歌舞伎座9月公演(2020)の見方&2部と3部の観劇感想〜初心者でもOK!9月も歌舞伎を観よう〜

9月1日、無事に歌舞伎座の9月大歌舞伎が初日を開けました。

8月に続き、コロナ禍でも歌舞伎が観られるのは、

本当にありがたいことです。

しかも、8月に続いて4部制のため、

初心者でも見やすくなっています。

どうやったら、9月大歌舞伎が観られるのか?

楽しみ方も含めて、観劇レポートをお届けします。

9月大歌舞伎2020は8月の花形歌舞伎と同様に4部制です。

演目の詳しい案内はこちらに書いてあるので、

参考になさってくださいね。

8月花形歌舞伎が初日を迎えた今日、 歌舞伎座の9月大歌舞伎の公演情報も発表となりました。 例年は、初代中村吉右衛門を偲び、 ...




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歌舞伎座9月公演(2020)、初心者も楽しめる見方紹介~チケットの取り方~

9月1日現在、チケットにはまだ余裕があるようです。

オンデマンドも始まったので、

遠方の方や高齢の方は我慢しているのかもしれないですね。

それでも、思い立って「歌舞伎観よう!」と思ったら、

最初にチケットが気になりますね。

歌舞伎のチケットは、一般のプレイガイドでも購入できますが、

私は松竹が運営するインターネットのサービスチケットWeb松竹か

チケットフォン松竹をお勧めします。

特にネットのサービスは、座席表を見ながら決められるので、

自分で納得して席選びをすることができるのですよ。

電話の場合も、座席を選ぶことができるのですが、

混んでると繋がらないので、やっぱりネットになっちゃいます。

どの演目も、

1等席 8000円

2等席 5000円

3等席 3000円

です。

1部の演目は少ないからこそのこのお値段。

初心者の方には、本当に今がお勧めです。

松竹のチケットサービスはこちらからどうぞ

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/686/



歌舞伎座9月公演(2020)、初心者も楽しめる楽しみ方紹介~上映時間~

次に、各演目の上演時間はどうなっているのでしょうか。

間に消毒をする時間が入るため、総入れ替え制になっています。

開演の40分前から会場には、入れるようになっています。

今までは、幕間という時間があって、

そこでおしゃべりしたり、何か飲食をしたりということができたのですが、

今は最低限の飲み物が許可されている状態です。

でも、それで安心と安全が確保されていることを感じるので、

このスケジュールもいいなあと思っています。

何と言っても、初心者の方には、歌舞伎デビュー最適ですよ。

短い上演時間で、わかりやすい演目を上演してくれています。

演目 開演時間(上演時間)
第1部
寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)工藤館の場連獅子 午前11時~11時45分(45分間)
第2部
色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)かさね 午後13時40分~14時30分(50分間)
第3部
双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)引窓 午後16時15分~17時27分(1時間12分)
第4部
口上(こうじょう)・鷺娘(さぎむすめ) 午後19時15分~20時15分



歌舞伎座9月公演(2020)、初心者も楽しめる見方紹介~歌舞伎の見方~

では、見る演目を決め、チケットを取り、いざ歌舞伎座へ!

次のステップで紹介するので、わからないところだけ確認してみてくださいね。

ステップ1:歌舞伎座へ行く

歌舞伎座は、東銀座の交差点のすぐ横に立っています。

最寄駅は東京メトロ日比谷線・都営浅草線の東銀座駅です。

JRをご利用の方は、新橋駅か有楽町駅(ちょっと遠いかも)

東京メトロ銀座線や都営丸ノ内線をご利用の方は、銀座駅からも徒歩圏内です。

所在地 〒104-0061

東京都中央区銀座四丁目12番15号

アクセス 東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線東銀座駅すぐ上

東京地下鉄各線銀座駅徒歩10 – 15分

歌舞伎座のサイトはこちらです。

https://www.kabuki-za.co.jp

到着したら、ぜひ、劇場の写真も撮ってくださいね。

インスタ映えしますよ~。

ステップ2:イヤフォンガイドを借りる(必要な方のみ)

9月から、イヤフォンガイドが貸し出しとなりました。

イヤフォンガイドとは、文字通り、

内容や役者の説明など、をわかりやすく解説してくれる音声ガイドです。

ポケットサイズの機器を借りて、座席で聞くことができるのです。

簡単なあらすじは、パンフレットに書いてありますが、

より「知りたい」気持ちがある方は、

利用すると、うんちくな話も聞けるのでおもしろいですよ。

初日に行った時は、

劇場入り口の左手側、普段は幕見席に並ぶスペースに

貸し出し用のワゴンが出ています。

雨天時は地下広場になるそうです。

貸し出し料金は500円オンリーです。

ただし要注意!

