12月の歌舞伎公演情報、演目(出し物)、配役は?古典からあの話題の新作まで〜南座・歌舞伎座・国立劇場・新橋演舞場〜2019

令和元年を締めくくる12月の歌舞伎公演情報です。

古典から、あの話題の新作まで、

今月も歌舞伎は盛りだくさんですよ!

その中から、南座、歌舞伎座、国立劇場、新橋演舞場の

歌舞伎公演を紹介します。



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南座「當る子歳吉例顔見世興行」、新開場1周年記念は松島屋3代共演と莟玉お披露目で華やかに!

南座は、新開場一周年を記念して、

東西の話題の役者を揃え、華やかに舞台を彩ります。

公演期間は、11月30日(土)~12月26日(木)までです。

南座「當る子歳吉例顔見世興行」の演目、主な配役とあらすじ

【昼の部 午前10時30分開演】

 

1 輝虎配膳(てるとらはいぜん)

近松門左衛門 作信州川中島合戦

長尾輝虎  片岡 愛之助

勘助妻お勝 中村 雀右衛門

直江山城守 中村 隼人

直江妻唐衣 中村 壱太郎

勘助母越路 中村 秀太郎

戦国時代、越後の大名長尾輝虎(の地の上杉謙信)は、

敵対する武田信玄の軍師・山本勘助を

身方に引き入れようと考えます。

家老の直江山城守の妻・唐衣が勘助の妹であることを利用し、

勘助の母・越路と妻・お勝を館に呼び寄せ、

自ら料理を運んで接待します。

しかし、その計略を見抜いた越路が、

食事の前を足蹴にすると、

短気な輝虎の怒りが爆発。

思わず刀を抜く輝虎に、

吃音のお勝はことを弾き、

必死の思いで止めに入るのでした。

2 戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)

浪花の次郎作実は石川五右衛門

中村 梅玉

禿たより  中村 梅丸改め莟玉

吾妻の与四郎実は真柴久吉

中村 時蔵

京都紫野の名の花畑。

満開の桜が咲く中、

島原から戻ってきたのは、

駕籠かきの浪花の次郎作と吾妻の与四郎。

カゴを下ろし一休みしながら、

二人は互いに上方と江戸のお国自慢を始めます。

やがて、籠の中にいる島原の遊女・禿たよりを

呼び出すと、

大阪、江戸、京、

それぞれの廓話に興じる三人。

ところが次郎作は巻物、

与四郎は香炉を落とし、

相手が落とした品物がきっかけにお互いの素性が明らかになります。

常磐津舞踊の名作です。

3 祇園祭礼信仰記 金閣寺(きんかくじ)

松永大膳  中村 鴈治郎

此下東吉後に真柴久吉

中村 扇雀

雪姫    中村 壱太郎

大膳弟鬼藤太 中村 亀鶴

十河軍平実は佐藤正清

片岡 愛之助

狩野之介直信 中村 芝翫

慶寿院尼  坂田 藤十郎

謀反を企む室町幕府の執権・松永大膳は、

将軍足利義輝の母・慶寿院を

金閣寺の二階に閉じ込めています。

その天井画を描く絵師として、

狩野之介直信と、

その妻で雪舟の孫でもある雪姫を招きますが、

大膳の本当の目的は、

雪姫を我がものにすることでした。

金閣の天井に龍の絵を描くか、

自分になびくかと迫られるも拒否する雪姫。

捕えられ、縄で桜の木に繋がれ、

悲嘆にくれる雪姫でしたが、

祖父・雪舟の故事を思い出し、

降りしきる桜の花びらを集め、

つま先でネズミを描きました。

すると驚くべきことに、そのネズミが・・・。

4 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら) 祇園一力茶屋の場

大星由良之助 片岡 仁左衛門

遊女お軽   片岡 孝太郎

富森助右衛門 中村 隼人

矢間重太郎  中村 橋之助

大星力弥   片岡 千之助

赤垣源蔵   片岡 新之介

寺岡平右衛門 中村 芝翫

塩冶判官が高師直へ刃傷に及び、

切腹してから半年後。

世間では、いつ主君の敵を討つのかと

取り沙汰がある中、

祇園の一力茶屋では、

国家老・大星由良之助が遊興に耽る日々。

そこへ由良之助の息子・力弥が

父に密書を届けにきたところ、

遊女・お軽の知るところになります。

その書状を、お軽に盗み読みされたことに気づいた由良之助は、

お軽を身請けすると言って去ります。

仇討ちを気づかれた由良之助のために、

お軽の兄・平右衛門はある決心をするのでした。




【夜の部 午後16時45分開演】

5 堀川波の鼓(ほりかわなみのつづみ)

