9月28日、人気歌舞伎役者の
片岡仁左衛門、中村梅玉らが、
御園座10月「吉例顔見世」歌舞伎のお練りをおこないます。
名古屋近辺にお住いの方、
役者の姿を生で観られるチャンスですよ!
9月28日、御園座10月「吉例顔見世」歌舞伎のお練りについて
9月28日、御園座10月「吉例顔見世」歌舞伎に出演する
人気役者たちがお練りをおこないます。
「お練り」とはどういう目的で行うのか
お練りとは、
伝統芸能において、
役者等が一定の距離を関係者らと行列して歩いたり、
船で航行したりすること。
目的は襲名披露や公演の宣伝などのため、
見物客が集まり、同じように歩くこともあります。
日頃舞台でしか姿を見られない、
役者の生の姿を見ることができる、
貴重な機会です。
*7月の大阪松竹座船乗り込みについては、こちらに書いていますので、よかったらお読みくださいね。
https://kabukist.com/hunanorikomi-792
9月28日、御園座10月「吉例顔見世」歌舞伎のお練りの内容、スケジュールについて
28日は、片岡仁左衛門、中村梅玉、片岡秀太郎ら、
15名(予定)の出演者が御園座の正面玄関から出発し、
御園座タワーの周囲を巡り、
御園通商店街にあるからくり時計を目指して練り歩くそうです。
最終地点では特設ステージ上で、
俳優たちから、公演への思いをこめた挨拶も予定されています。
スケジュールは、
13時に御園座正面玄関前を出発し、
御園通商店街からくり時計到着後、
役者からのご挨拶があります。
終了は14時を見込んでいるそうです。
雨天でも、ステージでのご挨拶があるということなので、
行く価値はあると思います!
*片岡仁左衛門、松嶋屋についてはこちらにも書いていますので、よかったらお読みください。
*中村梅玉については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。
*中村雀右衛門については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。
*中村壱太郎については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。
片岡仁左衛門、中村梅玉ら人気俳優が揃う御園座10月「吉例顔見世歌舞伎」について
それでは、御園座で開催される10月「吉例歌舞伎」について紹介します。
10月2日(水)~26日(土)までの上演になります。
御園座吉例顔見世歌舞伎演目と主な配役、あらすじ
【昼の部:午前11時開演】
一、狐と笛吹き(きつねとふえふき)「今昔物語」より
北條秀司 作・演出 大場正昭 演出
春方 中村 梅玉
親友秀人 中村 錦之助
ともね 中村 雀右衛門
最愛の妻まろやを失い悲嘆にくれる楽人、春方の前に、
まろやに生き写しのともねが現れます。
ともねは、まろやが春方に笛の道を極めることを願い、
毎夜寄り添って琴を弾きに来てくれていると励まします。
やがて、春方が笛の名手として再起したことを喜ぶ一方、
ともねは心の内を明かします。
実は、ともねは、かつて春方により命を救われた狐だったのです。
そして、、、
二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
〈角力場〉
〈難波裏〉
山崎屋与五郎/放駒長吉 中村 鴈治郎
藤屋吾妻 中村 壱太郎
濡髪長五郎 中村 獅童
〈引窓〉
南与兵衛後に南方十次兵衛 片岡 仁左衛門
濡髪長五郎 中村 獅童
お早 片岡 孝太郎
人気の大関、濡髪長五郎と
素人あがりの力士、放駒長吉の立ち合いは、
濡髪があっけなく土俵を割ってしまいます。
それは、吾妻の身請けを企んでいる平岡郷左衛門に、
身請けを諦めてもらう心づもりで勝負にわざと負けたのです。
それを知った放駒は悔しさに憤ります。
だまされて難波裏へ連れて行かれた吾妻を追った濡髪は、