現金、カードは扱わないということで、

交通系ICカードとくまどりんカードのみの精算となっています。

詳細はこちらをご確認くださいね。

https://www.eg-gm.jp/e_guide/event.html

ステップ3:歌舞伎座に入場する

歌舞伎座の入場は、開演40分前からです。

正面の入り口に3~4列に並んで入場します。

足元に立ち位置のマークがあるので、

空間を開けてお並びくださいね。

入り口前には、歌舞伎座入場時の注意事項も書いてあります。

入場時の手順は

①チケットを見せ、自分でもぎって指定の箱へ入れる

②サーモグラフィーで体温チェック(スタッフが)

③手指の消毒(自分で)

④台の上の無料パンフを取る(自分で)

という順番です。



ステップ4:座席を確認する

劇場の中に入ったら、チケットを見て座席を確認しにいきましょう。

座席表はこちらです。

歌舞伎座8月座席表

西側の席は、左手のエスカレーター、

東側の席は、右手のエスカレーターを使うと近いです。

1階席はそのまま入れます。

席は2階、3階という方も、

1階の雰囲気を見てみるのはオススメです。

特に、花道の出入り口は2階、3階からは見えませんからね。

ただし、花道に乗ったり、歩いたり、触ったりすることはできませんから、

そこは気をつけましょう。

ステップ5:トイレ&水分補給、時間があれば見学をする

トイレは各階にあります。

水分補給は持ち込みで構いませんが、

1階のエスカレーター近くに飲み物のみ販売している売店があります。

そこを利用するのもいいですね。

トイレにもソーシャルディスタンスの目印、

そして手指消毒液もあります。

時間がある方は、場内をゆっくり見学してはいかがでしょう。

今は、食堂も売店も閉まっていますが、

劇場の雰囲気を味わうのも素敵ですよ~。

私は、よく、名優のブロンズ像を見にいきます。

知らない過去の名優が、

確かに存在した証を感じることができるところが気に入っています。

ステップ6:5分前には席について見え方の確認を

どの劇場でも開演五分前にはブザーが鳴り、

着席のアナウンスが入ります。

慌ただしく席に着くと、

他のお客さまにも触るので注意ですね。

私が普段していることは、

5分前には席につき、見え方の確認、

オペラグラスのフォーカス調整、

パンフレットであらすじや役者の確認をします。

そうすると始まる頃には、

歌舞伎観劇の気分が盛り上がります!