 近松門左衛門 作  村井富男 脚色 大場正昭 演出

小倉彦九郎  片岡 仁左衛門

お種     中村 時蔵

お藤     中村 壱太郎

文六     片岡 千之助

おゆら    中村 扇雀

宮地源右衛門 中村 梅玉

因幡藩士・小倉彦九郎は江戸詰で、

実家へ来た妻・留守の夫に変わり、

おたねは容姿・文禄の堤の師匠である宮地源右衛門に

お礼の酒を勧め、その相手をしています。

その後、お種が一人でいるところに、

夫の同僚の床右衛門が忍んで来て

お種を口説き始めます。

お種はしつこさからその場しのぎで逢引の約束をしますが、

それを奥で聞いていた源右衛門からお種はからかわれて。

酒の勢いから源右衛門と不義の罪を犯してしまったお種。

二人の噂は広まり、次第に一家は追い込まれていきます。

6 釣女(つりおんな)河竹黙阿弥 作

太郎冠者   片岡 愛之助

大名某    中村 隼人

上臈     中村 梅丸改め莟玉

醜女     中村 鴈治郎

太郎冠者は主人の大名某と二人で、

西宮の恵比寿神社に妻を得たいと

願掛けの参詣にやって来ます。

すると、その神前で眠りについた二人に

夢のお告げがあり、

釣り針が与えられます。

早速大名が釣竿を下げると、

世にも美しい上臈が釣り上げられます。

その場で祝言を挙げるのを見た太郎冠者は、

自分も美しい妻を娶りたいと、

釣竿を下げます。

やがて手応えを感じた太郎冠者が、

釣竿をあげると。衣を被った女を釣り上げ、

夫婦になろうと誓い合います。

しかし、衣を取った女は醜女、

太郎冠者は逃げ出そうとするのです。

7 新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)

 河竹黙阿弥 作

魚屋宗五郎  中村 芝翫

磯部主計之助 中村 鴈治郎

磯部召使おなぎ 片岡 孝太郎

小奴三吉   中村 橋之助

浦戸十左衛門 坂東 秀調

宗五郎女房おはま 中村 雀右衛門

魚屋宗五郎は、奉公に出した妹お蔦が、

不義の咎によって

磯部主計之助に手打ちにされたと知り、

悲しみにくれています。

そこへ、お蔦の仲間のおなぎが、

弔問に現われます。

おなぎからお蔦の罪は

濡れ衣であると聞かされた宗五郎。

禁酒中にも関わらず、

耐えかねて酒をあおり、

酔っ払って磯部邸に乗り込んでしまいます。

散々に悪態をつき、

縄で縛り上げられた宗五郎でしたが、

家老十左衛門に対して、

妹をなぶり殺しにされた胸の内を訴えます。

8 越後獅子(えちごじし)