吾妻を救い出すが、誤って郷左衛門らを手にかけてしまいます。
切腹しようとする濡髪が、放駒の言葉により、
母が住む八幡の郷へ落ち延びます。
暇乞いにやってきた濡髪を、
実母お幸と嫁のお早は匿うことにするのですが、
そこへ義理の息子、十次兵衛が、
侍殺しの濡髪を捕えるため人相書を手に意気込んで帰ってきます。
濡髪は、自首をすると母を諭し、十次兵衛に引き渡しますが・・。
【夜の部:午後16時30分開演】
一、碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)
新吉原揚屋の場
傾城宮城野 中村 雀右衛門
宮城野妹信夫 片岡 孝太郎
大黒屋惣六 中村 梅玉
姉を探して江戸に来た田舎娘、信夫は、
危ないところを揚屋の主人大黒屋惣六に助けられます。
連れて来られてきた廓の傾城宮城野は、
奥州訛りの方言から妹と悟り、再会を喜びあうのです。
しかし、信夫から父が代官に殺されたうえに、
母も病死したことを聞き、姉妹で敵討ちを決意します。
惣六の情けに、支えられ、宮城野と信夫は、仇討へと出発するのでした。
二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
岡村柿紅 作
山蔭右京 片岡 仁左衛門
太郎冠者 中村 錦之助
奥方玉の井 中村 鴈治郎
山蔭右京は、奥方玉の井に頭が上がりません。
浮気相手に会いに行く口実に、
屋敷にある持仏堂にこもり座禅をしたいと玉の井に願い出ます。
そして、右京は家来の太郎冠者に、自分の身替りに座禅をするように命じ、
花子のもとへ向かいます。
しばらくして見舞いに来た玉の井は、身代わりだと見破り、
太郎冠者を装い衾を被り夫の帰りを待つことにします。
うかうかと帰って来た右京は、それとも知らず、
花子との逢瀬の一部始終を語るのですが・・・。
三、瞼の母(まぶたのはは)
長谷川伸 作 大場正昭 演出
番場の忠太郎 中村 獅童
素盲の金五郎 中村 亀鶴
水熊のおはま 片岡 秀太郎
博徒の番場の忠太郎は、弟分の半次郎の家で、
息子を必死に守ろうとする母と妹に心打たれます。
5歳で母に生き別れて以来、
強い思慕の念を抱き続けた母を探しに、江戸へ向かいます。
道で助けた夜鷹から聞いた話のなかから、
柳橋の料理茶屋、水熊の女将、おはまを訪ねると、
おはまは、忠太郎を息子と確信するのですが、
娘お登世に迷惑をかけまいと冷たく突き放すのです。
すれ違いに戻ったお登世は兄を思いやり、
おはまを説き伏せ、必死に忠太郎の名前を呼び追いかけますが、
忠太郎は物陰に隠れ、
瞼の奥に焼きついた母への思いを胸に旅立つのでした。
仁左衛門、梅玉、鴈治郎、雀右衛門、獅童が揃う、御園座吉例顔見世歌舞伎見どころについて
ストーリー性のある演目が並びます。
中でも世話物と言われる、
庶民の暮らしや時代背景を描いた作品は、
歌舞伎が初めての方にもわかりやすいのではないかと
思います。
身替座禅は狂言のおかしみを歌舞伎で表現、
片岡仁左衛門と中村鴈治郎との掛け合いに
興味がそそられます。
超歌舞伎で京都を沸かせた中村獅童、
「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」と
「瞼の母(まぶたのはは)」に出演、
どちらも情に訴える芝居が楽しみです。
「碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)」は、
女性版曽我兄弟物と言える演目です。
復讐を誓う姉妹に、中村雀右衛門と片岡孝太郎、
それを助ける中村梅玉、と、
見た目にも歌舞伎の様式美が期待できそうです。
御園座10月「吉例顔見世歌舞伎」お練りで
歌舞伎役者に会えるチャンス。
芝居観劇の前に、役者のお練り見物って最高ですね!
読んでくださり、ありがとう存じまする。
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