ステップ7:観劇する

幕が上がったら、静かに観劇をしましょう。

もちろん、笑えるところは笑ってください。

泣きたいところは泣いてください。

マスクは必ず着用してくださいね。

いつもは、大向こうというかけ声をかける人がいるのですが、

残念ながら、現在は声をかけるのは禁止されています。

静かな雰囲気の中での観劇は、

寂しい気持ちもしています。

実は、ちょっと異常なんだと思っててくださいね。

その代わり、たくさん拍手をしましょう。

役者さんも、お客さまの拍手が何よりの励みになるって言ってますよ。

私は、お気に入りの役者が登場すると、

そこにロックオン!です。

オペラグラスでガン見しています。

でも、音楽や語りも好きなので、

耳も全開にして音を聞き取っています。

ステップ8:退場する

芝居が終わったら、係員の指示に従い、順番に退場します。

これも、密を避ける工夫の一つです。

慌てずに落ち着いて退場しましょう。

退場口は、正面の他に、左手、右手にもありますし、

西側のエスカレーターの後ろからは、

直接地下の広場に行けるエスカレーターもあります。

私は、すぐに帰りたいときは、こちらを利用します。

でも、写真を撮ったり、銀ブラしたいときは、

正面から出て歌舞伎座を仰ぎ見てから帰ることにしています。

私のような歌舞伎好きにとっては、聖地のような場所なのです。

ステップ9:お土産を買う

歌舞伎を見たらお土産も買いたいですね。

歌舞伎座1階の売店は、入場制限を行なっていますが、

歌舞伎座からも外からも入ることができます。

ちょっとしたグッズや、その月のオススメのお菓子なども

購入することができるんですよ。

地下の木挽町広場には、屋台村のように

様々なおみやげ物屋が並んでいます。

お菓子だけでなくて、江戸の風情を感じられる小物もあります。

最近話題の、カマキリ先生(市川中車・香川照之)プロデュースの子供服やグッズもおいています。

芝居の中盤、16~7日を過ぎると、舞台写真の販売も始まります。

プラプラするだけで、歌舞伎気分を味わえるから、

私も大好きな空間なのです。

昨日は、お土産に揚げまんじゅうを買って帰りました。

噂の歌舞伎座マスクもついにゲットしましたよ!

歌舞伎座の思い出と一緒に、

素敵なグッズを選んでみてはいかがでしょう。

おまけ1:持って行くといいもの

それでは最後に持っていくといいものも紹介しますね。

・飲み物

・上に羽織るものや膝にかけるもの

(冷房が効いていると寒いです)

・オペラグラス

・折りたためるショッピングバック(お土産用)

おまけ2:歌舞伎座では食事もできる!

幕間がなくなり、その間のお弁当タイムがなくなったのは、

ちょっと悲しいことなんです。

でも、歌舞伎座内には、お食事ができる施設があるのです!

例えば、11:30〜19:00の間は、

3階の花篭で、お食事の予約ができます。

加えて、地下1階のやぐらというお弁当屋さんで買ったものを、

持ち込んでいただくこともできるのです。

ランチタイム、ディナータイムと観劇が重なった時は、

こういうサービスを利用するのもいいと思います。

お弁当やお食事については、こちらにも書いていますのでお読みくださいね。

歌舞伎を観に行く時、ちょっと気になるのがお弁当です。 大体4時間ほどの長丁場、 休憩時間のお食事も観劇の楽しみの1つです。 ...

ぜひぜひ歌舞伎座へ一度足をお運びくださいね~~。




歌舞伎座9月公演(2020)の観劇感想

それでは、私が観劇した芝居の感想についてお伝えしますね。

何かのお役に立てれば嬉しいです。

第2部「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)かさね」の観劇感想

9月1日(火)初日に観にいきました。

座席は、3階席、花道の上あたりです。

座席が一つおきなので、舞台がしっかり観られて今回も満足です。

8月のような、上演前のアナウンスはありませんでした。

ちょっと、楽しみにしてたんだけどな~~。

2部は人気なようで、3階の上の方まで席は埋まっていました。

このお芝居に登場するのは、主役の与右衛門が松本幸四郎、

かさね が市川猿之助です。

この2人は、2019年の巡業公演でも共演していたので、

いいコンビネーションを見せてくれるだろうなあって

期待をして観ました。

捕手には、若手イケメン役者の中村隼人、

踊りが上手な中村鷹之資が出ていました。

そしてですね~、

清元の演台には、あの清元栄寿大夫、つまりは尾上右近も

清元語りでご出演。

これは、ラッキーって踊りたくなる配役でした!

それでは、このお芝居のよかったところベスト3を紹介します

ベスト3:だんまり、見えない設定での捕物は面白い

前半の山場と言えると思うのですが、

与右衛門を捕まえようとする捕手が、

真っ暗な闇の中、互いに手探りで相手を捕まえようとする場面です。

これは、歌舞伎の演出の一つなんですけど、、

手を伸ばし、あたりを探りながらゆっくり動く、

お互いに触れ合うと、ダダダと鳴り物がなって、

ビクッとし合う、そんなやりとりが見られます。

これは、真っ暗闇の中にいるという設定なんです。

だから、周りが見えない、

気配だけで、相手を探り当て捕まえ用とする捕手と、

捕まるまいと抵抗する与右衛門の動きに

ハラハラドキドキしながら見ることができました。

このだんまりは、江戸時代からの芝居の工夫なんですって、

それを洗練させながら今でも通じるように見せるって

歌舞伎は本当に素晴らしいと思います。

ベスト2:連理引きの場面はやっぱり見入る

この演目の一番の見所がここかなあと思います。

物語の終盤、クライマックスですね。

殺されたかさね の怨霊が、

逃げようとする与右衛門を引き止め、翻弄する、

という場面なんです。

これだけ聞くと、「怖い」って思いませんか?