角兵衛獅子 中村 隼人

同     中村 橋之助

同     片岡 千之助

同     中村 梅丸改め莟玉

江戸日本橋、

親元を離れて出稼ぎに来ている、

子どもの大道芸人・越後獅子の角兵衛たちが

やって来ます。

頭に獅子頭を被り、腰に太鼓をつけ、

踊りや軽業などを見せながら稼ぐ、

越後獅子らが見せる風俗舞踊です。



南座「當る子歳吉例顔見世興行」の見どころ

南座では、「吉例顔見世興行」の

出演俳優の名前を記した「まねき看板」というものが掲げられます。

これは江戸時代の宣伝方法の一つ、

南座の正面に飾られるこの看板には、

京の師走の風物詩を味わうことができます。

この興行の私が思う見どころを3つあげますね。

1つ目は、松島屋3代の共演となる

「祇園一力茶屋の場」。

主役の大星由良之助を片岡仁左衛門、お軽を長男の片岡孝太郎

そして大星力弥を孫の片岡千之助が勤めます。

仁左衛門は、「役者の家に生まれて、この配役でやれることはうれしい」と

喜びながらも、

力弥は、易しそうに見えて一番難しく、一つの試金石にもなる、

と孫の千之助の演技に期待を寄せています。

2つ目は、中村梅丸改め莟玉のお披露目です。

舞踊3演目に出演するのですが、

芸を見る目が厳しい京都のお客様の前で、

襲名への覚悟を見せる舞台になるんじゃないかな~

って思います。

努力を重ね実力をつけてきた莟玉、

美的要素も強いので、

きっと多くのファンを魅了するだろうって思います。

3つ目は、若手が揃う「越後獅子」。

こちらも舞踊ですが、

今をときめく、中村隼人、中村種之助、片岡千之助、

そして中村梅丸改め莟玉が、

揃って舞を見せてくれるのです。

彼らが仁左衛門を始め、幹部役者たちに

教えを受けながら、

作り上げるこの演目は、

来年の彼らの活躍を伺うためにも興味津々です。

役者は舞台で成長する、

これも仁左衛門の言葉ですが、

ファンの目に育てられ一回り大きくなってくれると

思うところです。

*片岡仁左衛門率いる松島屋については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

十五代目片岡仁左衛門、上方歌舞伎の名門松嶋屋の当主です。 その兄、息子、孫も歌舞伎役者、 歌舞伎界の名門、片岡家について、まるっ...

*中村莟玉の襲名にについては、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

急に入ってきたニュースが、 中村梅丸が中村莟玉(かんぎょく)を襲名(11月予定)!! とてもおめでたいニュースなので、 記...

*南座周辺については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

京都の四条河原町に建つ南座。 歌舞伎発祥の地ならではの、芝居の醍醐味があります。 その南座で、もっと観劇を楽しむための情報を紹介...




歌舞伎座12月大歌舞伎は、玉三郎、梅枝、児太郎の阿古屋再演と新作白雪姫が話題に!

歌舞伎座の12月大歌舞伎は、

昨年の阿古屋再演、白雪姫初演が楽しみです。

12月2日(月)から26日(木)までです。



歌舞伎座12月大歌舞伎の演目、主な配役とあらすじ

【昼の部 午前11時開演】

Aプロ(2・3・8・9・14・15・20・21・26日)

一、たぬき

大佛次郎 作 石川耕士 演出

柏屋金兵衛  市川 中車

妾お染    中村 児太郎

太鼓持蝶作  坂東 彦三郎

狭山三五郎  坂東 亀蔵

隠亡平助   中村 萬太郎

芸者お駒   市川 笑也

芝居茶屋女房おはま 市川 斎入

備後屋宗右衛門 市村 家橘

女房おせき  市川 門之助

深川の火葬場では、

放蕩三昧の末に急死した

柏屋金兵衛の葬式が営まれています。

ところが日も暮れた頃、

金兵衛は再び息を吹き返します。

肩身の狭い婿養子の暮らしに辟易していた金兵衛。

これを幸いにこのまま自分は死んだことにして、

女房おせきのもとへは戻らず、

妾のお染と生きようと考えます。

二、村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)

村雨  中村 梅枝

松風  中村 児太郎

在原行平が須磨へ流された際、

深く契りを交わした海女の松風と村雨の姉妹。

行平が形見として残した烏帽子と狩衣を身にまとい、

姉妹はその面影を偲び舞い踊ります。

謡曲「松風」を素材にした歌舞伎舞踊「汐汲」。

踊り手を二人にする趣向です。

三、壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき) 阿古屋

遊君阿古屋  坂東 玉三郎

秩父庄司重忠 坂東 彦三郎

岩永左衛門  尾上 松緑

平家滅亡後、

平家の武将悪七兵衛景清の行方を詮議するため、

問注所に引き出された景清の愛人、遊君阿古屋。

景清の所在を知らないという阿古屋に対し、

岩永左衛門は拷問にかけようと主張しますが、

詮議の指揮を執る重忠はこれを制します。

重忠が阿古屋の心の内を推し量るために用意させたのは、

琴、三味線、胡弓。

言葉に偽りがあれば音色が乱れるはずだと、

三曲の演奏を命じられた阿古屋は

楽器を弾きこなすのです。

*阿古屋については、こちらに詳しく書いていますので、よかったらお読みくださいね。

女形の難役と言われる「阿古屋」。 2018年に続き2019年12月も歌舞伎座で上演されます。 この「阿古屋」について、 坂...

