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身替座禅(みがわりざぜん)の感想、尾上菊五郎、右近、米吉、左團次の愉快な一幕

観劇レポート
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歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎の第二部が

「身替座禅(みがわりざぜん)」です。

この演目は、とにかくわかりやすくて見ているだけでオッケーです!

私も初日に見てきたので、その感想を書いていきます。



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「身替座禅(みがわりざぜん)」とはどういう芝居なの?

このお芝居は、狂言を元に、歌舞伎化されたものです。

松羽目物という部類に入るのですが、

能舞台を模した舞台に、

歌舞伎役者とお囃子連中が並ぶだけのシンプルな設えです。

狂言が元というだけあって、ストーリーは単純明快!

役者の表情やセリフの言い回しで流れがわかります。

そして笑えます。

また舞踊もしっかり入っているので

歌舞伎らしい華やかさも混じっています。

初心者向けにはオススメの内容ですし、

今回の舞台は、大ベテランの演技といまをときめく若手の演技が

両方見られるので、見ておいて損はないと思います。



「身替座禅(みがわりざぜん)」の配役とあらすじ(2020年11月歌舞伎座)

では、令和2年11月の歌舞伎座公演における配役と、

このお話のあらすじを紹介します。

〈配役〉

山蔭右京   尾上 菊五郎

太郎冠者   山崎 権十郎

侍女千枝   尾上 右近

同小枝    中村 米吉

奥方玉の井  市川 左團次

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https://kabukist.com/yonekichi-231

〈簡単なあらすじ〉

都の大名である山蔭右京は、大の恐妻家にも関わらず、ちょっと浮気者。

奥様が怖いので、愛人に会いに行くのも一苦労です。

ある日、愛人花子が都にくるという話を聞き、

怖い妻に、最近体調が悪いからその病平癒と気晴らしのため

諸国を旅したいと申し出ます。

しかし、妻の玉の井はそれを許しません。

侍女のアドバイスで、家でも祈祷をすればいいと言われ、

ならば7日7晩、地蔵堂で禅の修行をしたいと頼みます。

ひと晩ならばと許しを得た右京、

絶対に見舞いに来るなと言い、お堂にこもります。

家来の太郎冠者に自分の身代わりになるよう命じ、

屋敷を抜け出して、いそいそと花子に会いにいくのでした。

しかし、妻の玉の井が右京の様子を見にお堂に入り、

事の真相を知ってしまいます。

怒り狂った玉の井は、自分が太郎の代わりに衣を被り、

右京の帰りを待つことにします。

そうとも知らずに、一夜あけてお堂の太郎冠者に、逢瀬の様子を語る右京。

衣を剥がし、そこにいる玉の井を見つけて

顔面蒼白になります。

怒る玉の井から逃げようとするのですが、どうなることやら・・。

「身替座禅(みがわりざぜん)」の感想勝手にベスト3

尾上菊五郎さんと市川左團次さん、

この2人のコンビはいつも絶妙でして、

舞台を見るのが楽しみなのです。

歌舞伎のお芝居では、

いろいろな役者さんがコンビで演じる演目がありますが、

菊五郎さんと左團次さんのコンビで

一番私が好きな演目が「身替座禅」なのです。

色男な大名が、嫉妬深い妻に浮気がバレて、

ノロケ話が一転、命乞い?に変わる転換、おもしろいんですよ。

この2人のコンビが次にいつ見られるのか、、、と思うと

絶対見逃せない舞台でした。

期待にたがわず、2人は最高!

