大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、豪華キャストで源頼朝亡き後の時代を描く歴史ドラマです。
実は、このドラマの登場人物やこの時代のエピソードは、歌舞伎とも密接なつながりがあります。
そこで、歌舞伎ファンならではの視点で、このドラマのキャストや歌舞伎との関係をお伝えしていきます!
鎌倉殿の13人とは?
鎌倉殿(かまくらどの)の13人、というドラマのタイトルも不思議ですね。
調べてみたら、鎌倉殿(かまくらどの)とは源頼朝を指すことがわかりました。
鎌倉幕府は、武家による政治が行われていました。
頼朝は関東を制定し、この武家による政治組織を作っていくのですが、
その過程で、約311人の御家人から鎌倉の主に推挙されたのです。
武家の長であるから、鎌倉殿です。
ちなみに御家人とは、
武士に従う従者すなわち家人に「御」の字を付けたものです。
つまり、頼朝に従う家人を頼朝への敬意から「御」の字を付けて
「御家人」と呼ぶようになったんですね。
歴史の教科書ではここまでは学ばなかったなあ~~
鎌倉殿の務めは次の2つ、
一 頼朝に従って戦功をあげた者の所領を安堵すること。
一 戦功に応じた恩賞を与えること。
その後、頼朝は1192年に征夷大将軍になり、
本格的に武家による政治が行われるようになっていきます。
しかし、頼朝は1199年に亡くなります。
その家督を継ぐのが、源頼家です。
頼朝に仕えた有力者のうち、
この頼家の時代に取り入れられた政策である
13人の合議制、その構成員たちのことを
鎌倉殿の13人というのです。
歴史書「吾妻鏡」に記された13人をここで紹介します。
鎌倉殿の13人の構成員
北条時政:初代執権であり源頼家の外祖父
北条義時:北条時政の嫡男、父の失脚後権力を握る
大江広元:政所別当、公家
三善康信:問注所執事、伊豆に流されていた頼朝に京都の情報を伝えていた
中原親能:大江広元の兄、政所公事奉行
三浦義澄:三浦大介義明の嫡男、安房に渡った源頼朝を助けた武将
八田知家:源義朝の落とし胤とも言われた武士
和田義盛:侍所別当、三浦大介義明の孫
比企能員:源頼朝の乳母比企尼の養子
安達盛長:比企尼の娘婿、伊豆に流された頼朝を援助した武将
足立還元:足立氏の祖
梶原景時:平家方でありながら、源頼朝を石橋山の戦いで助けた武将
二階堂行政:政所執事を務めた公家
みんな実在の人物ではありますが、
生没年や家族や主な役割など分からない方も多いようです。
ドラマでは、残っている史実をもとに
物語を構成し直して、
この13人の群像を描くのではないかと期待しています。
鎌倉殿の13人キャスト一覧
それでは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のキャスト(敬称は略させていただきます)を紹介していきますね。
全員は無理なので、メインキャストだけになっちゃいますがご承知くださいね。
脚本:三谷幸喜(役者じゃない)
北条義時(主人公鎌倉殿の13人の一人):小栗旬
北条時宗(13人の1人、義時の父で初代執権):坂東彌十郎
北条政子(義時の姉で頼朝の妻):小池栄子
畠山重忠(板東の武将):中川大志
平宗盛(平清盛の息子):小泉孝太郎
三浦義村(北条義時の盟友):山本耕史
和田義盛(三浦大介義明の孫):横田栄司
源頼家(頼朝の家督を継ぎ征夷大将軍となる):金子大地
三善康信(鎌倉幕府の司法長官):小林隆
源義経(源頼朝の異母弟、悲劇の武将):菅田将暉
武蔵坊弁慶(義経に惚れ込み家来となる):佳久 創
梶原景時(御家人筆頭、平家を裏切り頼朝につく):中村獅童
牧の方(北条義時の継母):宮沢りえ
源頼朝(御家人の筆頭、鎌倉殿):大泉洋
上総広常(板東の武者、実力者):佐藤浩市
八重(源頼朝の最初の妻で義時の初恋の人):新垣結衣
後白河法皇(影の権力者):西田敏行
藤原秀衡(奥州の長、義経に同情した助けようとする)田中泯
亀(源頼朝の愛妾):江口のりこ
三浦義澄(三浦家の惣領):佐藤B作
武田信義(甲斐源氏の棟梁):八嶋智人
丹後局(後白河法皇の寵姫):鈴木京香
木曽義高(源氏の武将、木曾義仲の父):市川染五郎
仁田忠常:ティモンディ高岸広行
道(比企能員の妻):堀内敬子
平知康(後白河法皇の側近):矢芝俊博
善児(下人):梶原善
比企尼(源頼朝の乳母で影で支える):草笛光子
木曾義仲(源氏の棟梁の座を狙う頼朝のライバル):青木崇高
巴御前(誇り高い義仲の愛妾):秋元才加
牧宗親(牧の方の兄で異文化への造詣が深い):山崎一