Bプロ(4・5・6・7・10・11・12・13・16・17・18・19・22・23・24・25日)

一、たぬき

大佛次郎 作 石川耕士 演出

柏屋金兵衛  市川 中車

妾お染    中村 児太郎

太鼓持蝶作  坂東 彦三郎

狭山三五郎  坂東 亀蔵

隠亡平助   中村 萬太郎

芸者お駒   市川 笑也

芝居茶屋女房おはま 市川 斎入

備後屋宗右衛門 市村 家橘

女房おせき  市川 門之助

二、保名(やすな)

保名 坂東 玉三郎

桜と菜の花に彩られた春。

野辺をさまよい歩くのは、

恋人が自害したことを嘆き、正気を失った保名。

亡き恋人の姿を追い求めますが、

現実に引き戻され、

形見の小袖を狂おしく抱きしめて悲しみにくれるのでした。

三、壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)阿古屋

遊君阿古屋 中村 梅枝(4・5・10・11・16・17・22・23日)

遊君阿古屋 中村 児太郎(6・7・12・13・18・19・24・25日)

岩永左衛門 市川 九團次

秩父庄司重忠 坂東 彦三郎




【夜の部 午後16時30分開演】

四、神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)福内鬼外 作

頓兵衛住家の場

渡し守頓兵衛 尾上 松緑

娘お舟    中村 梅枝

傾城うてな  中村 児太郎

下男六蔵   中村 萬太郎

新田義峯   坂東 亀蔵

六郷川の矢口の渡し。

渡し守の頓兵衛は、足利と新田の争いで

褒美の金欲しさに足利方の手先となり、

新田義興の溺死に加担した強欲者。

ここへ、義興の弟義峯が恋人である傾城うてなと訪れ、

偶然にも頓兵衛の家に一夜の宿を乞います。

頓兵衛の娘お舟は、気品あふれる義峯にひと目惚れ。

義峯に恋心を明かします。

一方、義峯の素性を知った頓兵衛は、

再び金目当てに、その命を狙おうとするのです。

五、本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)