それの脇を務める

尾上右近さんと中村米吉さんの侍女のきれいなこと。

今見るべき舞台を観れたなあという満足感でいっぱいの舞台でした。

それでは、特に印象に残ったベスト3を紹介します。

ベスト3:市川左團次、嫉妬する玉の井が可愛い

市川左團次さんは、私の中では悪役が多いイメージ、

それも悪代官とか欲深い商人とかね。

あとは3枚目かな~滑稽なお役。

奥方役は女性の扮装で現れます(当然ですが)が、

この滑稽さと可愛らしさが混ぜ込まれたような印象です。

このお役は前半は、恋しい夫を心配しつつ外に出したくない妻、

後半は夫の裏切りを知り怒りに打ち震え、目にもの見せてやろうとする妻。

どちらも夫恋しい気持ちは変わらないのですが、

出方が真逆になるんですね。

左團次さん曰く、

後半の方が自分の性に合っているということ、

だからやっぱり後半の嫉妬に狂う妻の一挙一動を

見逃したらもったいない~~と思いました。

足を地団駄踏んだり、きっと顔を上げて怒りの表情を見せたり、

様式的にその心情を表現する歌舞伎の面白さも味わえました。

左團次さんももうご高齢なので、

これからもお元気で豪快な演技を見せてほしいなあと思いました。



ベスト2:尾上右近、中村米吉の侍女が可愛い

尾上右近さんは巷ではカレー好きのプリンスとして有名。

歌舞伎役者では、女形を演じることも多いのです。

顔立ちがくっきりはっきりしていますので、

お化粧してもすんごい美人になるんですよ。

声も高くてよく通るし、踊りも上手なので、

侍女というお役ですが、

めっちゃ華があるなあって思いました。

中村米吉さんは、期待の女形として評判です。

タレ目がチャームポイントで、

小さなお顔と小柄な身体、

本当に可愛らしいのです。

表情の出し方や手の使い方も本当の女の子みたいに見える、

いるだけでいいわあって思える存在感です。

この2人の侍女はどっちかというと奥方びいきなのかな?

2人が舞台に上がると本当に花が咲いたように見えました。

可愛い女形を見るのも私は大好きです!

 

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“KENKEN DONDON” Here’s Juntaro, a retainer and a guardian of my son Kunimatsu in the play. The next picture is of me and Fukuju, a fox cub. Couldn’t be more assuring and happier as a mother😌 These little ones’ singing “kenken dondon~♪“makes me feel like they’re calling me! #thenewyear #nationaltheatre #himejicastle #kikunosukeonoe #kazufumiterajima #mahoroterajima #keiseionoe #developpingmaternalsense #kabuki #ukononoe #kenken #japan 「けんけん どんどん」 我が子の国松を守ってくれる、家来の純太郎、そして2枚目は小狐の福寿。 母として、こんなに頼もしく嬉しいことはないわいなぁ😌 この幼子達が歌う「けんけんどんどん〜」 なぜか呼ばれているような気がしてしまいます、、、 #新春 #国立劇場 #姫路城 #尾上菊之助 #寺嶋和史 #寺嶋眞秀 #傾城尾上#母性の芽生え#歌舞伎#尾上右近#けんけん

尾上右近/UKON-ONOE(@ukon_onoe.eiju_dayu.kenx2)がシェアした投稿 –

ベスト1:尾上菊五郎のうろたえぶりが可愛い

そして一番は、やはり主演の尾上菊五郎さんでしょう。

菊五郎さんというと、

世話物の粋な江戸っ子のイメージが強いのですが、

この役は恐妻家の浮気男です。

大名なので、白塗りでおちょぼ口、

豪勢な着物をまとっていますが、なんかふにゃふにゃしています。

日頃のイメージとは正反対、

それも自然に見せるのが人間国宝ならではの演技力です。

この前の月は、国立劇場の魚屋宗五郎で、

酒乱男を演じていらしたのですが、

右京という大名はほろ酔い加減で、

自分の浮気話を怖い奥さんに語っちゃうのです。

すごく嬉しそうな表情から、

話した相手が奥さんだとわかった時の驚愕の表情、

その演じ分けが絶妙で大げさで面白いのです。

このお芝居は、声を荒げたり大きな動きをしたりということなく、

表情と間合いでおかしみを感じさせるのがコツ、

芸達者な菊五郎さんならではの右京のうろたえぶり、

本当に可愛くておもしろいのですよ~。

繰り返しますが、このコンビを見逃すと損しますよ。

ぜひに生であの楽しさを実感なさってくださいね。

第1部は、市川猿之助さん主演の

「蜘蛛の絲宿直噺(くものいとおよづめばなし)」です。

その感想もよかったら読んでみてくださいね。

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読んでくださり、ありがとう存じまする



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