千葉常胤(板東の重鎮、千葉氏の祖):岡本信人
文覚(源頼朝に近づく謎の僧):市川猿之助
伊藤祐清(家族想いで優しい八重の兄):竹財輝之助
工藤祐経(伊藤祐親を恨む伊豆の武士):坪倉由幸
*工藤祐経って誰?という方はこちらもご覧くださいね。
山内首藤経俊(相模の豪族):山口馬木也
大庭景親(平清盛の信頼の厚い板東の大物):國村隼
平清盛(平氏の棟梁):松平健
北条宗時:片岡愛之助
比企能員(鎌倉殿の13人の1人):佐藤二朗
大姫(源頼朝の娘):南沙良
大江広元(13人の1人):栗原英雄
安達盛長(13人の一人):野添義弘
源行家:杉本哲太
伊東祐親(伊東家の惣領で義時の祖父):浅野和之
阿波局(政子・義時の妹):宮沢エマ
土肥実平:阿南健治
阿野全成:新納慎也
源範頼:迫田孝也
源実朝(頼朝の息子、3代将軍):柿原勇人
比奈(義時の正室で泰時の母):堀田真由
北条泰時(義時の息子、義時の跡を継ぎ執権となる):坂口健太郎
北条時房(義時の義弟):瀬戸康史
八田知家(下野の豪族):市原隼人
後鳥羽上皇(後白河法皇の孫でのちの権力者):尾上松也
まだまだ魅力的な配役の発表に期待が集まっています!!
武蔵坊弁慶の名が上がっていないので、
ネット上では、香取慎吾さんじゃないかとヤキモキの声多数です。
鎌倉殿の13人キャスト相関図
鎌倉殿の13人、登場人物が多く、
そして、どこからどこまでが敵・味方なのかもわかりづらく、
まさに三谷幸喜さん脚本のドラマ、と言えそうな感じ・・・
相関図はこちらが紹介されているので、
NHKのホームページより掲載させていただきます。
また、このドラマが入り組んでいる背景として
時代の流れも影響していると思います。
ざっくり流れを追うと、
平家の栄華
↓
源氏挙兵
↓
源平の戦い
↓
源頼朝が御家人筆頭に
↓
源義経失脚
↓
源頼朝の死により家督がより家に渡る
↓
13人の合議制発足
↓
北条時政が権力を握り北条氏の時代が始まる
↓
北条義時が執権になる
とこれにまつわるあんな事件やこんな事件
この後も様々なエピソードがありますから、
どこに誰が関わるのかで、
この登場人物たちの相関図が作られていきます。
現在の相関図は、ざっくりした関係を表しているものの、
ドラマが進むにつれて、
新たな人間関係が作られていくことは間違いありませんね。
約1年かけて、楽しんでいきたいと思います。
源頼朝と北条義時の関係についてはこちらにまとめました。
鎌倉殿の13人に歌舞伎役者が多い理由?
鎌倉殿の13人には、多くの歌舞伎役者が出演しています。
メインキャストとして、
坂東彌十郎さん(北条時政役)、片岡愛之助さん(北条宗時役)、
市川猿之助さん(文覚役)、市川染五郎さん(木曽義賢役)などです。
三谷さんが作るドラマなので、
おそらく今後も他の方が出てくると思います。
もともと、歌舞伎役者は時代物の芝居を演じているため
時代劇に必要な所作や立ち回り、言葉遣いなど苦もなくできる方達です。
加えて、幼い頃から演劇の基礎を叩き込まれているため、
演技力も確かです。
そういうところから、
時代劇では重宝されることが多いようですね。
中でも、三谷さんといえば、
松本白鸚(元の9代目松本幸四郎)さんをドラマに起用し、
ヒットを産んだ方でもあります。
さらに、三谷歌舞伎なるものも役者さんたちと作り上げていらっしゃいます。
2019年に三谷さんが制作に関わった「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)」では、
松本幸四郎さん、市川猿之助さん、片岡愛之助さんはじめ
人気役者たちが見せるドラマに多くの人が感銘を受けました。
その時の記事はこちらです。
坂東彌十郎さんも市川染五郎さんも、
歌舞伎役者じゃないけど八嶋智人さんも出演されていらっしゃいました。
なので、この中のメンバーからまだドラマに起用される方が増えるんじゃないかなって
私は睨んでいるところです。
つまり、元々時代劇の素養がある役者であることから、
歌舞伎役者は大河ドラマに起用されることが多いのですが、
加えて、三谷さんの歌舞伎とのつながりも影響があるんじゃないかな
っていうのが
私が思う、「鎌倉殿の13人」に歌舞伎役者が多い理由です。
「鎌倉殿の13人」は、2022年の大河ドラマとして、
第1回目の放送が1月9日(日)に決定しています。
1年間、このドラマを楽しく見ていきたいと思います。
読んでくださり、ありがとう存じまする。
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