グリム童話「白雪姫」より 竹柴潤一 脚本

坂東玉三郎 補綴 花柳壽應 演出・振付 花柳壽輔 演出・振付

白雪姫   坂東 玉三郎

鏡の精   中村 梅枝

野分の前  中村 児太郎

従者晴之進 坂東 彦三郎

家臣郷村新吾 中村 獅童

その昔、とある名家の奥方である野分の前が、

大層可愛らしい赤子を授かりました。

白雪姫の誕生を、皆喜びますが、

母親である野分の前だけはつれない様子。

白雪姫が美しくなるにつれ、

自分の美しさが衰えていくのではないか

疑心暗鬼になっていたのです。

なだめる局たちの言葉にも耳を貸そうとしない野分の前が、

何気なく奥殿の鏡に問いかけると、

鏡の精が現れてその美しさを讃えます。

これに気を良くした野分の前は、

いつまでも鏡に自分の美しさを尋ねるのでした。

十数年後、白雪姫はさらに美しい姫に成長しています。

野分の前の不安は大きくなり、

ついに鏡の精も白雪姫の方が美しくなったことを認めます。

野分の前は白雪姫をやり込めようと琴の弾きくらべを行います。

家臣の郷村新吾は、

いよいよ白雪姫をなきものにしようとする野分の前の命を受け、

白雪姫を山中に連れ出します。

姫を手にかけようとしたそのとき、

新吾はそのあまりの美しさに心を打たれ、悩みます。



歌舞伎座12月大歌舞伎の見どころ

12月の歌舞伎座は大作と新作、

そして女形第一人者と若手の共演が、

楽しみな演目となっています。

私が思う見どころを3つ紹介します。

1つ目は、坂東玉三郎が

以前俳優斎で演じたこともある白雪姫を、

趣向を変え新作として蘇らせた「本朝白雪姫譚話」。

玉三郎の演出で斬新な見せ場もありそうです。

なんといっても、

玉三郎のお姫様は一見の価値ありです。

予告動画でこんなに綺麗なんだもん。

お芝居になったらどうなるのかしら、って

ドキドキしてくる期待の新作です。

2つ目は、昨年に続き

「壇浦兜軍記 阿古屋」の再演です。

女役の中でも一二を争う難役と言われるこの阿古屋。

今までは、玉三郎しか演じられる役者はいなかったのですが、

昨年、中村梅枝・中村児太郎にその役を演じる、

白羽の矢が立ちました。

今年も三人三様の阿古屋が見られそうです。

玉三郎の至高の芸も気になりますが、

梅枝・児太郎のチャレンジ阿古屋にも期待大です。

3つ目は、4種類の舞台が楽しめるということ。

昼の部だけでなんと3種。

Aプロ、Bプロ①、Bプロ②、

同じ演目でも役者が変わるとどう違うのか、

それを見比べるのも歌舞伎の醍醐味です。

3つとも同じ役を演じる役者ももちろんいますが、

その役者も相手が変わることで、

どんな役所になるのかも

見届けたいと考えています。

いずれにせよ、全部見ようとすると、

4回行かないとダメなのよね。

ボーナス月だから、

みなさん奮発してくださいね、ってことかしら。

*坂東玉三郎については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

当代一の女形、坂東玉三郎。 その美しさ、華やかさ、艶やかさ、舞台上ではひときわ光を放つ役者です。 ...

*中村梅枝については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

今日は、端正な面持ちでお姫様から若侍までを演じ分ける注目の若女形、四代目中村梅枝さんをピックアップ。 四代目中村梅枝は、若手女形の...

*中村児太郎については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

歌舞伎役者六代目中村児太郎、 昨年は「金閣寺」の雪姫、「壇浦兜軍記」の阿古屋など、 大役を演じきり、その存在感が増しています。 ...




国立劇場12月歌舞伎公演、チャップリンの「街の灯」が歌舞伎になる!?

国立劇場は、なんとチャップリンが歌舞伎になる!?

今年の躍進が著しい松本幸四郎。

締めくくりのこの芝居も是非観たいものです。

公演は12月4日(水)~26日(木)となっています。

国立劇場12月歌舞伎公演の演目、主な配役とあらすじ

【Aプロ 午前11時30分開演】

                                   

近江源氏先陣館 (おうみげんじせんじんやかた)  一幕    ―盛綱陣屋― (もりつなじんや)

近松半二=作 国立劇場美術係=美術

佐々木三郎兵衛盛綱    松本 白鸚

高綱妻篝火                 中村 魁春

信楽太郎                    松本 幸四郎

盛綱妻早瀬                 市川 高麗蔵

後室微妙                    上村 吉弥

四天王                       澤村 宗之助

四天王                       大谷 廣太郎

竹下孫八                    松本 錦吾

伊吹藤太                    市川 猿弥

和田兵衛秀盛              坂東 彌十郎

古郡新左衛門             大谷 友右衛門

北條時政                    坂東 楽善

                                         

大坂の陣で、徳川方と豊臣方に分かれて戦うことになった

真田信之・幸村兄弟。

『近江源氏先陣館』では、時代背景を鎌倉時代に移し、

二人を源平合戦で活躍した

佐々木盛綱・高綱(たかつな)兄弟に置き換えています。

「盛綱陣屋」は、全九段のうち八段目に当たり、

敵味方に分かれた一族の悲劇を綴っています。

北條時政率いる鎌倉方の武将・盛綱の陣屋には、

弟で京方の名軍師・高綱の一子・小四郎が捕らえられています。

そこに高綱が自害したとの知らせが入り、

首実検のため時政が陣屋を訪れます。

盛綱が首桶を開けた瞬間、

飛び出してきた小四郎が父を追うように切腹します。

しかし、改めて首を見て愕然とする盛綱。

弟の計略を悟り、甥子の健気さを想う盛綱は

苦慮の末にある行動をとるのでした。

蝙蝠の安さん (こうもりのやすさん)

