネマ歌舞伎 (@cinemakabuki) April 25, 2014
*2月の尾上辰之助追善公演はこちらにも書いていますので、よかったらお読みくださいね。
今日は、十代前半、期待の若手歌舞伎役者を4名紹介しました。
若芽が萌え出す時の、生命力を感じる方たちです。
見た目もステキだし、どう成長していくか、
見守りながら応援していきたいです。
十代後半の役者さんも、キラキラ輝いている方がいらっしゃるので、
別の記事で書いていきますね。
読んでくださり、ありがとう存じまする。
*10歳以下の子ども歌舞伎役者については、こちらに書いていますので、よかったらお読みくださいね。
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