実際に見てみると、

猿之助の手の演技に目が釘付けになりました。

身体は倒れながら、

左の手がすっと上に持ち上がり、

指先をかすかに動かすだけなのですが、

その白さ、細さ、儚さにゾクッとしました。

まさに幽霊の手、という感じでした。

その動きに引っ張られ、操られるかのような

幸四郎の演技も迫真に迫るものがありました。

「怖い」という以上に、目が離せない臨場感!

一瞬、私もあの手に引きずられるような思いがしました。

こわ〜〜〜〜

ベスト1:とにかく見所多し、目が2つじゃ足りません

この演目は、舞踊劇なので、

セリフのやり取りはそれほど多くありません。

清元の三味線音楽と太夫の語りに合わせて

舞踊で心情や情景を表現する場が多いのです。

前半、かさねが逃げる与右衛門を追いかけて、

一緒に死ぬことを口説くところまでは、

綺麗だなあと思って、役者と太夫を代わり番こに見ていました。

この辺りは、余裕を持って全体と部分フォーカスで

見ていられたのですが、

川の上流から卒塔婆に乗った髑髏が流れ着いてから、

そのおっとりとした空気が一転するのです。

かさね が草むらに倒れこんだと思ったら、

捕手と与右衛門のだんまり。

捕手の顔も見たいし、栄寿太夫も気になる、

チラチラ見ていると、

顔が変形してしまったかさね が出てきて、

ここから、2人の絡み、そして殺しの場面へと続くんです。

この場面が、とても見ごたえがありました。

「女殺油地獄」という演目があるのですが、

それも、逃げ惑う女を男が追いかけて殺そうとする、

という場面があるのですね。

状況も人物も違いますが、

その場面を思い出しました。

そうなると、与右衛門の幸四郎もかさね の猿之助も、

一つ一つの所作や表情が気になってじっくり見たい、

しかも、2人の絡みは絵になる場が多いのです。

イナバウワーみたいに海老反りのかさねと鎌を振り上げる与右衛門の構図とか、

解けた帯をつかむ与右衛門となおも逃げようとするかさね の構図とか、

シャッターチャンスが多いのですよ。

(もちろん、写真など撮ってません、目に焼き付けるという意味)

そして、栄寿大夫の語りでしょ~~。

あっち見てこっち見て、それでどこも一瞬も見逃したくなくて、

って食い入るように見た後半でした。

この演目「色彩間苅豆」のあらすじが気になる方はこちらもご覧ください。

歌舞伎舞踊「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)」は 「かさね」という外題で上演されることが多い演目です。 色彩、、、なんて...

初日に、いいお芝居見られてとても幸せな気分です。



第3部「引窓 双蝶々曲輪日記」観劇感想

9月は毎年「秀山祭」といって、

初代中村吉右衛門ゆかりの演目を

若手への芸の継承を兼ねて

上演している歌舞伎座です。

今年は新型コロナウイルスのため、

今までのようなお芝居ができない状況、

しかし、第3部は、その意を汲んで、

「引窓 双蝶々曲輪日記」を、秀山に因み上演しています。

中村吉右衛門がきっちり見せる伝統の芸に、

歌舞伎らしい義理と人情を気持ちよく描いた

演目だったなーと後味ほっこりしています。

それでは、私流ベスト3を紹介しますね。

ベスト3 竹本の語りと三味線が情感アップ

竹本の語りと三味線を聞きながら

芝居の世界へと入っていきます。

秋の山里の風情に、この音楽がぴったりなんですよね。

浄瑠璃は

言うなれば、BGMとナレーションです。

人物の心情やその場の状況を音楽に乗せて語ってくれるので、

そうかそうか~とその気になってくる感じです。

語りの言葉はちょっと難しいところもあるけれど、

エモーショナルなので、

その波に乗せられてしまうこともよくあるんです。

歌舞伎には音楽が不可欠、

そのことをつくづく実感します。

よくわからなくても気持ちよくお芝居の世界に入れるのです。

ベスト2 舅と婿と甥?気づけばみんな親戚だった

濡髪長五郎の吉右衛門のお嬢さんは、

南方与兵衛の菊之助の奥さまです。

芝居上は、義理の兄弟ですが、

現実の世界では、舅と婿です。

吉右衛門は、義理の倅とよんでます。

妻のお早の雀右衛門のお母さまは、

吉右衛門の叔母です。

芝居上は義理の兄弟の妻ですが、

現実の世界では、従兄弟です。

長五郎と、与兵衛と、お早をつなぐ要は

母のお幸です。

お幸を演じるのは中村東蔵。

さて、現実の世界で、

中村東蔵との縁戚関係は・・・?