チャールズ・チャップリン生誕130年

チャールズ・チャップリン=原作『街の灯』より

木村錦花=脚色 国立劇場文芸研究会=補綴

大野裕之=脚本考証 大和田文雄=演出 国立劇場美術係=美術

蝙蝠の安さん          松本 幸四郎

花売り娘お花          坂東 新悟

上総屋新兵衛          市川 猿弥

井筒屋又三郎          大谷 廣太郎

海松杭の松さん       澤村 宗之助

お花の母おさき       上村 吉弥

大家勘兵衛              大谷 友右衛門

チャップリンの代表作『街の灯』(”City Lights”)を元に、

劇作家の木村錦花が

『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』の

蝙蝠の安五郎を主人公のキャラクターに当てはめ、

翻案した異色作です。

その日暮らしの生活を送る蝙蝠の安さんは、

ある日、盲目の花売り娘・お花に一目惚れします。

お花の目を治したいと思った安さんは、

あの手この手で治療費を稼ごうとしますが失敗ばかり。

知り合った裕福な商人にお金を融通してもらいますが、

それが思わぬ展開になっていきます。

                                          

【Bプロ 午後7時開演】

Chaplin KABUKI NIGHT  蝙蝠の安さん (こうもりのやすさん)

チャールズ・チャップリン生誕130年

チャールズ・チャップリン=原作『街の灯』より

木村錦花=脚色 国立劇場文芸研究会=補綴

大野裕之=脚本考証 大和田文雄=演出 国立劇場美術係=美術

蝙蝠の安さん          松本 幸四郎

花売り娘お花          坂東 新悟

上総屋新兵衛          市川 猿弥

井筒屋又三郎          大谷 廣太郎

海松杭の松さん       澤村 宗之助

お花の母おさき       上村 吉弥

大家勘兵衛              大谷 友右衛門



国立劇場12月歌舞伎公演の見どころ

高麗屋の2代それぞれが、伝統の演目と異色作を、

それぞれ久方ぶりに演じることが、

大きな話題ではないかと思います。

1つ目は、白鴎が演じる盛綱陣屋。

なんと、国立劇場で演じるのは、28年ぶりだとか。

その分、深みを増した盛綱が見られるのではないかと

期待をしています。

親を思う子の行動と、

それに気づき己の立場で葛藤する武人、

セリフに現れない心情描写が見どころでしょう。

こちらにはまだ掲載されていないのですが、

小四郎を誰が演じるのか?

というところも気になります。

2つ目は、幸四郎演じる安さんに注目です。

幸四郎は30年前にこの作品を知って以来、

上演を願ってきたそうです。

その思いが叶い、

チャプリンが描く世界観を、

歌舞伎の舞台にどう反映させるか、

場面転換や音楽、セリフに至るまで、

考えての上演になりそうです。

12月25日はチャップリンの命日ということもあり、

その日にも上演できることや、

Bプロとしてこの作品のみの上演美もあるとのこと。

昔の映画ファンでなくても、

その雰囲気を楽しむことができるんじゃないかなって思います。

2018年に襲名披露を果たしてから初めて、

高麗屋が国立劇場の舞台を勤めるのも

話題の一つですね。

*松本白鸚については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

二代目松本白鸚(まつもと はくおう)といえば、 「勧進帳」と「ラマンチャの男」。 そのどちらにも、輝かしい記録を打ち立てている ...

*松本幸四郎については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

今日は、十代目松本幸四郎について紹介します。 昨年の1月に父幸四郎が白鴎へ、息子金太郎が染五郎へと、 ご本人も交えた三代同時の襲...



新橋演舞場新作歌舞伎風の谷のナウシカ、いよいよ公開、昼夜完全通しの話題作!

さてさて、今年を締めくくる超話題作といえば、

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」。

構想から5年をかけて、やっと公開されます。

上演は、12月6日(金)~25日(水)となっています。

チケットは、残念ながら公式のサイトでは

空席なしとなっています・・・くすん。

新橋演舞場新作歌舞伎風の谷のナウシカの主な配役とあらすじ

【昼の部】11時開演

原作 漫画「風の谷のナウシカ」宮崎駿

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」

序 幕:青き衣の者、金色の野に立つ

二幕目:悪魔の法の復活

三幕目 :白き魔女、血の道を征く

ナウシカ    尾上 菊之助

クシャナ    中村 七之助

ユパ      尾上 松也

ミラルパ    坂東 巳之助

アスベル    尾上 右近

ケチャ     中村 米吉

ミト/トルメキアの将軍 市村 橘太郎

クロトワ    片岡 亀蔵

ジル      河原崎 権十郎

城ババ     市村 萬次郎

チャルカ    中村 錦之助

マニ族僧正   中村 又五郎

【夜の部】16時30分開演

四幕目:大海嘯

五幕目:巨神兵の覚醒

大 詰:シュワの墓所の秘密

ナウシカ    尾上 菊之助

クシャナ    中村 七之助

ユパ      尾上 松也

セルム/墓の主の精 中村 歌昇

ミラルパ/ナムリス 坂東 巳之助

アスベル/オーマの精 尾上 右近

道化      中村 種之助

ケチャ     中村 米吉

第三皇子/神官 中村 吉之丞

クロトワ    片岡 亀蔵

上人      嵐 橘三郎

チャルカ    中村 錦之助

ヴ王      中村 歌六

原作は、宮崎駿監督、全7巻に渡る長編ストーリーです。

かなり、壮大なスケールの物語を

歌舞伎では、どの部分にフォーカスして上演されるのか、

脚本の丹羽圭子さん・ 戸部和久さん、演出は G2さんの

描く世界が気になるところです。

では、ざっくりとしたあらすじです。

巨大な産業文明は火の7日間と呼ばれる戦争によって滅び、

大地のほとんどは巨大な蟲が生き、

有毒な瘴気を発する菌類の森、腐海に覆われています。

それでも人間同士の争いは止むことがなく、

トルメキア王国と土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国の

2大国が対立している状態です。

「風の谷」は風を操る民が住む辺境の小国で、

トルメキアとは古い盟約を結んでいます。

ナウシカは族長の娘で、人々が恐れる腐海に親しみ、

蟲を愛し、心を通わせ、腐海が生じた謎を解き明かしたいと思っています。

あるとき、風の谷と同じく、盟約を結んでいる小国ぺジテで、

火の7日間で世界を焼き尽くした兵器「巨神兵」を

復活させる力を秘めた秘石が発見されます。

トルメキアは秘石を手にするためぺジテを滅ぼし、

さらに土鬼(ドルク)との戦争を始めます。

偶然、秘石を手にしたナウシカは盟約を守り出陣すると、

愚かな戦争や、腐海や蟲の起こす困難に立ち向かい、

黄昏ゆく世界に希望の光を灯すため、歩み続けるのです。



新橋演舞場新作歌舞伎風の谷のナウシカの見どころ

見どころは数知れず、

正直言って、ナウシカが歌舞伎になるとどうなるのか?

ビジュアルは出ているものの、

検討もつかないというところです。

なので、見るもの全てが見どころになりそうです。

というのも、あまり詳細な情報が見当たらないのです。

チケット販売サイト(ローチケ)のインタビューでは、

菊之助は世界観を問われて次のように答えています。

すべて漫画通りとはいきませんが、まず衣裳に関してはパッと見て、

ナウシカだよね、クシャナだよねと

お客様にすぐわかっていただけるよう、原作に寄り添いたいです。

音楽は、古典歌舞伎の黒御簾音楽をベースに、

映画の曲も一部、和楽器の編成で演奏させていただく予定です。

王蟲や巨神兵も、あくまでも古典の技法で表現する予定です。

歌舞伎にもキツネやイノシシなどいろいろな生き物が登場しますので、

その延長線上で考えています。かなり大きなものになるので、

劇場に入るかが心配です

byローチケ演劇宣言10/15より

また、ナウシカが乗るメーヴェなどは、

宙乗りで表現するそうです。

できるだけ再現性を高く表現したいという意気込みが、

どのような舞台を作るのかとても楽しみなところです。

でも、チケットがもうないのよね・・・。残念。

*「風の谷のナウシカ」については、こちらにも書いていますので、よかったらお読みください。

構想から約5年、新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」の チケット発売が始まります。 12月の上演に向け、少しずつ揃ってきた情報を元に、...

令和元年を締めくくる12月も、

歌舞伎を楽しみたいものですね。

まだ行ったことない方も、ぜひ一度ご観劇ください。

読んでくださり、ありがとう存じまする。