というと、この3人には当てはまりませんでした。

が、これで終わりではありません。

平岡丹平を演じる中村歌昇と、

三原伝蔵を演じる中村種之助は兄弟です。

そして、二人の曽祖父と中村吉右衛門の祖父(養父)

は兄弟なのでした。

もう、遠すぎてどんな関係かわかりませんが、

ここにもあったぞ縁戚関係。

歌舞伎界ってすごいですよね~。

ベスト1:義理の親子と実の親子の思いの違いがストーリーになる

「引窓」の見どころは、実の親子と義理の親子が、

それぞれを思いやるところにあるということ。

その演じる役者の肝として、

「義理」だからこその遠慮や思いやりにあるのだそうです。

長五郎と母お幸の間には、

里子に出されたという過去の負い目はありつつも、

本当の親子という情があります。

長五郎は、追われる身なれど、

母に会いたい一心で、身を隠しながら八幡を訪れるのです。

そして、与兵衛とお幸は義理の母子、

長五郎を助けたいという気持ちを伝えられず、

人相書きを売ってくれというのです。

お幸の気持ちに気づいた与兵衛は、

あげるというものの、

お幸がそれを拒むので一瞬当惑するのですが、

それが義理の遠慮なんだろうなという風に、

やり取りの中で、

お互いを思いつつも微妙にすれ違うところがあるのです。

お香のセリフで

「昼は実の息子のために、夜は義理の息子のために」

(正確でなくてごめんなさい)

というのがあります

東蔵の母お幸は、板挟みの苦しみを切々と表現するから、

その思いが伝わってきて、私もとっても切なくなります。

最後は、放生会という全ての生き物の罪を許す宗教行事になぞらえ、

誰もが滞りなく本意を全うできるように裁く与兵衛、

それも、義理ではあっても母や兄の温情への

精一杯の応えだったんだろうなとうかがえました。

誰も傷つかず、思いを遂げるというラストはから、

後味の温かさを感じることができました。

この親子の心情を丁寧に描いたお芝居だなと感動しました。

おまけ 1つの舞台に人間国宝3人て、すごいっしょ

歌舞伎界には、人間国宝の方が多くいらっしゃいます。

今回の演目は、

なんと3人もの人間国宝の方が出演されていました。

これからご覧になる人もいらっしゃると思うので、

それぞれ紹介します。

まず、主役の濡髪長五郎を務める中村吉右衛門。

2011年に受賞した歌舞伎役者です。

歌舞伎の伝統を受け継ぎ、演者としても作家としても、

その良さを広く伝えようと努めていらっしゃいます。

テレビドラマでもおなじみで人気が高い方です。

若手の育成にも熱心で、

こんぴら歌舞伎再興の立役者の一人でもあります。

2人目は、母お幸を務める中村東蔵です。

2016年に脇役の役者として受賞しています。

この方は、脇をしめる演技派の役者です。

男女問わず、どんな役を演じてもハマる

不思議な方だと思ってます。

役の性格を演じるのがうまいのかなあ。

この方が出るとなんか安心するんですよね。

3人目は、2019年に受賞した竹本葵太夫です。

この方は、国立劇場の研修生出身、初の栄養ということで、

とても話題になりました。

渋いお声と表情豊かな語り口が魅力な太夫さんだなあって

思っています。

一幕で3名の人間国宝が見られるのですから、

ぜひにその芸を堪能していただければと思います。

人間国宝(無形重要文化財)認定の答申が 7月19日文化審議会より文部科学省へ送られました。 秋にもこの答申を受け告知となるそうで...

「引窓」は秋にぴったりの、切なくも温かい

心に染みるいいお芝居だなって思いました。

この演目についてはこちらにも詳しく書いてあります。

引窓(ひきまど)・角力場(すもうば)は、世話狂言の名作として、 度々上演されている演目です。 この2つは、「双蝶々曲輪日記(ふた...




また別の芝居を見たら、追記していきますのでお楽しみに。

読んでくださり、ありがとう存じまする。